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RF800mm F11 IS STMは適切な条件で見事な結果を得ることができる

Dustin Abbottがキヤノン「RF800mm F11 IS STM」のレビューを公開。「F11」「沈胴構造」「STM駆動」と色々な条件付きとなるものの、適切な条件であれば良好な結果が得られるレンズと述べています。

Dustin Abbott：Canon RF 800mm F11 IS STM Review

外観・構造：

  • 従来のレンズと比べると個性的なデザインだ。ある意味、双眼鏡のような仕上がりである。
  • 開放F値がF11と暗いレンズだ。夏の夕方だと1/100秒のシャッタースピードを得るにはISO 400が必要だ。1/500秒ならばISO 3200が必要となる。
  • Lシリーズではないためレンズフードが付属しない。別売りのうえに55ドルと高価である。
  • もちろん付属のレンズケースもない。
  • 三脚ネジ穴があるものの、三脚座はない。
  • 沈胴構造のため、撮影前にレンズを伸ばす必要がある。
  • エクステンダーに対応しているが、開放F値が暗く実用的ではない。

携帯性：

  • 直径101.6mm、全長352mmだが、沈胴構造のため収納時は全長を290mmまで縮小することができる。
  • 重量は1260gと適度で、多くの人が持てる重さとなっている。
  • EF800mm F5.6は重量4.5kgだ。このレンズの3.5倍強である。

操作性：

  • 2系統のフォーカスリミッターとAF/MFスイッチ、手ぶれ補正スイッチを搭載している。
  • コントロールリングは600mmと比べて少し緩い。
  • フォーカスリングは滑らかだ。

フォーカス：

  • 撮影倍率は高くないが、画角が非常に狭いので後ろに下がる必要がある状況が多い。
  • AFはステッピングモーター駆動で動作する。ナノUSMほど高速ではなく、初速で見劣りする。
  • フォーカス精度は高かった。

手ぶれ補正：

  • 効果的な光学手ぶれ補正を搭載している。
  • 1/40秒でシャープな結果を得ることができた。
  • R5との組み合わせで4段分の効果よりも少し良好だ。
  • F11と暗いレンズだからこそ、良好な手ぶれ補正はありがたい。

解像性能：

  • フレーム全域で一貫して良好なシャープネスとコントラストだ。
  • ただし、実写ではISO感度が高くなるのでテスト撮影ほどシャープにはならない。
  • また、風景撮影では陽炎の影響でシャープネスが低下することもある。

像面湾曲：

  • 記載なし。

ボケ：

  • F11ながら焦点距離が長いのでボケを大きくすることが可能だ。

色収差：

  • ハイコントラストな領域でも色収差は僅かだ。
  • チャートテストで倍率色収差はほとんどない。

球面収差：

  • 記載なし。

歪曲収差：

  • 歪曲収差は最小限だ。
  • わずかな糸巻き型である。

周辺減光：

  • 周辺減光は最小限だ。
  • 隅で3/2EV程度の光量落ちがある。

コマ収差：

  • 記載なし。

逆光耐性：

  • 絞りが無いので光条を作ることは出来ない。
  • 逆光耐性は良好だ。

作例集

総評

間違いなく風変わりなレンズだ。沈胴構造を展開する手間がかかり、F11と暗いレンズのため明るいシーンで使う必要がある。エクステンダーを使用可能だが、AFを使うのは難しい。それでも、適切な条件で使用することで見事な結果を得ることができる。そしてAF性能は予想よりも良好だ。手ごろな価格でより多くのフォトグラファーが超望遠の世界に足を踏み入れることが出来るだろう。

  • 長所：
    ・800mmとしては最も安い選択肢
    ・小型軽量
    ・効果的な手ぶれ補正
    ・全体的に良好なシャープネス
    ・諸収差の良好な補正状態
    ・周辺減光が少ない
    ・効果的なAF
    ・良好な追従AF
    ・ボケが素敵
    ・コストパフォーマンス
  • 短所：
    ・F11
    ・沈胴構造を展開する手間
    ・レンズが暗い
    ・フードも三脚座もない
    ・防塵防滴非対応
    ・低照度には不向き
    ・最短撮影距離が長い

とのこと。
800mm単焦点としては驚くほど手ごろな価格とコンパクトサイズを実現した個性的なレンズですね。代償として口径が小さく、絞りが存在せず、沈胴構造の手間がかかり、ステッピングモーター駆動でAFが動作します。それでも800mmを手軽に体験してみたい人にとって面白い選択肢となるかもしれません。

私もEOS R5と組み合わせて使用経験がありますが、印象はDustin Abbott氏のレビューとほぼ同じ。思っていたよりも良好な光学性能ですが、いかんせんF11が暗すぎて、シャッタースピードとISO感度のバランスを取りにくいです。高画素機のEOS R5で使うよりはEOS R6やEOS R3との組み合わせが適しているのかなと。

沈胴構造は使用中ずっと伸ばしておけば問題ないと思うものの、内筒がプラスチッキーでレンズ本体を支え続けることが出来るのか不安に感じてしまうのですよね。防塵防滴仕様では無い点も少し気になりました。10万円近いレンズにフードが付属していないのも残念ですが、今は手ごろな価格の社外製フードが存在します。価格を抑えたいのであればAmazonなどで調達しておくのがおススメ。

800mmを体験するには良いレンズだと思いますが、「F11縛り」が思ったよりも厳しく感じます。このレンズを購入前に、手持ちのレンズでF11縛りの撮影を行い、自身の撮影環境で満足のいくISO感度を維持できるのか確認することをおススメします。

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