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VILTROX AF 16mm F1.8 レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編

VILTROX AF 16mm F1.8」のレビュー第一弾を公開。今回はレンズの外観や操作性、カメラに装着してAFの使いやすさなどを確認しています。

VILTROX AF 16mm F1.8のレビュー一覧

まえがき

6本のVILTROX F1.8(フルサイズ) シリーズのうち、最も広い画角をカバーする16mmの超広角レンズ。他5本と異なり、クリック付きの絞りリングと機能的な情報パネル。L-Fnボタンを搭載しています。「第二世代のVILTROX」と呼んでも過言ではないレンズ。

レンズの仕様
発売日 2023年5月26日 初値 ¥75,999
マウント E 最短撮影距離 0.27m
フォーマット フルサイズ 最大撮影倍率 不明
焦点距離 16mm フィルター径 77mm
レンズ構成 12群15枚 手ぶれ補正
開放絞り F1.8 テレコン
最小絞り F22 コーティング NanoM
絞り羽根 9枚
サイズ・重量など
サイズ φ85.2×103mm 防塵防滴 対応
重量 550g AF STM
その他 クリック切替 絞りリング・LCDパネル
付属品
レンズフード

12群15枚の本格的な光学系には複数のEDレンズや非球面レンズを使用した贅沢な設計。金属製の鏡筒は複数の耐候性シーリングを使った防塵防滴仕様となっています。MTFを確認すると、隅までストンと落ちない程度に安定感のある光学性能を実現している模様。これが実写でどのような結果となるのかは、今後のテストでチェックしていきたいと思います。

価格のチェック

国内での販売価格は約7~8万円。イングレートジャパン(PERGEARなど)系列の店舗で稀にセールで7万円を切る場合がああります。(私はPERGEARで6.6万円で購入しました)VILTROXのAFレンズとしてはやや高めですが、「16mm F1.8」のAFレンズとしては手ごろな価格と言えるでしょう。防塵防滴やレンズのコントロールなどを考慮するとなおさら。

VILTROX AF 16mm F1.8
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PERGEAR      

外観・操作性

箱・付属品

白を基調としたシンプルなデザイン。過去のVILTROXレンズの箱と比べるとデザインが洗練されています(どことなくシグマのデザインと似ていますが…)。箱の蓋には未開封を示すテープが張り付けられています。0レンズ本体は発泡素材の緩衝材で保護されています。中身を取り出すと、レンズ本体のほかに、レンズフードと説明書が付属。ポーチなどはありません。

外観

レンズ本体は全体的に金属パーツを使用した頑丈な作り。シグマ Iシリーズほど凝った意匠ではありませんが、質感などはそれに近いものを感じます。

 

外装は全体的に光沢を少し残したマットブラックの塗装が施されています。表面の絞り値やロゴなどは、単なるプリントではなく、エッチング加工されたもの。レンズのシリアルナンバーやCEマークなどの表示のみ、マウント付近にシールで張り付けられています。

ハンズオン

金属鏡筒で12群15枚の複雑なレンズ構成と言うこともあり、適度に重量感のあるレンズです。と言っても手持ち撮影が困難なほど重いわけでもなく、長時間の手持ち撮影が苦になることはありませんん。

前玉・後玉

防汚コーティングが施されている前玉は撥水・撥油性が高く、メンテナンスが容易。とは言え、ダメージが予想できる環境ならばねじ込み式フィルターを装着して事前に保護することが出来ます。フィルター径は77mmに対応しており、フルサイズ用レンズでは一般的なサイズ。
Amazonで77mmフィルターを探す金属製レンズマウントは4本のビスで固定されています。周辺は防塵防滴に対応する耐候性シーリングを配置。また、ファームウェア更新用のUSB-Cポートを搭載、後玉の周囲はフレアカッターを搭載。レンズはカメラに問題なく装着でき、ガタツキなどはありません。

フォーカスリング

幅広の金属製フォーカスリングを搭載。ソニー純正よりは適度な抵抗で操作可能ですが、滑らかと言うにはあと少し足りません。弱い力で操作しようとすると引っかかる可能性あり。ただし、静止画のピント調整で不便と感じることはありません。ストロークは回転量に依存していますが、マクロ側に操作する場合よりも無限遠側に操作する時のストロークが少し短く感じます。

