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NIKKOR Z 35mm f/1.8 S は強みもあるがいくつかの点で期待に及ばない

Phillipreeveがニコン「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」のレビューを掲載。優れた中央解像や逆光耐性、光条の描写などを評価しつつ、ボケ質や色収差・コマ収差などの補正状態が期待に及ばないと指摘しています。

Phillipreeve:REVIEW: NIKON NIKKOR Z 35MM F/1.8 S

  • 外観:見た目も感触も非常に良好。フードはプラスチック製だが上部。
  • 構造:大部分はプラスチック製。フォーカスリングとマウントは金属製。
  • 携帯性:S-Lineでは最小・最軽量。
  • 操作性:リングはカスタマイズ可能。
  • AF:信頼性が高く、高速で静か。ブリージングはほとんどない。
  • MF:フォーカスリングは幅広く、適度に固い。
  • 手ぶれ補正
  • 解像性能:中央は非常にシャープだが軸上色収差でS-Lineに期待するほどではない。隅は低下するが良好。F2~F2.8で大部分が改善し、中央は完璧。F5.6で隅も優れた結果。
  • マクロ:シャープネスは良好だがコントラストは低下。F2.8で改善。
  • 像面湾曲
  • ボケ:悪くはないが玉ねぎボケの兆候が見られ、色づいた縁取りと口径食もある。コントラストが高い背景では少しざわつく。
  • 軸上色収差:F1.8-2.8で目に付くが、F4で解消。
  • 倍率色収差:まったく目立たない。
  • 球面収差:記載なし。
  • 歪曲収差:非常に小さな樽型。
  • 周辺減光:他の35mmレンズと同等。F4で無視できる程度。
  • コマ収差:F1.8-2.8で目に付くがF4で解消。
  • 逆光耐性:さすがのNIKKOR Z。
  • 光条:とても素晴らしい描写。
  • 作例集:リサイズのみ。
  • 総評:多くの素晴らしいポイントがあるが、より良い結果を期待していた。他社よりも遥かに良好だが、S-Lineのハードルは高い。諸収差やボケを考慮するともう少し安いと良かった。
  • 競合について:記載なし。
  • 備考

とのこと。
2018年にニコンZシステム始動時にリリースされたレンズ3本のうちの一つ。35mmをカバーしている単焦点レンズはこの一本のみであり、F1.4やF1.2レンズは登場していません(ロードマップ上には存在しますが…)。今のところNIKKOR Z 35mmでは唯一の選択肢ですが、光学性能は良好で、Phillipreeveのレビューでは解像性能や逆光耐性、光条などを高く評価しています。
ただし、OpticalLimitsのレビューと同じく、絞り開放付近の周辺部・隅の性能や軸上色収差などの補正が「期待に及ばない」と言及しています。同時期に登場したZ 50mm F1.8 S が(35mmより手ごろな価格で)非常に優れた光学性能を備えていることもあり、比較されてしまうのかもしれません。

35mm F1.8としては無難な選択肢ながら、販売価格がやや高めなのが悩ましいところ。現在は(リバースエンジニアリングと思われる)VILTROXやYONGNUOのAFレンズが手ごろな価格で入手可能となっています。将来的にシグマやタムロンの単焦点レンズが加わると厳しい戦いとなるかもしれませんね。ちなみに、このレンズとよく似た光学系の特許がコニカミノルタと連名で出願されています(2019公開)。

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