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DXOMARKがNIKKOR Z 85mm f/1.2 Sを「抜群の光学性能」と評価

DXOMARKが「NIKKOR Z 85mm f/1.2 S」のテスト結果とレビューを公開。F1.2の大口径でT値を良く維持しつつ、シグマ85mm DG Artに匹敵する優れた解像性能を発揮していると高く評価しています。

2023年3月24日 発売のZマウント用の大口径単焦点レンズ。「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」に次ぐ2本目のF1.2 S-Lineレンズであり、中望遠85mmをカバー。同じ焦点距離の「NIKKOR Z 85mm f/1.8 S」と比べると遥かに大きく重く、そして非常に高価。サイズと価格は光学性能に反映され、F1.8より大口径にも関わらず、MTF曲線は隅まで落ち込みの少ないパフォーマンスを発揮。さらにコントロールリングやL-Fnボタンなど操作性も充実しています。気になる光学性能についてはDXOMARKで以下のように評価。

DXOMARK:Nikon NIKKOR Z 85mm F1.2 S Lens test

総合 解像 色収 減光 歪曲 透過
Z85 12 55 44 7 -1.6 0.3 1.3
Z85 18 49 41 3 -1.1 0.1 1.9
85Art 53 44 2 -1.4 0 1.7
FE85 46 40 5 -2.0 0.3 1.8
AFS85 45 29 4 -1.7 0.1 2.0
カメラはそれぞれZ 7・D850・α7R II・D850

4,570万画素のZ 7でテストした。DXOMARKスコアは55で、これは焦点距離に関係なく我々のデータベースで最も高いスコアであり、特に高画質であることを示している。現代的な設計に期待されるように、絞り開放で高いシャープネスを持ち、特に中央部でシャープネスが高く、絞るとわずかに高レベルになる。小絞りでは若干の回折効果が目立つ。

高いシャープネスレベルに加えて、このレンズの透過率はもう一つの高ポイントであり、低照度下での作業で威力を発揮する。T1.3であり、公表されているF1.2の開放値より-0.2EVだけ低い。周辺減光はこのような高速レンズとしては予想よりもやや重く、色収差は比較的よく抑えられているとはいえ、ライバルよりもわずかに高い。どちらもカメラ内やポストプロダクションで補正プロファイルを適用すれば簡単に除去できる。わずかに糸巻き型の歪曲収差も見られるが、よく抑えられており、簡単に補正できる。全体として、高価なレンズだが、その光学性能はケチの付けようがない。

シャープネス

  • 中央部のシャープネスは80%以上と優れている。
  • 外周部のシャープネスは四隅で70%まで低下するが、それでも開放F1.2のレンズとしては素晴らしい結果である。
  • シグマArtは、F1.4だが優れた結果。中央はほぼ同じシャープさであり、中域と外周のシャープさはわずかに優れている。
  • Z 85mm F1.8 Sもシグマと同じことが言え、両者の中間といったところだ。しかし、F1.8-2.0では、F1.2 Sは全域でわずかにシャープだが、シグマと区別がつかない。
  • Z 85mm F1.2 Sは2.8-4まで絞ると、中心部のシャープネスはわずかに向上するが、改善されるのは周辺部だ。シグマはここでも健闘しており、実質的にニコンに匹敵する。Z 85mm F1.8 Sでさえ、周辺部だけがわずかに低下するのみで、素晴らしいパフォーマンスだ。
  • F5.6以上では回折の影響が見られ、F値が上昇するごとにシャープネスレベルが徐々に低下するが、隅々まで均一性は素晴らしい。

色収差

  • 高価なガラスをふんだんに使った光学設計により、色収差はおおむね良好に抑えられている。
  • F2.8まで、フレーム中央部のレベルは低いが、コントラストの高いエッジを持つ被写体では四隅で目立つだろう。このようなレンズとしては低い数値だ。
  • シグマArtやZ 85mm F1.8 Sでも健闘している。

歪曲収差

  • 四隅が伸びる糸巻き型歪曲。
  • この価格でも多かれ少なかれ避けられない収差だが、この焦点距離で-0.3%はまだ許容範囲と考えられる。
  • 一方、シグマはこの傾向を打ち破り、検出可能な歪曲はなく、しかも補正プロファイルを適用していない状態である。
  • より低速のF1.8 Sも非常に低レベルで、わずか0.1%だ。
  • どちらにせよ、プロファイルを有効にすればカメラ内と後処理で補正できるため、気にする価値はない。

ケラレ(周辺光量落ち)

  • Z 85mm F1.2 Sは開放で予想されるよりもわずかに重いレベルである。
  • 周辺光量落ちは四隅で-1.6EVにとどまるが、影響を受けない中心部が小さいため、視覚的な重みが増している。
  • プラス面では、周辺減光は絞ると急速に減少する。F1.8では、シグマArtやF1.8 Sよりも低いレベルであり、F2.0では周辺減光はごくわずかで、F2.8では全く影響がなく、プロファイル補正なしでも見事だ。

透過率

  • Z 85mm F1.2 SをT1.3で測定したところ、定格開放F1.2より-0.2EV「遅い」だけであり、光学設計の真価が発揮された。
  • 一方、シグマ 85mm F1.4はT1.7であり、開放F値より-0.6EV暗い。
  • T1.9を測定したF1.8 Sよりほぼ+1.0EV明るい。

結論

85mmという焦点距離は、ポートレート撮影において依然として人気のある選択肢であり、このような高品位で超大口径なバージョンは、プロとアマチュアを問わず崇拝されている。このようなモデルは、AF速度が許す限り、屋内スポーツでも需要がある。AF性能についてはコメントできないが、Z 85mm F1.2 Sの光学性能は傑出している。確かに、外周部に倍率色収差があるが、画像のシャープネスにはあまり影響しないし、カメラ内で自動補正が有効なので、いずれにせよ気になることはないだろう。高画質と大口径の組み合わせには常に代償が伴うが、長期的な投資として、十分に価値のある買い物となるだろう。

とのこと。
F1.2の大口径を実現しつつ、絞り開放から優れた解像性能を発揮するレンズに仕上がっているようです。周辺減光は目に付くものの、T値はよく維持されており、夜景など低照度におけるハイスピードレンズとしても活躍しそうですね。一眼レフ時代のシグマ85mm DG HSMが未だに強力なライバルとなるのも驚くべきことですが、重量やサイズはニコン F1.2 Sとほぼ同じ。高性能な85mmを実現しようと思うと、どうしてもサイズが大きくなるのかもしれませんね。倍率色収差のみライバルよりもやや多めですが、DXOMARKが言及しているように自動補正を適用できるので心配する必要はなさそう。

ニコン NIKKOR Z 85mm f/1.2 S 最新情報まとめ

レンズの仕様

レンズの仕様
発売日 2023年3月24日 初値 364,320円
マウント Z 最短撮影距離 0.85m
フォーマット フルサイズ 最大撮影倍率 0.11倍
焦点距離 85mm フィルター径 82mm
レンズ構成 10群15枚 手ぶれ補正 -
開放絞り F1.2 テレコン -
最小絞り F16 コーティング N/SIC
絞り羽根 11枚
サイズ・重量など
サイズ φ102.5×141.5mm 防塵防滴 対応
重量 1,160g AF STM
その他 L-Fn・コントロールリング
付属品
レンズフード

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