絞りリング

金属製の絞りリングを搭載。VILTROX初期のレンズは無段階の絞りリングでしたが、本レンズのリングは1/3段刻みでクリックのあるコントロールで、右側面のスイッチでクリックを解除することも可能。操作はやや重めで、しっかりとクリックストップが発生します。絞りリングの操作が好きな人には心地よい操作性と感じるかもしれません。

スイッチ

レンズ側面にはAF/MFスイッチとFn1・Fn2ボタンを搭載。異なる種類のFnボタンが並んで配置されている面白いデザインで、Fn1はカメラ側のボタンカスタマイズで好みの機能を登録可能。

Fn2は2種類のプリセット位置にフォーカスを移動できるレンズの独自機能を搭載。レンズのAF/MFスイッチを「MF」に設定して、任意のピント位置でFn2を長押しすることで登録することが出来ます。プリセットは「A」「B」の2種類で、Fn2ボタンを押すことで切り替えることが可能。A-Bフォーカスのように使うことも出来ますが、フォーカス速度を調整することが出来ません。

情報パネル

ここ最近のVILTROXレンズは鏡筒にOLEDディスプレイを搭載。ピント位置や絞り値、被写界深度、フォーカスモード、Fn2ボタンなどを一度に確認することが可能。ゾーンフォーカスなどで撮影したい時にはとても便利で、表示も正確に見えます。ディスプレイは点灯し続けるので夜間や屋内での撮影で便利ですが、消灯したり輝度を変更する方法がないため、蛍の撮影など明かりが邪魔になるシーンはディスプレイを隠す手段を用意しておきたいところ。

レンズフード

プラスチック製の花形レンズフードが同梱。金属製の本隊と比べると質感はかなり見劣りします。反射防止の切込みなど、必要十分と言ったところ。フードを固定する仕組みや、フィルター操作窓などはありません。

ケラレ耐性

厚みが約5mmのフィルターを重ねたところ、2枚までは問題なく装着可能。3枚目を装着すると、四隅で僅かなケラレを確認しました。

装着例

α7R Vに装着。17mm F4や18mm F2.8のレンズほどコンパクトではありませんが、F1.8と明るい16mm超広角レンズと考えると大きく重いレンズではありません。

AF・MF

フォーカススピード

フォーカスの駆動にはステッピングモーターを使用。このクラスのレンズとしてはパッとしないAF速度ですが、不満を感じるほどではありません。カメラ側のAF性能もあって、AF-Cでも快適に追従します。ただし、快適と感じるのは中央・中央周辺を使った時のみで、フレーム周辺部や四隅のAFエリアでは動作が不安定となる可能性あり。このあたりはファームウェアで改善するのかどうか気になるところ。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

スライドショーには JavaScript が必要です。

ピント位置による画角の変化は驚くほど良好に抑えられています。ピント両端で変化はほとんどなく、心配する必要は皆無。

精度

α7R Vとの組み合わせで問題ありませんが、前述したようにフレーム端や隅のAFエリアを利用すると不安定となることがあります。

MF

フォーカスリングの操作性は極上と言えないものの、リングの操作に合わせてフォーカスレンズは滑らかに動作。微調整時にピント位置がジャンプするような粗い動作でもありません。また、プリセット位置を2系統利用できるので、スナップ用、無限遠の風景撮影用などに利用できるのが便利。

まとめ

AFの動作は改善が必要と感じましたが、レンズの作りや操作性はかなり良好。金属製で頑丈な鏡筒には、機能的なOLEDディスプレイでアシストされたフォーカスリングや絞りリングを搭載。どちらのリングも扱いやすく、状況によってはFn2ボタンなどでプリセット位置に瞬間移動したり、クリックを解除して動画ユースの絞り操作が可能となっています。手ごろな価格の16mm F1.8としては驚くほど実用的なレンズ。光学性能のチェックはこれからですが、ざっと使ってみた限りでは全体的にとても良好。接写時は周辺部のAFでピントを外すことがあるものの、それ以外は特に不満を感じません。7万円を切る価格で入手できたことを考えると、満足度の高いレンズとなりそうです。

購入早見表

VILTROX AF 16mm F1.8
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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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