Sony Alpha BlogがVILTROX「AF 56mm F1.4 STM」のレビューを公開。シグマほどのシャープネスでは無いものの、発色やクリックレスの絞りリングを評価しています。ボケもなかなか良さそうですね。
α6xxx系に最適なポートレートレンズ
Sony Alpha Blog:Viltrox 56mm F1.4 STM
- レンズの紹介:
・VILTROXのAPS-C用大口径レンズの1つだ。フルサイズで言うところの85mmに相当する焦点距離をカバーしている。
・AFに対応しており、EXIFに情報が記録される。
・重量:290g
・価格:280ユーロ
・絞り:F1.4-16
・全長:71mm
・フィルター:52mm
・絞り羽根:9枚
・クリックレス絞りリング
・最短撮影距離:0.6m
・レンズフード付属
・ステッピングモーター搭載
・レンズポーチ付属
・Micro USBポートあり- ビルドクオリティ:
・レンズは総金属製でビルドクオリティはとても良好だ。- 携帯性:
・記載なし。- 操作性:
・絞りリングはクリックレスだが、Aポジションが存在する。
・絞りリングのAとF16の間には弱めのクリックストップがある。誤操作でAポジションになることが多いため、もう少し抵抗量があると良かった。
・フォーカスリングは十分に滑らかでとても使いやすい。- オートフォーカス:
・AFは高速かつ正確だ。
・低ノイズだが、完全に無音ではない。動画では音を拾う可能性が有る。
・瞳検出やトラッキングは完全に機能する。
・目立つブリージングは無い。- マニュアルフォーカス:
・記載なし。- 手ぶれ補正:
・記載なし。- 解像性能:
・α6600でテストした。
・中央はF1.4から非常に良好だ。F2.8からF5.6で際立った性能となる。
・四隅は期待外れで、絞り開放は平凡、F5.6で優れた結果となる。
・レンズは絞り開放で一貫した性能では無いが、ポートレートで問題とはならない。全体的にとても良好な結果を得ることが出来る。- 像面湾曲:
・記載なし。- ボケ・色:
・玉ボケは良好だ。F1.4で円形だが、F2に絞ると角ばる。
・等倍でチェックするとボケの縁取りが見られる。
・後ボケはとても良好だ。騒がしい背景でも非常に柔らかい描写となる。
・色表現はとても良好で自然な描写だ。ポートレート向けの暖色傾向が少し見られる。
・肌の色調はとても優れている。- 色収差:
・とても目立つが、後処理で簡単に補正できる。- 球面収差:
・記載なし。- 歪曲収差:
・歪曲は僅かな糸巻き型だ。- 周辺減光:
・F1.4で目に付くが、F2.8付近で解消する。- コマ収差:
・記載なし。- 逆光耐性:
・平凡な性能だ。
・絞っても明らかな光条とならない。- 動画:
・シャープネス・玉ボケ・後ボケは動画でも非常に良好な結果を得られる。
・逆光や色収差は動画で問題となる可能性が有る。
・クリックレスの絞りリングは便利だ。
・AFは大部分の場合にうまくいくが、まれにハンチングする。
・フォーカスブリージングは見えない。- シグマ56mm F1.4 DC DNとの比較:
・シグマはVILTROXよりも高価だ。
・シグマには絞りリングが無い。
・ビルドクオリティはVILTROX有利だが、最短撮影距離が長く、防塵防滴仕様でもない。
・中央のシャープネスはF1.4とF2でシグマが1グレード優れている。絞ると同程度だ。
・四隅はシグマがF4まで遥かに優れている。
・どちらもE 50mm F1.8 OSSやYN50mm F1.8 DA DSMより遥かに優れている。
・玉ボケはほぼ同じだ。
・最短撮影距離はシグマのほうが短く、大きなボケを得ることが出来る。
・VILTROXは少し暖色系、シグマは少し寒色系だ。
・シグマはコントラストが高すぎ、シャドウが暗くなりすぎる可能性がある。
・ポートレートはVILTROXが適している。
・シャープネスはシグマのほうが間違いなく優れている。
・どちらもAFにはいくつか問題がある。10%はミスショットがあった。
・どちらも歪曲収差は目立たない。
・色収差はVILTROXの主な弱点だ。
・周辺減光は同程度である。
・逆光耐性はシグマが少し優れている。
・光条はシグマ有利だ。- 作例集
総評
α6xxxに最適な単焦点レンズだ。中央は非常に優れたシャープネスを得ることができ、とても柔らかい後ボケと優れた玉ボケ、優れた色表現と心地よい肌のトーンが得られる。大部分の状況でAFは良好で効果的だ。VILTROX 23mm F1.4・33mm F1.4と一貫性があり、レンズサイズも統一されている。
シグマと比べて動画撮影やポートレートでの撮影に適していると言えるだろう。F1.4におけるフレーム全体のシャープネスや一貫性が必要な場合はシグマを選ぶと良い。
長所:中央の非常に良好なシャープネス・滑らかな後ボケ・良好なコントラスト・良好な玉ボケ・とても良好な色・ポートレートに適した描写・小型・良好な価格設定・優れたビルドクオリティ・フォーカスブリージングなし・クリックレスの絞りリング・歪曲収差が目立たない・同シリーズで一貫したレンズサイズ
平凡:周辺減光・四隅のシャープネス・逆光耐性・絞りリングの抵抗量・AFの稀な問題
短所:色収差が目立つ・最短撮影距離・光条・耐候性が無い
とのこと。
シグマほど絞り開放のシャープネスが高いわけでは無いものの、ポートレートなどではシグマ以上に適したレンズとなるようです。
私は以前に富士フイルムXマウント用を使ったことがあり、全体的に似たような印象を持ちました。確かに適度なシャープネスとコントラストのレンズ。開放は少しコントラストが低い(逆光耐性が悪いのかも)ので、被写体によっては注意が必要です。
ソニーEマウントではシグマ「56mm F1.4 DC DN」と競合するのが悩ましいところ。VILTROXはより低価格なレンズで、金属外装やフードは検討する価値があると感じます。Amazonのタイムセールなどで、たまに2万円台まで値下がりするのも魅力的。
VILTROX AF 56mm F1.4 STM 交換レンズデータベース
VILTROX AF 56mm F1.4 STM |
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