Radojuvaが「PERGEAR 12mm F2」のレビューを公開。F2から良好な中央解像や良好な操作性を評価。その一方で像面湾曲が強く、絞りを開けた状態での周辺や四隅のパフォーマンス低下を指摘しています。
手ごろな超広角レンズだが
Radojuva:Обзор PERGEAR 12mm 1:2 HD.FMC
レンズの紹介:
- 複数のマウントに対応したAPS-C用広角レンズだ。今回はソニーEマウント用をレビューしているが、他にニコンZ、富士フイルムX、マイクロフォーサーズに対応している。なぜかキヤノンEF-Mマウントは存在しない。
- このレンズは手ごろな価格の超広角レンズである。開放F値がF2と明るい点で興味深い。
- 主な仕様:
・金属外装
・電子接点なし
・APS-C用
・フィルター径:62mm
・絞り羽根:10枚
・絞り:F2?F22
・最短撮影距離:0.18m
・最大撮影倍率:1:14
・重量:300g
・レンズ構成:9群12枚(2枚の非球面・2枚の高屈折レンズ)
・中国製ビルドクオリティ:
- 12mmとしては一般的なF2.8よりも明るい「F2」のレンズである。
- 箱には前後のキャップに加えて金属製フードが付属する。
- 説明書はレンズに含まれていない。
- 全体的にレンズは良好な作りだ。総金属製である。
- 興味深いデザインだが、少し不格好だ。フォーカスリングには3本のネジがあり、外観を損なっている。
- 絞りリングはフォーカスリングと異なる奇妙なデザインだ。
- 62mmのフィルター径は超広角レンズとしては小さめである。
- レンズフードはねじ込み式だ。
- フォーカシングで全長が2~3mm伸びる。
- レンズの画角は12mmよりも狭く、13mmに近い。例えばサムヤン「12mm F2」は明らかに広い画角をカバーしている。
携帯性:
- 300gの重量がある。
- とてもコンパクトなレンズである。
操作性:
- 絞りリングは誤操作を防ぐには十分タイトだ。
- 絞りリングにクリックは無い。このため、動画撮影に適している。
- 金属製フォーカスリングはあまり幅広くないがリブ付きだ。滑らかで指一本での操作が可能である。
- フォーカスリングは120度の角度で最短撮影距離から無限遠まで移動する。
- リングにはピント距離と被写界深度の表示がある。
- 絞り値の表示にはF5.6・F11が無い。
オートフォーカス:
- 記載なし。
マニュアルフォーカス:
- 僅かなブリージングが発生する。最短撮影距離で画角が小さくなる。
- 無限遠にはオーバーインフがある。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- F2から中央は良好なシャープネスである。
- F2.8以降で優れた中央シャープネスとなる。
- F2では周辺や四隅のシャープネスが大きく低下する。
- F11?F22で周辺や四隅が改善するものの、回折の影響が見られる。
- コントラストは良好だ。
像面湾曲:
- 像面湾曲の影響が見られ、フラットな被写体をパンフォーカスで撮影するのが難しい。
- F11まで絞ると問題なくなる。
ボケ:
- 非球面レンズによる玉ねぎボケが見られる。
色収差:
- 中央は良好に補正されている。
- 隅では顕著な色収差が見られる。
球面収差:
- フォーカスシフトは見られない。
歪曲収差:
- わずかな樽型である。
周辺減光:
- F2で目に付く光量落ちが発生する。
- ピント距離で光量落ちは変化しない。
- F5.6以降で光量落ちが大きく改善する。
コマ収差:
- 影響は少ない。
逆光耐性:
- F11?F22まで絞ると美しい光条が発生する。
- 明るい光源では多種多様なフレアが発生する可能性がある。
総評
手ごろな価格のAPS-C広角単焦点だ。中央はF2から実用的なシャープネスを備え、円形フィルターが使える点でとても満足のいくレンズとなる。しかし、低価格の代償としていくつか大きな問題がある。より高性能な12mmが必要な場合は、高価だがサムヤン「12mm F2.0 NCS CS」を選ぶと良いだろう。
- 長所:
・低価格
・大口径
・金属外装
・小型
・滑らかなフォーカスリングと絞りリング
・ピント距離と被写界深度表示
・非球面レンズ2枚
・10枚絞り
・低歪曲
・F2から良好なシャープネス- 短所:
・電子接点なし
・実際の焦点距離は13mmに近い
・ねじ込み式レンズフード
・非常に簡素化された箱や付属品
・歪曲や光量落ちの補正データが無い
・一般的な現像ソフトに対応プロファイルなし
・F2で周辺や隅の画質が低い
・大きな像面湾曲
・逆光耐性
とのこと。
実売2万円を切る手ごろな価格の超広角レンズですね。開放から良好な中央シャープネスを発揮するものの、像面湾曲の影響が強く、パンフォーカスを得るのが難しいようです。特に明るさを活かした夜景・星空などの撮影には適していない模様。中央をクロップして使うマイクロフォーサーズや、絞って風景撮影で使う場合はコストパフォーマンス良好と感じるかもしれません。
とは言え、明るいAPS-C広角単焦点の選択肢はそう多くなく、似たり寄ったりの社外製レンズしかありません。敢えて言えばサムヤン12mm F2が優れた性能を発揮するようですが、価格は少し高くなるので注意が必要です。
購入早見表
PERGEAR 12mm F2 | |||
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公式ウェブサイト | |||
Amazon()PERGEAR) | |||
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