Xitekが正式発表されたばかりのニコン製エントリーミラーレス「Z 5」のレビューを公開。Z 6とISO感度別作例を撮り比べており、ISO6400付近までは同等のパフォーマンスを発揮する模様。DRはほぼ同じようですね。
- Z 5はZ 7・Z 6・Z 50と異なり、対応する一眼レフシリーズが存在しない。敢えて言えばD600系やだが、Z5のスペックを考慮するとZ 6のデチューンに近い。
- Z 6と比べて、連写性能と動画機能の削減以外は似ている。そして低照度AF性能はファームウェアアップデート前のZ 6と同等だ。
- キヤノンEOS RPの戦略と似ており、連写速度が遅く、4K動画にクロップが発生し、スローモーション撮影に対応していない。しかし同時に1/8000秒シャッター、大容量の新型バッテリー、USB給電、デュアルカードスロットを備えている。特に最後の3つはZ第一世代の課題だったポイントである。
- D780と同じく、デュアルSDカードスロットはユーザーフレンドリーだ。
- EOS RPと比べてファインダー・シャッタースピード・バッテリーライフ・デュアルカードスロット・ボディ内手ぶれ補正と言った点で優れている。
- ボディデザインはZ 6・Z 7と同じだ。マグネシウム合金ボディ(訳注:Z 5は背面がプラスチック製です)・防塵防滴仕様である。
- Z 6のようマウント右側までラバーは張り付けられていない。
- 主な変更点はカメラ上部だ。Z 50のようにステータスLCDを搭載していない。その代わりにモードダイヤルを搭載している。このモードダイヤルは少し大きく高く、ロックボタンは存在しない。
- ファインダーの仕様はZ 7やZ 6と同等だ。低価格のフルサイズミラーレスとしては優れたポイントである。ただし、接眼レンズのコーティングは上位機種と同等では無い。
- ボタン配置はZ 7・Z 6と同じだ。ニコンユーザーであればお馴染みの操作性である。
- チルトモニタの可動範囲は上位機種と同じだが、モニタ解像度は104万ドットと差別化されている。
- 側面のインターフェースも他の機種と同等だ。マイク・ヘッドホン・HDMI C・USB-C・アクセサリーターミナルを備えている。
- 新型バッテリーEN-EL15cは旧型から20%容量が増加している。これによりバッテリーライフが改善、さらにUSB-C端子経由の外部給電駆動に対応している。Z 7やZ 6はEN-EL15cによるバッテリーライフ改善は期待できるものの、外部給電までは対応していない。
- 上位機種のように高価なXQD・CFexpressカードしか使えない仕様では無く、デュアルカードスロットでSDXC UHS-IIに対応している。高価なメモリーカードリーダーを購入する必要もない。
- 軽量設計の24-50mmはZ DX 16-50mmのフルサイズ版に近いものだ。沈胴機構を採用し、縮長は僅か51mmである。このレンズと組み合わせた際の重量はわずか870gだ。
- メニューシステムは従来モデルを継承している。
- 電子先幕シャッターはメカニカルシャッターとの自動切換えに対応している。上限は1/2000秒だ。
- Z 6・Z 7がファームウェアアップデートで獲得した動物瞳AFに対応している。動画撮影時は顔検出のみだ。
- FHD 60p・4K 30pの静止画切り出しに対応している。
- NEF(RAW)出力設定が簡略化されているので注意。
- Z 5の2400万画素センサーはZ6と別物である可能性が高い。Z 5・Z 6に「NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3」を装着して撮り比べてみたところ…。
・ISO6400では基本的に同じ画質だ。ノイズレベルも似ている。
・ISO12800ではZ 5のディテールが低下し始める。
・ISO25600-102400でZ 6のパフォーマンスが良好に見える。
・RAW・JPEGどちらも似たような傾向となる。- ダイナミックレンジはZ 6と似たような傾向だ。とても優れたパフォーマンスである。
- 4K動画はドットバイドットのため、フル画角から大幅にクロップされる。これはD5やD6と似たような傾向だ。DXフレームよりも少し狭くなる。もちろん、解像度やコントラストはFullHDより優れている。
- Z 5はZ 6やD780で対応しているFullHD 120/100pハイフレームレート撮影に対応していない。そしてHDMI出力も同等ではなく、N-Logも利用できない。
以上の結果から、「EOS RP」のニコン版というより、「Z 6」のデチューンモデルと言うことが分かる。最大の妥協点は連写速度と動画機能だ。逆に上位機種と比べて魅力的なポイントは、デュアルSDカードスロットや新型バッテリーとなる。ファームウェアアップデートで妥協点が改善される可能性もあるが、それはニコンのブランディング次第だろう。
Z 5の位置づけは明瞭だ。十分低価格で数ある欠点は問題とならない。売り出し価格はZ 6の実勢価格とあまり差が無いものの、もう少し値下がりすると競争力が高まるはずだ。
長所:高感度ISO性能・5軸ボディ内手ぶれ補正・チルトモニタ・インターバル撮影・タイムラプス・フォーカスブラケット・動物瞳AF・競合モデルより優れたグリップ・競合モデルより優れたEVF・新型バッテリーとUSB給電対応・アダプター経由でFマウント利用可能・デュアルSDカードスロット・小型軽量な24-50mmがキットレンズ・マグネシウム合金ボディ・上位機種と同等の防塵防滴
短所:連写速度が遅い・4Kで目立つクロップ・ハイフレームレート動画非対応・追従AFは改善の余地あり・外部出力時のN-Log非対応・低照度AFは改善の余地あり
とのこと。
低価格ながら非常にしっかりとした性能のエントリーモデルであるようです。連写や動画機能が必要無ければコストパフォーマンスは高そうですね。Z 6の裏面照射型CMOSセンサーと比べると高感度ISO性能が少し低いようですが、実写作例を確認する限りではそう目立つ差では無いのかもしれません。
ボディ外装や防塵防滴仕様、AFジョイスティックやフロントFnボタン、ファインダー性能が上位機種と比べてあまり見劣りしないのは凄いですね。既存のZユーザーでもサブカメラとして検討できそうな1台。
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