DPReviewが「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」のプリプロダクションモデルを使った際のハンズオンレビューを公開。ボケは確かに綺麗で宣伝通り、さらにビルドクオリティも良好な模様。
DPReview:Hands on with Nikon's Nikkor Z 135mm F1.8 S 'Plena'
レンズ紹介
- ニコンは「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」を、Zシリーズ用のプレミアムな中望遠ポートレート単焦点レンズとして宣伝している。
- ニコンによると、このレンズは髪の毛や肌の色調を細部まで描写し、周辺光量落ちを抑え、口径食を最小限に抑えた円形のボケを生み出すように設計されている。
- 夜間撮影や光源が限られたシーンでも、大口径の恩恵を受けるはずだ。
- レンズ内のガラス(14群16枚)とレンズの直径98mmと長さ140mmのおかげで、レンズの重量は995g。これは大きいが、FE 135mm F1.8 GMやRF135mm F1.8 L IS USMのような同等のレンズとそれほど変わらない。
- 前玉が大きく、82mmのフィルターが使えるが、135mm F1.8 DG HSM ArtやFE 135mm F1.8 GMと同じ82mmのフィルターサイズなので、異常な大きさではない。
Plena
- 鏡筒に沿って、筆記体でエッチングされた黄色の「Plena」ロゴがある。
- 2019年の「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」にも同じ処理が施されていた。
- このレンズはラテン語の「plenum」にちなんで名付けられたという。レンズがユーザーの創造性で満たされた空間であることを意味する言葉として、ここで使用されているとのことだ。
- S-Lineシリーズであり、Zマウントレンズの最高級品に使用している呼称だ。
カスタムファンクション
- 鏡筒には、2つのL-Fnボタン、フォーカスリング、カスタマイズ可能なコントロールリングを搭載。
- コントロールリングは絞り、ISO、露出補正を設定できる。リングはクリックレスで滑らかな感触だが、緩くはない。
- 2つのカスタムボタンはどちらも同じ設定を操作でき、カメラを水平または垂直に構えたときにボタンにアクセスできる。
- レンズは全天候型であり、ニコンによると金属部品が含まれているため、フィールドでの耐久性に優れているとのこと。
フォーカスシステム
- 2つのステッピングモーター(STM)で駆動し、フォーカシングは高速かつ静かで、このレンズは動画に使える選択肢と言われている。
- 我々の体験では、ニコンの主張を裏付けているようだった。フォーカスは高速で、かなり正確だと感じた。
- 動画については、確かに静かなようだが、初期レビューはJPEG出力に限られており、レンズによって音や振動が発生するかどうかを判断するためのビデオクリップをテストすることはできなかった。
- また、動画に関しては、いくらかのフォーカスブリージングに気づいた。
- 左側面にはフォーカス選択スイッチがあり、フォーカスリングでマニュアルフォーカスを行うことができる。
- 最短撮影距離は0.82mで、特別なものではなく、市場にある他の135mmレンズと変わらない。
レンズデザイン
- ニコンは、「完璧な円形のボケがフレームの最も遠い隅でも利用できる」と主張している。
- 玉ねぎボケや口径食のあるボケはなく、識別可能なボケの色づきや周辺光量落ちもないとしている。しかし、我々が撮影したサンプル画像では、フレーム端でいくらか口径食の影響が見られた。
- 大きな後玉を採用することで、画面周辺部まで明るさを維持しつつ、軸外ボケの原因となる機械的なケラレを抑えている。
- レンズは14群16枚で、EDレンズが4枚、非球面レンズが1枚、SRレンズが1枚となっている。SRレンズは、大部分のニコンレンズでは見られないもので、青色光や短波長光に対する屈折率が高く、軸上色収差の抑制に役立つはずだ。キヤノンのレンズには同等の「BR」レンズがあるが、不思議なことにRF 135mm F1.8 L IS USMレンズには採用されていない。
- ボケの色づきを防ぐためにSRレンズを採用し、反射を最小限に抑える(つまりコントラストを維持する)ために同社の最も先進的なコーティングを施していることから、同社がレンズの描写と個性に本当に注力していることがうかがえる。
ボケ性能
- 悪天候からテストシーンは限られていたが、いくらかポートレートを開放で撮影し、ボケを確認することができた。
- 口径食はほとんど見られず、ボケもきれいだった。
- 開放時はピント面からアウトフォーカスへ滑らかに推移し、背景はほとんどクリームのように滑らかな描写だ。前景、背景、被写体の分離を作るのに役立っているように見える。
- 最終的な判断はproductionモデルを手にするまで保留しなければならない。性能がレンズの名にふさわしいものかどうか、複数の照明条件でボケ味を十分に試してみたい。
レンズフード
- レンズにはレンズフードが付属している。
- 1/4回転のクイックリリースでカチッと固定される。落下テストはしていないが、十分に頑丈そうだ。
- 三脚座はないが必要ないだろう。135mmと聞くと長いレンズと思うかもしれないが、単焦点レンズなので直径98mm、長さ140mmとかなりコンパクトだ。
結論
「NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena」は、希望小売価格2500ドルで2023年10月に登場する。
このレンズを1日使用したところ、ニコンの「Plena」が広告通りかもしれないという気持ちになった。滑らかな微ボケと均一な明るさで、ディテールは綺麗。さらにレンズは頑丈でよくできていると感じた。雨の多いシアトルを散策した際、天候に左右されないシーリングもありがたかった。
とのこと。
135mm F1.8 レンズとしては非常に高価となりそうですが、口径食を抑えてフレーム隅まで綺麗で歪みのないボケが得られるレンズとなっている模様。DPReviewのサンプルギャラリーを確認してみると。ボケは全体的に綺麗で、隅も悪目立ちする要素がほとんどないように見えます。SRレンズとEDレンズを贅沢に使用しているためか、色収差は全く目に付かず、ボケの色づきも皆無。F1.8のボケを心置きなく楽しむことが出来そうです。状況によってはボケが少し硬く見える場合もありますが、このあたりは他のサンプルギャラリーも確認しておきたいところ。レンズサイズはこのクラスとしては最長、最重ですが、競合他社と比べて驚くほどの重量差はありません(サムヤン135mmを除く)。販売価格はキヤノン以上となるものの、SRレンズやEDレンズを贅沢に使用しているので仕方のないスペックと言えそうです。そのぶん光学性能には期待したいところ。
ニコン NIKKOR Z 135mm f/1.8 S Plena 最新情報まとめ
レンズの仕様
レンズの仕様 | |||
---|---|---|---|
発売日 | 2023年10月13日 | 初値 | 税込40万円前後 |
マウント | Z | 最短撮影距離 | 0.82m |
フォーマット | フルサイズ | 最大撮影倍率 | 0.2倍 |
焦点距離 | 135mm | フィルター径 | 82mm |
レンズ構成 | 14群16枚 | 手ぶれ補正 | - |
開放絞り | F1.8 | テレコン | - |
最小絞り | F16 | コーティング | M/AR/SIG |
絞り羽根 | 11枚 | ||
サイズ・重量など | |||
サイズ | 98mm×139.5mm | 防塵防滴 | 対応 |
重量 | 約995g | AF | STM×2 |
その他 | コントロールリング | ||
付属品 | |||
キャップ・ケース |
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