PhotographyBlogが富士フイルム「GF30mmF3.5 R WR」のレビューを掲載。GFレンズとしては開放が少しソフトで、逆光耐性にもいくらか注意点があるものの、優れた光学性能の小型軽量レンズと評価しています。
PhotographyBlog:Fujifilm GF 30mm f/3.5 R WR Review
レンズの紹介:
- 富士フイルム中判GFXシステム用の広角レンズだ。フルサイズで言うところの24mmに相当する。
- GFX100の1億画素センサーに適した光学設計と主張しており、特に風景写真に適したレンズだ。
- 価格は約1700ドルで、PENTAXとほぼ同じ、そしてハッセルブラッドXCDレンズの半値だ。
ビルドクオリティ:
- 防塵防滴仕様に加え、-10℃の耐寒仕様である。
- 前玉には汚れに耐性のあるフッ素コーティングが施されている。
- 前面は58mm径のレンズフィルターに対応している。
携帯性:
- わずか510g、全長約100mmだ。中判システムとしては小型軽量である。
- GFX50Rと組み合わせたところ、相性は完璧だ。
操作性:
- F3.5からF32まで1/3段間隔で操作できる絞りリングを搭載。
- フォーカスリングは幅広く見つけやすい。素敵な操作性である。
- フォーカスリングと絞りリングは明確に分離されており、2系統の操作で混乱することは無い。
オートフォーカス:
- フォーマットサイズを考慮すると、AFは非常に高速だ。
- インナーフォーカスのため全長が変化することはない。
- フォーカスブリージングは目立たず、富士フイルムによると僅か0.05%とのことだ。
マニュアルフォーカス:
- MFへの切替はレンズでは無く、カメラ側での操作となる。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- これまでのGFレンズは全体的に隅から隅までシャープだった。
- このレンズはF3.5でこれまでになくソフトだが、これは等倍で確認した場合のみだ。絞り開放の使用を躊躇するものではない。
- F16まで絞るとディテールが少しソフトとなる。
- 回折の影響はF22で目立ち、F32でより明確となる。このレンズを最大限活用するのであれば、被写界深度の確保以外でF20以上の絞り値は避けたい。
- 全体的にとてもシャープなレンズだ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 広角レンズでボケは優先順序が高くないと思う。それでも適度に柔らかい描写で、目立つ軸上色収差は見られない。
- F5.6まで比較的丸みを帯びた形状のボケとなる。
- F8以上ではボケが角ばってくる。
色収差:
- 色収差はとても良好に補正されている。
- 実写でRAWに目立つ色収差は確認できない。
- 軸上色収差の補正も優れている。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- RAWでも最小限に抑えられているが僅かな陣笠状だ。
周辺減光:
- F3.5でも目立たないが、影響は見られる。
- F4で減少し、F5.6以降で解消する。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 太陽をフレームに入れてフレアの影響を受けないレンズは無いが、このレンズは思っていたよりもフレアの影響がある。強い光源を入れる際は注意が必要だ。
総評
すべての面で優れたレンズだ。頑丈で耐候性があり、小型軽量、さらにフォーカスリングと絞りリングで直感的な操作が可能だ。GFXシステムらしく。スピーディな起動・シャッターレスポンス・AFを利用可能だ。これらはデジタル中判システムの中でも最も速いパフォーマンスである。また、マニュアルフォーカスの操作性や、メカニカルシャッターとサイレントシャッターが選択可能な点も評価できる。全体的に、GF30mmF3.5 R WRは夢のような使い心地だ。
5000万画素のGFX 50Rを使ったテストでは、画像全域でシャープなディテールを楽しむことができ、F3.5からF14までの絞り値では特にシャープな印象を受けた。富士フイルムは、このレンズが1億画素のGFX100のポテンシャルをも引き出すことができると主張している。
色収差、周辺光量、歪曲収差はしっかりとコントロールされているが、ほんの少しだけ陣笠状の歪みが見られる。とは言え、歪曲を目立つように撮影しないと気が付かない程度だ。
どんなレンズでも太陽に向かって直接撮影するとフレアが発生するものの、このレンズのフレアはかなり強く、画質の評価を下げるのに十分だ。ボケは良好だが美しいものではない。GFシリーズには、より汎用性の高いFUJIFILM GF32-64mmF4 R LM WRがある。では、GF30mmF3.5 R WRの出番はあるだろうか?価格が30%安く、画角が1mm広く、1/3EV明るい。価格が主な差別化要因となるだろう。
全体的に見て、24mmの焦点距離を持つこのレンズは、特に風景写真家や映像制作者に適しており、非常にお勧めのレンズだ。
とのこと。
絞り開放のシャープネスと逆光耐性にいくらか注意点があるものの、小型軽量で優れた光学性能のレンズに仕上がっているみたいですね。特に小型軽量なGFX 50RやGFX 100Sとの組み合わせが最適なように見えます。1億画素のGFX 100やGFX 100Sでどれほど耐用できる光学性能なのか気になるところですが、少なくとも5000万画素のGFX 50Rと組み合わせた実写作例ではフレームの端まで良好な光学性能を実現しているように見えます。
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