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「LAOWA 15mm F4.5 Zero-D Shift」はキヤノンに匹敵する優れたシャープネス

Sony Alpha BlogがVenus Optics「LAOWA 15mm F4.5 Zero-D Shift」のレビューを公開。チルト機能を省略することでエルゴノミクスを向上し、シャープネスはキヤノンTS-Eに匹敵すると評価しています。

Sony Alpha Blog:Laowa 15mm F4.5 Shift W-Dreamer

レンズの紹介:

  • 主な仕様
    ・重量:738g
    ・価格:1400ユーロ
    ・絞り:F4.5-22
    ・全長:130mm
    ・フィルタ:非対応
    ・絞り羽根:5枚
    ・シフト:±11mm
    ・イメージサークル:65mm
    ・画角:110°
    ・最短撮影距離:20cm
  • ソニーEマウント用ではとても珍しいシフトレンズだ。他の選択肢はサムヤン「24mm F3.5 Tilt-Shift ED AS USM」くらいである。あとはアダプター経由で一眼レフのレンズを使うしかない。
  • シフトレンズを使うと光軸を横方向に移動することが出来るため建築物の撮影で重宝する。
  • シフト機能のみであり、チルト機能はない。これは良い選択だ。複雑なチルト・シフトレンズと比べてエルゴノミクスの向上に繋がっている。

ビルドクオリティ:

  • ビルドクオリティはとても良好だ。
  • レンズはフルマニュアルであり、電子接点がない。

携帯性:

  • かなり重いレンズだ。

操作性:

  • シフト機能を利用する際のノブは無い。フォーカスリングのようなリングを回転させてシフトする。
  • フォーカスリングは20cmから無限遠まで90°で操作できる。
  • 絞りリングは1段ごとにノッチがある。
  • 15°ごとにレンズを回転するノブと、±11mmでシフトできるシフトリングがある。

オートフォーカス:

  • 記載なし。

マニュアルフォーカス:

  • 記載なし。

手ぶれ補正:

  • 記載なし。

解像性能:

  • 6100万画素のα7R IVでテストした。
  • 中央はF4.5から非常に良好だ。F8で最適な画質となる。
  • 四隅はF5.6で非常に良好となる。
  • シフト時はF8まで絞ると良好となる。
  • 結論として、最適な結果を得るにはF8まで絞ると良いだろう。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ・色:

  • このような広角レンズとしてはボケがとても柔らかい。
  • 玉ボケに問題は無いが、絞ると五角形となる。
  • 発色は良好だ。

色収差:

  • とても少ない。

球面収差:

  • 記載なし

歪曲収差:

  • 非常に小さく、ゼロ近い。

周辺減光:

  • シフトしていない場合の光量落ちは少ない。
  • 最大シフト時はフレーム片側のみ強い光量落ちが発生する。

コマ収差:

  • 記載なし。

逆光耐性:

  • 平凡だ。目立つフレアがしばしば発生する。
  • F5.6で10本の素敵な光条が発生する。

競合レンズ比較

  • 全体的にキヤノンTS-E Lレンズと同等の非常に優れたシャープネスを備えている。古いサムヤン製レンズよりも遥かに優れた性能だ。
  • キヤノンやサムヤンはチルト機構を含む複雑な操作性によりエルゴノミクスが良くない。
  • サムヤンよりも発色が良好だ。歪曲収差の補正状態も良い。

作例集

総評

これまでテストしたLAOWAの中で最高のレンズの一つだ。ソニーEマウント用としては貴重なシフトレンズにして、焦点距離は建築物の撮影に最適だ。パノラマ写真にも利用できる。

ビルドクオリティとエルゴノミクスは優れており、全体的なシャープネスはとても良好だ。動画撮影は後処理が非常に難しいため、シフトレンズを使う意義があり、ゲームチェンジャーとなる。

大部分のシフトレンズと同様、倍率色収差や周辺減光と言った点で完璧とはいかない。しかし、キヤノンTS-E 17mmやサムヤン24mmよ比べて遥かに安価だが、ビルドクオリティ・エルゴノミクス・シャープネス・歪曲収差の補正ははるかに優れている。強くおススメできるレンズだ。

  • 長所
    ・全体的にとても良好なシャープネス
    ・最大シフトでもF8で最良の結果を得られる
    ・優れたビルドクオリティ
    ・優れたエルゴノミクス
    ・建築物に適した焦点距離
    ・良好な色
    ・F5.6で素敵な光条
    ・色収差の良好な補正
    ・歪曲収差の良好な補正
    ・最短撮影距離
    ・このクラスとしては良好なボケ
  • 平凡
    ・防塵防滴非対応
    ・大きく重い
    ・高価だが、このクラスとしてはリーズナブル
    ・シフト時の光量落ち
  • 短所
    ・EXIF非対応

とのこと。
チルト機能には非対応ですが、そのぶん良好な操作性を実現し、優れた光学性能を備えたレンズに仕上がっているようです。F8まで絞ればシフト時も良好なシャープネスを得られるという評価はAdmiring Lightと同じですね。シフトレンズとしては手ごろな価格ですが、光学性能に妥協は見られない模様。

実写作例を確認する限りでは良好なシャープネスを備えていることが分かります。広角レンズが得意なLAOWAらしい優れた光学性能ですね。倍率色収差はわずかに残存していますが、この画角のレンズとしては良く抑えられているように見えます。

カバーしている画角が広いので出目金&逆光耐性の低下は避けられないようです。絞り開放ではフレアの影響がいくらか見られますが、F5.6まで絞ると影響は少し抑えられています(絞り過ぎるとゴーストが目立つようになりますが…)

国内ではソニーEマウントの取り扱いが始まっていないものの、アダプター経由で一眼レフ用を利用できます。価格は15万円超と安くありませんが、古い「TS-E17mm F4L」が25万円前後することを考えると安いと感じるかもしれません。

Venus Optics「LAOWA 15mm F4.5 Zero-D Shift」交換レンズデータベース

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