「LUMIX S 50mm F1.8」は非常に均質的な描写の防塵防滴レンズ

Lesnumeriquesがパナソニック「LUMIX S 50mm F1.8」のレビューを公開。解像性能はハイエンドレンズに遠く及ばないものの、描写性能は均質的で、この価格帯のレンズとしては珍しい防塵防滴仕様と評価しています。

Lesnumeriques：Test Panasonic Lumix S 50mm F1.8 : une bonne entrée de gamme pour les hybrides en monture L

レンズの紹介：

パナソニックは徐々にフルサイズミラーレス用レンズを拡充しており、今回は「50mm F1.8」をリリースした。

これはLマウントレンズラインアップの中で最も低価格なレンズである。

パナソニックは同シリーズで「24mm F1.8」「35mm F1.8」も計画している。

2021年7月に469ユーロで発売された。

ビルドクオリティ：

黒を基調とした落ち着いた外観だ。

しっかりとした作りのレンズであり欠点は見られない。

携帯性：

これまでのLUMIX Sレンズの中ではコンパクトで最軽量のレンズだ。とはいうものの、キヤノン「RF50mm F1.8 STM」のようなレンズと比べると程遠い。

操作性：

十分な幅を持つフォーカスリングは滑らかに回転する。ゴム製のため埃が付きやすい。フォーカスは電子制御で動作する。

側面にはAF/MFを切り替える唯一のスイッチがある。

オートフォーカス：

AFの応答性は高く、動画撮影では無音で動作する。

マニュアルフォーカス：

記載なし。

手ぶれ補正：

手ぶれ補正は搭載していないが、ボディ内手ぶれ補正を利用可能だ。

解像性能：

LUMIX S1Rと組み合わせてテストした。

LUMIX S 85mm F1.8は悪い結果ではないが、良好と評価するには不十分である。そのレンズと比べて、全体的に少し良好だ。

絞り開放の結果は少し悪い。ベストな絞り値はF2.8からF8である。

RF50mm F1.8 STMよりも優れている。

FE50mm F2.5 Gと比べると遥かに見劣りする。

像面湾曲：

記載なし。

ボケ：

50mm F1.8はボケを作りやすいレンズだ。

玉ボケは円形を維持しており、大きな欠点は見当たらない。

色収差：

収差はとても限定的で目に付く機会は滅多にないだろう。

球面収差：

記載なし。

歪曲収差：

歪曲収差はほとんど存在しない。

周辺減光：

F1.2のような大口径レンズと比べると光量落ちは少ないが、それでも目に付く。

F2.8で大幅に改善する。

コマ収差：

記載なし。

逆光耐性：

記載なし。

総評

LUMIX S 50mm F1.8は、エントリーユーザーや古典的な50mm単焦点のファンのための導入しやすいレンズだ。シャープネスがハイエンド基準にはほど遠いとしても、LUMIX S 50mm F1.8の価値がなくなるわけでは無い。さらに良いことに、他のテスト結果で大きな欠点はなく、非常に均質な結果が得られている。この価格帯のレンズでは非常に珍しい防塵防滴仕様も特筆すべき点だ。

長所：
・均質的な描写
・良好なビルドクオリティでコンパクト
・防塵防滴
・応答性の高いAF
・収差の補正状態
・ボケ描写

短所：
・周辺減光
・絞りリングなし
・コントロールボタンやリングがない

とのこと。
発売から少し経ちますが、レビューサイトによるレビューは非常に少なく、特にImatestを使った解像性能テストは私が観測する範囲内でLesnumeriquesが初。ユーザー投稿はFlickrやPHOTOHITOで徐々に増えている模様。

「50mm F1.8」としてはニコン S-Lineほどハイエンドではなく、キヤノンやソニーの廉価レンズほど簡易的なものでは無い、バランスの取れたポジションのレンズですね。比較的高価な50mm F1.8ですが、防塵防滴仕様はインナーフォーカス、高速AF、良好な光学性能を考慮すると適切な価格設定と言えるかもしれません。少なくともLUMIX Sシリーズのレンズとしては手ごろな価格の単焦点レンズであり、エントリユーザーには面白い選択肢となりそうです。

パナソニック「LUMIX S 50mm F1.8」交換レンズデータベース