Xitekがパナソニック「LUMIX S5」のレビューを公開。LUMIX S1と同じ画質ながら、小型軽量で動画機能が強化されており、Lマウントで最も競争力が高まったフルサイズミラーレスと評価しています。
新しいポジションのSシリーズ
- LUMIX S5はLUMIX S1シリーズの静止画・動画機能をGH5に似た携帯性の高いボディに凝縮している。S5をS1の簡易版と理解するのは正しく無く、より高度な内部記録に対応している。
- コアとなるセンサー・プロセッサーに違いは見られず、連写性能やバッファ、ファインダー仕様、モニタ解像度、手ぶれ補正などはS1が優れている。その一方、S5はバリアングルモニタを採用し、本体は小型軽量化され、動画機能が強化されている。
- ボディサイズはLUMIX S1/S1Rより遥かにコンパクトとなり、マイクロフォーサーズのGH5と同等、そしてキヤノンやニコンのミラーレスシステムと同サイズだ。
- ボディがマグネシウム合金で構成された防塵防滴仕様だ。放熱に最適なレイアウトで効果的に熱が外部へ伝導され、安定した長時間動画撮影が可能となっている。
- LUMIX S1と比べ、前面のFnボタン一つやFnレバーが無くなっている。
- 最大の変更点はカメラ上部だ。全体的なレイアウトはLUMIX G99と同じだ。S1の左肩に搭載していたダブルダイヤルが分割され、左にドライブダイヤル、右にモードダイヤルを搭載している。S5のモードダイヤルにはロックボタンが存在しない。
- LUMIX G99と同じく、モードダイヤル同軸の電源スイッチを搭載している。シャッターボタン周囲はコマンドダイヤルだ。
- 動画機能を重視しており、RECボタンをより押しやすくなっている。
- LUMIX S1と比べてファインダーの仕様は大幅に低下している。解像度は236万ドット、倍率は0.74倍だ。フルサイズミラーレスの中では比較的低スペックのファインダーである。ファインダー中心の撮影ではユーザーエクスペリエンスが大きく異なる。
- ボタンレイアウトにもいくつか変更が見られる。「LVF」ボタンがカメラ左背面へ移動し、操作ロックレバーが無くなっている。AFモードボタン・モードレバー・AFONボタン・ジョイスティック・Qボタン・ダイヤル・SETボタンなどは、ジョイスティックの長さが少し短くなっていることを除き、全て同様だ。
- S1のような3Wayチルトモニタでは無いが、GH5と同じバリアングルモニタを搭載している。モニタ解像度は184万ドットでS1より僅かに低解像だ。バリアングルモニタは左側面のケーブルと干渉しやすいので注意したい。
- 左側面にはマイク・ヘッドホン・HDMI・UCB-S 3.1を利用できるポートが備わっている。HDMIはフルサイズではなく、Dタイプの端子を使用するので気を付けよう。
- バッテリーは新型DMW-BLK22を使用する。このバッテリーの容量は2200mAhで、最新世代のキヤノン・ニコンと同等だ。S1と互換性は無いが、G9やGH5でも利用することが出来る。ただし、古いDMW-BLF19をLUMIX S5で使うことは出来ない。
- S1のようにXQD+SDスロットでは無く、デュアルSDカードスロットだ。UHS-II対応がスロット1のみであるのは残念だ。
- メニューインターフェースはS1シリーズとほぼ同じだ。
- シャッター方式はメカ・電子先幕・電子シャッター・自動切換え・電子シャッター+長秒NRなどいくつかの選択肢がある。
- 最新AFアルゴリズムを投資し、人間の頭部を検出することが出来るようになった。AFCも強化され、動きの速い被写体も追従できる。
- ボディ内手ぶれ補正は5段分の補正効果があり、レンズ側と組み合わせることで最大6.5段分の補正に対応している。手ぶれ補正をオンにすることで歩行中の動画撮影で振動が軽減しているのが分かる。
- S1と同じくハイレゾモードに対応しており、8枚の撮影から9600万画素の高解像写真を生成することが可能だ。2400万画素時より高精細な写真となるが、動く被写体が混じると不自然な描写となってしまう。
S5には新しく4800万画素モードも搭載している。- イメージセンサーはLUMIX S1と同じ2420万画素CMOSセンサーだ。ISO100-51200に対応している。ISO800まではノイズレスだ。ISO1600からノイズが出始め、3200、6400で徐々に増加する。JPEGでは少し滲むものの綺麗な画質を維持している。
ISO12800-25600になるとノイズが増大し、ノイズ低減の効き目によってはディテールの損失が大きくなる。
ISO102400?204800ではカラーノイズが濃くなり、JPEGでも色被りが発生する。- ダイナミックレンジは-1?-2のシャドウ復元は完璧だ。-3段分の復元ではシャドウに僅かなノイズが発生する。それでも概ね良好だ。基本的にS1と同じである。
- 動画は最大で4K 60p 4:2:0 10Bit・4K 30p 4:2:2 10Bitの内部記録に対応している。また、4K 60p 4:2:2 10Bitの外部出力も可能だ。150Mbpsを超える動画仕様の場合は30分の録画制限が発生する。
- V-Log・V-Gamutに対応しているほか、波形モニタやビューアシストも利用可能だ。さらにアナモルフィックモードや4K 60pタイムラプス、4K HDRなどに対応している。
- スローモーション撮影時は4KやFull HDでAFを利用可能だ。ただし、フレームレートが150fpsを超える場合はMF限定となる。
- デュアルネイティブISOを搭載しており、高感度ISO使用時に最適な回路に切り替わる仕組みを利用できる。
・通常:100/640
・V-log:640/1000
・HLG:640/4000
・Cinelike:200/1250
S1Hのように回路を手動で切り替えることは出来ない。- 出力形式はMOVとMP4のみでAVCHDには対応していない。
- ファームウェアアップデートでHDMI出力時のRAW動画に対応し、ベクトルスコープなど様々な補助機能が利用可能となる予定だ。
以上のことからLUMIX S5は新しいポジションのフルサイズミラーレスであることが分かる。ファインダーやモニター、手ぶれ補正などの仕様がS1と多少異なるものの、動画機能が強化され、小型軽量で使いやすいデュアルSDカード仕様だ。売り出し価格は高いものの、キャンペーンでシグマ45mm F2.8 DG DNセットなどを購入することで実質的なボディ価格は大幅に改善される。コストパフォーマンスが高く、Lマウントで最も競争力のある製品となるだろう。
長所:S1と同じ静止画画質・5軸ボディ内手ぶれ補正・バリアングルモニタ・多彩な内部記録・改善したAFアルゴリズム・S&Qモード・USB充電と給電に対応・デュアルSDカードスロット。デュアルネイティブISO・小型軽量・150Mbps以下の動画撮影では制限なし・将来的に5.9K RAW動画対応
短所:連写速度が遅い・4K 60pで大きなクロップ・USB PD非対応・古いバッテリー使用不可・スロット1のみUHS-II対応
とのこと。
小型軽量ながら、操作性や画質を犠牲にしておらず、さらに動画機能が部分的に強化されているのは凄いですね。さらに売り出し価格がS1より低価格という事もあり、Lマウントシステムにエントリーしやすいモデルとなっています。Sigma fpよりも高価ですが、ボディ内手ぶれ補正やファインダー、操作性を考えると、より万人受けするカメラと言えるでしょう。小型軽量と言っても、S1・S1Rが大きすぎるだけであり、ボディサイズはEOS RやZ 6と同程度なので注意が必要。シグマfpやソニーα7Cと比べるとやや大きいボディです。
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