Amateur Photographerがハッセルブラッド「X2D 100C」のハンズオンを公開。従来機と比べて見違えるように高速化した応答性やAFを評価し、1億画素 高解像センサーの画質についても言及しています。
Amateur Photographer:HASSELBLAD X2D 100C REVIEW
ビルド・外観:
- 起動時間がとても速くなっている。電源オンから撮影可能になるまで2秒もかからない。AFも速くなっているので、驚くほど高速化していると感じた。
バッテリー:
インターフェース:
- 5000枚以上のRAWファイルを保存できる1TB SSDを内蔵している。
- SSDに2370MB/sで書き込み、10GB/sのUSB-C 3.2 Gen2ポートで出力することが出来る。
- SSDを使用したくない場合でも最大512GBのCFexpress Type Bカードに対応している。
- SSDからパソコンにデータを出力するためにはカメラ側の電源を入れておく必要がある。出力にはUSBポートを使用し、この際に充電することは出来ない。
- 撮影したデータの高速書き込みに対応しているので、フレーム間に遅延は無い。
携帯性:
- 金属製ボディとは思えない重量だ。
- バランスの取れたカメラである。
グリップ:
- 快適なグリップを備えている。
- カメラを落としそうになる感覚は無い。
操作性:
- ポップアップのモードダイヤルは残念ながら無くなっている。とは言え、モードダイヤルを操作する機会は少なかった。
手ぶれ補正:
- 7段分の5軸ボディ内手ぶれ補正に対応している。
- 1秒のスローシャッターを手持ち撮影することが出来た。
- 55mm 1/8秒で高い成功率を維持できた。
ファインダー:
- 眼鏡を着用していると画面全体を見ることが出来ない。
- 物理的な視度調整ダイヤルが無いので、メニューシステムから調整する必要がある。
- ファインダー使用時はモニタをタッチパッドとして利用することが出来る。
モニター:
- チルトモニタを導入したことをうれしく思う。
- ただし、上方向に傾けると突出したファインダーに視界を遮られてしまう。
- GFX100Sの3Wayチルトほど便利ではない。
- 右肩に追加された情報パネルはとても便利だ。
メニューシステム:
- 少し改善されており、静止画と動画を切り替えるタブは省略された。
- 以前と似たシステムだが、応答性がかなり速くなっている。
フォーカスシステム:
- 像面位相差AFに対応した。
- センサーの97%を294点の位相差検出でカバーしている。
- さらに新しいXCD Vレンズと組み合わせると既存のシステムより3倍高速と主張している。
- AF構成の選択肢はほとんど無い。
- 近い将来で顔・瞳検出に対応することは無いと聞いている。
- 近い距離を速めに歩く人にもピントを合わせることが出来た。ただし、最大限活かすためにはXCD Vレンズを使用する必要がある。
- 現時点でAF-Sのみで、AF-Cは無い。
- フォーカスブラケットには対応していない。
連写性能:
- 14bitモードで3.3コマ秒の連続撮影が可能だ。
解像性能:
- GFX100Sに匹敵する1億画素センサーを搭載している。
- 並外れた解像性能であり、適切なレンズとの組み合わせで隅から隅まで非常に高解像だ。
高感度ISOノイズ:
- ノイズ耐性はとても良好だが、ISO 3200で部分的に目立つようになる。
- ノイズの粒状は魅力的ではない。
- JPEGのノイズリダクションを適用すると諧調が失われる場合がある。
ダイナミックレンジ:
- 16bitモードで最大15stopsのダイナミックレンジが期待できると言われている。
画質・仕上がり機能:
- 測光は十分に信頼性がある。
- 現像ソフトも良いが、Adobe Camera RAWのほうが使いやすい。
動画:
- 動画撮影には対応していない。
- ハッセルブラッドは近い将来に動画機能を追加する予定はないとしている。
総評
X1D II 50Cも気に入っていたが、主に静的な被写体にしか使用できないカメラだった。X2D 100Cは、より幅広い被写体に対応できる柔軟性を持ち、AFシステムの変更により、より満足のいく撮影体験と結果が得られるようになった。
X1D II 50Cと比べて多くの分野で優れており、新しいレンズを装着することで、まったく新しいコンセプトのカメラになる。フルサイズミラーレスのトップエンドに期待されるAFやシステムではないが、中判モデルとしてはトップクラスだと思う。
解像度、色、シャープネス、ハッセルブラッドの階調表現も素晴らしく、7段分のボディ内手ぶれ補正と並んで高ISOノイズ性能の特性は、三脚の存在を忘れることだろう。
同じようなサイズとスペックのの「GFX100S」よりも1900ポンド近く高価なボディなので、ほとんどの人にとって気軽な買い物ではない。XCD Vレンズは、富士フイルムよりも大口径だが非常に高価である。
ハッセルブラッドに関しては、論理と現実的な判断がより抽象的な概念と絡み合ってしまうため、ライカと同様にコストパフォーマンスを語るのは難しい。もしあなたがお金に余裕があるのなら、おそらく失望することはないだろう。ファームウェアのアップデートにより、機能やAFオプションが充実すると良いが、今のままでも非常に楽しいカメラに仕上がっている。
- 長所:
・見事な解像度
・優れた色
・X1D II 50Cよりも応答性が高い
・劇的に改善したAF
・優れたダイナミックレンジ
・高品質のEVF- 短所:
・価格
・35mm判ミラーレスほどのAFではない
・チルトモニタとファインダーが干渉する
とのこと。
前モデルと比べて非常に高価なカメラとなりましたが、1億画素センサーや像面位相差AF、ボディ内手ぶれ補正、応答性が向上したシステムなど、全く別のカメラに仕上がっているみたいですね。特に高速AFと手ぶれ補正で撮影できるシーンが格段に広がり、チルトモニタやレスポンスの向上で撮影体験も向上している模様。既存のX1Dユーザーも納得の1台に仕上がっているみたいですね。将来的に顔検出や動画機能に対応するとは言及していないものの、せめて顔検出や瞳検出に対応すると良いですねえ。
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