Xitekがニコン「Z 30」のレビューを公開。快適なグリップや操作性、ノンクロップの4Kを評価しつつ、DX Zレンズラインアップの不足やZV-E10と比べた際の動画撮影機能の不足を指摘しています。
ビルド・外観:
- EVFとチルトモニタではないZ 50に似たカメラだ。
- EVFが無いと、大きなZマウントが上部に突き出るような形状となっている。パナソニックLUMIX GF3のようだ。
- 左肩の形状が特徴的で、縦構図時におけるハンドリングを改善している。
バッテリー:
- Z 50やZ fcと同じくEN-EL25を採用。
- 充電・給電に対応している。
- Z fcよりもバッテリーライフは少し短い。
インターフェース:
- HDMI D・USB-C・マイク出力に対応している。
- マイクは上部にあり、バリアングルと干渉しにくくなっている。
- ヘッドホン出力がないのは残念だ、ファームウェアアップデートでUSB-C出力で対応することを期待したい。
- Z 50と異なり、USBはC端子を採用。USB経由で給電にも対応している。
- Z 50やZ fcと同じくSD UHS-Iに対応している。UHS-IIには対応していない。幸いにもセンサーの解像度が低く、ファイルサイズは大きくない。
携帯性:
- 似た製品であるZV-E10と比べて本体サイズが大きい。
グリップ:
- 似た製品であるZV-E10と比べてグリップが大きい。
- エルゴノミクスに基づいたデザインだ。
- 長時間の手持ち撮影に適している。
操作性:
- 動画撮影を考慮して上部に押しやすいRECボタンを搭載している。自撮り・ハイアングル・ローアングルでも押しやすいボタンだ。
- マウント右側にはカスタマイズ可能なFnボタンを2つ搭載。39の機能から選ぶことが出来る。
- Z 50のタッチボタンがなくなり、従来通りの背面ボタンレイアウトとなっている。デザインはZ 5に近いが、ジョイスティックやAF-ONボタンが無い。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
ファインダー:
- 記載なし。
モニター:
- Z fcと同じく104万ドットのバリアングルモニタだ。
- チルトモニタと異なり三脚やジンバルと干渉せずに自撮りすることが出来る。ただし、側面のケーブル類と干渉しやすい。
- 似た製品であるZV-E10と比べて解像度が高い。
- Z 50のようなタッチボタンは無い。
メニューシステム:
- 記載なし。
フォーカスシステム:
- 基本的にZ fcのフォーカスシステムを継承している。
- 動画撮影中に人物・動物の瞳検出や追従AFに対応している。
- 被写体を良好に追従する。
連写性能:
- 記載なし。
解像性能:
- 記載なし。
高感度ISOノイズ:
- 記載なし。
(動画でのテストあり)ダイナミックレンジ:
- +1~+2EVの露出オーバーは大部分のハイライトを復元することが出来る。
- +3の露出オーバーになると白飛び部分が増える。
- ‐1~‐2EV 露出アンダーの場合は完全に復元可能だが、‐2EVの復元で画質が荒くなる。‐3EVの復元ではカラーノイズが発生する。
画質・仕上がり機能:
- 記載なし。
動画:
- 似た製品であるZV-E10と比べてLogやHLGプロファイルに対応していない。また、モニタリング用のヘッドホン出力に対応していない。
- ホットシューの両側にステレオマイクを内蔵している。
- 前面にはタリーランプを搭載している。
- 動画機能はZ fcやZ 50と同じだ。ノンクロップの4K 30pに対応し、FullHD 120pを利用可能だ。
- 撮影中の人物・動物瞳AFに対応している。
- ニコンによると、新しい冷却技術により動画の連続撮影時間が伸びているとのことだ。
- 30pや24pも同じサンプリング方式で画質に差は無い。
- ISO 400-800で画質に大きな変化はない。
- ISO 1600-3200は比較的綺麗だ。
- ISO 6400-12800は画質が荒くなり、カラーノイズにより深刻なカラーブロックが発生する。
- ISO 1600以内で良好な低照度動画撮影が可能だ。
- 4K 30pは明らかにローリングシャッターの影響を受ける。
- 電子手振れ補正を利用できるが、ある程度のトリミングが発生する。
総評
Z 50やZ fcのようなスペックでVLOGに焦点を当てたカメラだ。主な競合カメラはZV-E10で、比較してノンクロップの4Kや深いグリップなどの点で優れている。一方でヘッドホン出力がなかったり、Logや製品レビュー用設定などに非対応だ。また、動画撮影時のフォーカストラッキングには改善の余地がある。
最も重要なことはNIKKOR Z DXレンズが不足していることだ。Vloggerが満足する超広角レンズが無いのでロードマップ上のズームレンズに期待したい。
将来的にファームウェアアップデートによるフォーカス性能の向上や特殊機能の追加が必要と感じている。同時にカメラのカラーバリエーションが増えるとうれしい。
- 長所:
・ノンクロップで4KやFullHD 120p動画を撮影可能
・バリアングル門チア
・インターバル撮影
・4Kタイムラプス
・フォーカスブラケット
・動画の連続撮影時間が最大125分
・オートモードで露出補正に対応
・ワイドエリアで人物/動物瞳検出に対応
・USB充電やUSB給電に対応
・USBウェブカメラに対応
・Zシリーズで最軽量・最小
・良好なグリップ- 短所:
・ヘッドホン出力がない
・動画のフォーカス性能は改善の余地あり
・ボディ内手振れ補正がない
・Logに対応していない
・マニュアルISOに非対応
・製品レビュー用設定のような機能がない
・Zマウントレンズの選択肢が少ない
とのこと。
ニコン初となるVLOGを想定したミラーレスカメラですね。立ち位置的にはソニー「ZV-E10」やパナソニック「LUMIX G100」と同じようなカメラで、ノンクロップの4Kや良好な操作性とグリップを評価。その一方で、まだまだレンズラインアップや動画撮影時の機能が不足していると指摘しています。ニコン自身「Z 30のフィードバックが必要」と述べているので、ファームウェアで追加できる部分はこれから改善していくつもりなのかもしれません。
静止画の画質についてあまり深くレビューしていませんが、基本的にはZ 50やZ fcと同じセンサー・プロセッサを搭載しているので、静止画/動画の画質に大きな変化は無さそうです。とは言え、APS-Cとしては高ISO感度に強いセンサーだと思うので、あまり心配する必要は無いでしょう。気になる点と言えば動画撮影時のローリングシャッターくらいでしょうか?こればっかりは新型センサーに切り換えないと改善は難しそうですねえ。
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