ePHOTOzineがキヤノン製一眼レフ「EOS-1D X Mark III」のレビューを公開。高速連写やAFならミラーレスも優れていると言及しつつ、見事なバッテリーライフと高速連写が必要であれば検討すべき1台と評価しています。
高速連写×バッテリーライフ
ePHOTOzine:Canon EOS-1D X Mark III Review
- 主な改善点
ー210万ドットの背面モニタ
ー191点AF・155点クロスの新AFシステム
ー50万回の耐久シャッター回数
ー改良したローパスフィルター
ー動画:5.5K RAW・フル画角の4K 60p DCI
ー内蔵ステレオマイク搭載
ーWiFI/Bluetooth搭載
ー高速ギガビットイーサネット・USB-Cポート
ーCFexpress対応デュアルスロット
ー1.44kgまで軽量化- 大きくしっかりとしたボディだ。重量があり、存在感のあるカメラである。
- 以前のEOS-1D Xユーザーであれば大部分のボタンが同じ場所にあるため、お馴染みの操作性となる。ただし、AF-ONボタンにわずかな変更点がある。
- フロントにカスタマイズ可能なボタンを4つ搭載しているほか、シャッターボタン周囲には欲しいボタンが所定の位置に収まっている。
- ボタンイルミネーションに対応している。
- 光学ファインダーは大きく明瞭だ。背面モニタは高解像で良好な視野角を備えている。タッチパネルに対応しており、メニューなどの操作が可能だ。
- メニューシステムは論理的でセクションごとに色分けされている。変更したい設定をすぐ見つけることが出来る。
- バッテリーライフは2850コマとMark IIより優れている。
- 色再現性は優れており、露出の信頼性は高い。ピントは正確で、連写撮影では16コマ秒?20コマ秒を利用可能だ。間違いのないカメラである。
- HDR PQ設定をオンにするとJPEGからHEIF出力へ切り替わる。ただし、このファイル形式は新しく、対応製品が少ない。
- ISO感度は100から102400まで利用可能だ。拡張感度としてISO50やISO819200を利用可能である。ノイズを最小限に抑える場合はISO100からISO1600の使用がおススメだ。低照度でもISO3200からISO25600では良好な結果を得ることが出来る。ISO51200ではノイズが強くなり、可能であれば避けたいISO感度だ。ただし、ウェブサイズであれば実用的な結果となる場合がある。ISO102400以降はノイズが非常に強いので避けるのがおススメだ。
- ホワイトバランスは混合照明下でも動作する。
- フル画角の4K動画に対応しているが、光学手ぶれ補正を搭載していないレンズでは三脚の使用がおススメだ。カメラの重量があるので手持ちでの動画撮影はおススメしない。
プロスポーツや野生動物のフォトグラファー向けに設計されたカメラだ。AFや連写速度に加え、過酷な環境でも使用できる頑丈なビルドクオリティを備えている。一眼レフカメラとしては高速連写に対応したモデルだが、20コマ秒の連写速度を達成しているミラーレスカメラは多い。しかし、1D Xのようなバッテリーライフを持つミラーレスカメラは存在しない。並外れたバッテリーライフと高速連写が必要な場合は検討してみると良いだろう。
長所:優れた画質・見事なノイズ耐性・高速AFシステム・高速連写・優れたバッテリーライフ・RAW現像
短所:HEIF出力の実用性・サイズ・重量・価格・ボディ内手ぶれ補正非搭載
とのこと。
一眼レフとしても非常に強力なパフォーマンスを備えているうえ、ミラーレスのようにライブビューを使用してもハイエンドミラーレスのような使い方ができる一眼レフカメラですね。AFカバーエリアや連写速度はミラーレスに強みがあるものの、頑丈なボディやバッテリーライフは一眼レフらしい強みと言えそう。バッテリー交換出来ないようなシーンでは、一眼レフの持続能力が重要となってくることでしょう。新型2000万画素センサーの性能も良好らしく、高感度ISO使用時の画質は良さそうですねえ。
価格設定は非常に高くなってしまいましたが、一眼レフとミラーレスを融合したモデルとしては最上の選択肢と言える存在であり、値付けは妥当と感じます。とは言え、一眼レフとして使いたかった人にとって、動画機能やライブビューの強化は不要であり、上乗せされた価格設定がやや重荷と感じるかも。
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