PENTAX FORUMSが「HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AW」のレビューを掲載しています。
いつものように熱いレビュー記事が13ページに渡って公開されています。中央画質がズームレンジ全域で素晴らしく、戦車のような造りであると述べています。ボケ味もズームレンズとしては称賛に値するとのこと。「ライブビューの方がAF速い」と言う点は気になりますね。
重量は確かにキヤノンの「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」と比べると遥かに重いですが、ニコンのゴロゴロズーム「AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR」と比べると同程度だったりします。
PENTAX FORUMS
- フルサイズ一眼レフを前提とした光学設計だが、PENTAX K-70やK-S2、K-3IIなど現行のAPS-Cボディでも驚くほど効果的だ。
- このような堅牢なレンズはあまりお目にかからない。現在のペンタックスズームレンズの中では最大のものであり、妥協を許さない総金属製の鏡筒を纏っている。耐候性のあるシール構造の鏡筒は2000gだが、三脚座とフードを加えると2325gまで増加する。
- 前玉にはメンテナンスが容易で汚れや油を弾くSPコーティングが施されている。
- フィルター径は86mmと現行のPENTAXレンズには無い珍しいサイズだ。
- レンズの仕上げは他の最新レンズと同様だ。
- 三脚座は90°ごとにソフトクリックがあるタイプで回転は滑らかで流動的だ。
- フォーカスリングは2.3センチと幅広く、ファインダーを覗きながらでも容易に操作することが出来る。フォーカスリングの両端(1.2mと∞)にはソフトストップがあるが、クイックシフトフォーカスに対応しているので回転し続ける。2m?∞まででほぼ一回転するため、一回のピント移動では操作しきれない場合があるだろう。
- 大きなズームリングは5.8センチの幅を持っている。他のズームレンズと比べて前方に配置されている(カメラからの距離的に)ので最初は操作に戸惑うかもしれないがすぐ慣れる。回転角は90°で操作する際の抵抗量は大きく二本の指で操作は出来ない、手で掴んで回す必要がある。
- ズームリングとレンズ先端の間には小さな窪みがある。これは欠陥では無く、ズーム操作時に指を挟んでしまうリスクを避けるための賢明なデザインだ。ズーミング時には6.7センチ伸びる。
- 防塵防滴のレンズだが鏡筒が伸縮するため、空気の流れがファインダーやボタンなどカメラの隙間から流れ出る事がある。
- レンズフードは大きく丈夫だ。プラスチック製だが通常よりも厚く造られている。円筒状のフードにはフィルター操作を簡単にするための操作窓が設けられている。逆さ付け可能だが、その場合にはズームリングがほぼ完全に覆われてしまう。ズームリングの抵抗量を考えるとこのまま使用するのは困難だ。
- フォーカシングは従来のSDMよりはるかに信頼性が高く高速なDCモーターを使用している。AFは静かだが完璧では無い。騒がしい環境では音が聞こえることは無いが、静かな環境であればノイズが発生する。ボディ側駆動よりも遥かに静かであり、全く問題ないものだ。
- オートフォーカスは明るい光の下では高速かつ正確であり期待できる性能だ。一方で暗い場所ではAFは減速する。ピント面の近くまでは高速に移動するが、最後の微調整は馬鹿馬鹿しいほど時間を使う。全ての場合においてAF精度はほぼ完璧だ。
- ライブビューAFは驚くべき結果だ。我々の経験では位相差AFよりもライブビューで遥かに速く動作する初めてのレンズだ。低照度の環境では微調整で減速することが無いので位相差よりも遥かに高速だ。
- マニュアルフォーカスは300°という非常に大きい回転角を持ち、ピント面の正確な微調整が可能だ。クイックシフトフォーカスは「HD PENTAX-D FA*70-200mmF2.8 ED DC AW」のようにモードMとAが存在する。回転角は大きいが「プリセットモード」を使えば所定のピント位置に戻すことが可能だ。
- フォーカスリミッターは所定のズームレンジでオートフォーカス動作を固定するが、マニュアルフォーカスには影響しない。リミッターを使うと動体を追跡するときにフォーカシング速度をおよそ1秒向上させることが可能だ。普段は6m?∞に設定しておくことをお勧めする。このレンズには他ではあまり見ない「2?6m」という便利なモードが存在する。
