ePHOTOzineがリコーイメージング「HD PENTAX-D FA★ 85mm F1.4 SDM AW」のレビューを掲載。巨大な85mmですが、全体的にシャープでボケも綺麗で替えのきかないレンズと言及。
ePHOTOzine:HD Pentax-D FA* 85mm F/1.4 Lens Review
(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)
外観・構造:
- D FA★50mmF1.4 SDM AWと同じ仕上がり、デザイン、サイズのレンズだ。
- 円筒型レンズフードの先端はゴムコーティングされ、フィルター操作窓を搭載しているがロック構造は無い。
- フィルター径は82mmだ。
- 防塵防滴構造で前面にはSPコーティングが施されている。
- レンズは電磁絞りタイプのKAF4仕様だ。
携帯性:
- 非常に大きく重いレンズだ。
- フード無しで重量は1255g、フード装着で1355gだ。
- 全長123.5mm、直径95mmと非常に大きい。
- 大きなレンズだがボディとのバランスは取れている。
操作性:
- フォーカスリングは適切なトルクで回転する。
- クイックシフトフォーカスに対応しているのでAF中でもMF操作が可能だ。
- 側面にはAF/MFスイッチのみ搭載している。
フォーカス:
- フォーカスは非常に重いレンズ群を移動させるため、リング型超音波モーターを使用している。
- 最短撮影距離は0.85m、最大撮影倍率は0.12倍だ。ポートレートでは問題無いが、もう少し近い被写体にピントを合わせることが出来ると良かった。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- 中央はF1.4からF5.6まで優れた結果となり、F8からF11まで非常に良好だ。
- 端は中央と同じパフォーマンスを発揮する。
- 中央のみならず、フレーム端まで均質的な性能を発揮する見事な光学性能だ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- とても滑らかで美しい描写だ。
色収差:
- 全体的にとても良好に補正されている。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 事実上のゼロ歪曲だ。
周辺減光:
- 減光は発生するが、大口径レンズとしては控えめだ。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- とても良好だ。
- 逆光でもコントラストを維持している。
総評
このレンズは最高の品質だが、残念ながら価格もこのグループの中で最も高い。レンズは大きく重いが、それはレンズの作り明確な理由がある。このレンズは、大きくて重いレンズでなければならない。
我々は常にレンズの中にある「魔法の粉」、つまり、測定できないが、見ればわかる魔法のような品質を探し求めている。このレンズは替えが利かない、一度手にしたら、手放したくなくなることはまずないだろう。強くお勧めするレンズだ。
- 長所:
・優れたシャープネス
・とても均質な性能
・色収差補正
・歪曲収差補正
・美しく滑らかなボケ
・AF
・防塵防滴
・ビルドクオリティ
・クイックシフトMF
・逆光耐性- 短所:
・価格
・重量
とのこと。
2020年に登場した、シグマ「85mm F1.4 DG HSM」と同じような重量・サイズの巨大な一眼レフ用85mmレンズですね。巨大ですが、フレーム端まで一貫した光学性能を実現し、周辺減光も良く抑えられているようです。サンプルギャラリーを確認すると、口径食は少しありますが、ボケは滑らかで綺麗ですね。
現在の販売価格は18万円前後で、20万円を超えていた売り出し価格と比べると少し安くなってきました。それでも高価なレンズに違いないものの、他社と比べて驚くような価格設定ではありません。ePHOTOzineは「替えがきかない」レンズと評価していますが、そもそも論として「(現行品としての)選択肢が他に無い」ので、85mm F1.4が必要であれば清水の舞台から飛び降りる必要がありそうです。
HD PENTAX-D FA★ 85mm F1.4 SDM AW交換レンズデータベース
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