- このレンズはシャープで、コントラストのある発色、豊かな諧調、良好な色調を兼ね備えている。
- 一般的にこのレンズで露出が暴れることは無い。僅かな露出不足の例は白い雪に覆われたシチュエーションで、レンズの問題では無いだろう。
- このレンズで光芒はほとんど出ない。
- K-3などの内蔵フラッシュはケラレる可能性がある。
- 150mm解像度…絞り開放から中央はとても良好な結果だ。F5.6~F11ではフレーム全体において驚くほど一貫して良好な画質となる。さらに絞るとソフトになる。
- 300mm解像度…絞り開放で中央も周辺部もシャープネスは抜群だ。四隅は1段絞ると追いつきF16まで見事なシャープネスを発揮する。F22ではとてもソフトで、F29は使わない方が良いだろう。
- 450mm解像度…中央は絞り開放で良好だが、周辺部はF8でシャープとなる。四隅は絞っても決してシャープにはならない。四隅の解像力は超望遠の性質を考慮すると問題にはならないだろう。F8で最良の結果を得ることが出来る。このような長焦点レンズでこのレベルの解像度に達するのは見事だ。
- 良い光条件以外ではシャープな画質を維持するためには注意が必要だ。三脚を使ってもブレが発生するため、我々はテストを実施するために電子シャッターや遠隔操作を使い、忍耐力を試された。
- 実写における結果はテストチャートを用いた場合と一致した。中央はズームレンジ全域で優れており、絞り開放でも良好だ。周辺部は全体的に優れており、四隅は長焦点となるほど中央と画質に差が出てくる。
- 周辺減光は長焦点となるほど減少している。これは可変絞りであるため驚くべき結果ではない。150mmの絞り開放で1.5EVに達する減光が発生するが、他の設定では目立つことは無い。これは称賛に値するものだ。さらにソフトウェアで補正すると周辺減光の痕跡は全くなくなる。
- ボケは縁取りが滑らかでほとんどの撮影で邪魔になるものでは無いだろう。本当に不満は無い。
- フレア耐性…中央に太陽をフレーミングすると、全ての絞り値で太陽の周辺に赤いハローが発生し、F16~F22で邪魔になる。四隅に太陽を配置すると全ての絞り値で小さな緑色のドット(ゴースト)が発生し、場合によっては邪魔になる。F16では1ドットしか残っておらず、F22まで絞ると消えてなくなる。フレアはコントラストを損なうことなく十分抑えられている。
- 色収差はF4.5~F5.6の場合にボケの色づきとして現れるがF8で解消する。存在したとしても決して問題にはならない量だ。パープルフリンジはほとんど見られない。K-1においておよそ1ピクセル程度だ。
- 歪曲は150mmで場合によって視認できるが、300mmを超えるとほとんど目立たない。
このレンズは個性的でKマウントのフルサイズ用としては無敵の超望遠風景レンズだ。フルサイズで見事な結果を出すレンズであり、ペンタックスのラインナップに相応しい。
レンズの造りは傑出しており、防塵防滴で総金属鏡筒は頑丈で耐久性がある。操作は正確で簡単だが、ボタンが多いので慣れが必要だろう。フォーカスリングは300°の大きな回転角で正確な操作が可能だ。
中央画質はズームレンジ全域で絞り開放から優れている。四隅は見事な性能では無いが、周辺部は全体的に中央画質に似ている。色収差は良好に補正されている。
ボケは多くの場合で満足いくものだが、背景が騒がしいと煩くなることがあるが平均よりも遥かに優れたものだろう。特にズームレンズとしては称賛に値する。
オートフォーカスは明るい場所では優れているが、暗い場所では見事なものでは無い。ライブビューでもファインダーを使った場合でも精度は常に正確だ。
このレンズのサイズは驚くべきものでは無いが、購入する前に検討した方が良いだろう。一脚か三脚が欲しくなる。
長所:優れた解像度は特に中央がシャープ、歪曲収差が小さい、色収差とパープルフリンジがほとんど無い、素晴らしいボケ、戦車のようなレンズの造り、数多くの便利な操作性、明るい場所での高速AF、MFの大きな回転角
短所:インナーズームでは無い、暗い場所でAFが遅い、フレア・ゴースト耐性、大きくて重い
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