今年もあとわずかとなってきたので、2024年に登場したニコン製品をおさらいするページを作成。ニコン製品はZ6III以外は購入してレビュー済みのため、ついでにレビューリンクもまとめています。
Index
何が登場したのか?
他のメーカーを含めた一覧表は「2024年 カメラ・レンズの新製品・噂情報 早見表」を参照してください。
ミラーレスカメラ
最新の画像処理エンジン「EXPEED 7」を搭載した新製品が2つ。どちらも「EXPEED 6」を搭載した旧モデルからのリニューアル。
Z6IIIはイメージセンサーも更新していますが、主なアップグレードは処理エンジンの更新が効いていると思われます。旧世代(EXPEED 6)は競合他社と比べて見劣りする性能でしたが、EXPEED 7で大幅に改善。特に手頃な価格のZ50IIに導入されたのは印象的。
EXPEED 7は2021年の「Z 9」で初導入され、今年で3年目。度重なるブラッシュアップで、既に洗練されたシステムとなっています。Z6IIIやZ50IIは売り出しから成熟したEXPEED 7を利用可能。幅広い被写体に対応する検出機能をはじめとしたAFシステム、画質を維持しながら圧縮率が高い「高効率RAW」、様々な動画機能など。50万円超のフラッグシップ・ハイエンドモデルを継承しています。
交換レンズ
- NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR
- NIKKOR Z 35mm f/1.4
- NIKKOR Z 50mm f/1.4
- NIKKOR Z 28-135mm f/4 PZ(開発発表)
NIKKOR Z レンズラインアップも充実しつつあり、今年は隙間を埋めるような製品が登場。ニッチで前例のない「28-400mm」高倍率ズームレンズや、NIKKOR Zでは初となる「F1.4」レンズが登場。
さらに動画向けのパワーズームレンズが開発発表されています。「F1.4」レンズ2本も動画を意識した設計(サイズの統一・フォーカスブリージングの抑制など)で、今後もこれらに準ずる製品が登場するように見えます。特に今年はRED買収というイベントがあったので、数年後を見越して色々と準備しているかもしれませんね。
それぞれの製品を振り返る
Z6III
- 発売日:2024年7月12日
- 予約開始日:2024年6月19日10時
- 希望小売価格:オープンプライス
- ニコンダイレクト:435,600円(税込)
「Z 6II」は既存センサーに既存プロセッサ×2とお茶を濁したようなアップグレードでしたが、今回は比較にならないほど力が入っています。
世界初の「部分積層型CMOSセンサー」とEXPEED 7を組み合わせた「Z 6」シリーズの最新モデル。外装のデザインやコントロールレイアウトを含めてフルモデルチェンジしており、従来機と比べて大幅な性能向上が期待できるスペック。
読み出し速度がZ 6IIの約3.5倍となり、ローリングシャッターを抑えた静止画(電子シャッター時)や動画撮影を実現しています。さらに高速連写は20コマ秒まで対応し、4K 120pや5.4K 60pの動画撮影が可能となっているのも魅力的。
また、このクラスとしては珍しくCFexpress Type Bに対応しており、20コマ秒の高速連写の無限連写や高ビットレート動画の内部収録は競合製品と比べて抜きんでるポイント。
国内では為替の影響もあってかZ 6IIよりも高めの価格設定ですが、海外では競合他社のライバル製品と同程度に抑えられています。(このため国内外で評価が分かれる可能性あり)
Z6III | |||
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Z6III 24-120 レンズキット | |||
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Z50II
- 発売日:2024年12月13日
- 予約開始日:11月12日10時
- 希望小売価格:オープンプライス
- ニコンダイレクト:
・ボディ:145,200円
・16-50 キット:166,100円
・18-140 キット:199,100円
・ダブルズームキット:198,000円
2024年末に登場したニコンのAPS-Cミラーレスカメラ。
ニコンAPS-Cではお馴染みの2000万画素CMOSセンサーを継承しつつ、最新の画像処理エンジンであるEXPEED 7 プロセッサを搭載。被写体検出や3Dトラッキングに対応する最新のAFシステムを利用でき、センサーが足かせとなるものの連続撮影や動画撮影も高機能化。外装のデザインも一新され、より一般的で使いやすい物理ボタンが大幅に増加しています。
販売価格は前モデルより数万円高くなっているものの、改善した機能を考慮すると妥当な値付けと言えそうです。競合他社を含めて、被写体検出AFに対応するAPS-Cミラーレスとしては比較的安いほう。
立ち位置は従来通り「エントリー寄り」と思われ、ジョイスティックやCFexpressには非対応。センサー性能が足を引っ張っているのか、電子シャッターはあくまでも「静音撮影」「JPEG限定の高速連写」用となっています。
また、ピクチャーコントロールのUIが本機より変更。個人的には操作性の観点から改悪と感じているので、他の機種でどのように導入するのか気になるところ。
Z50II ボディ | |||
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Z50II 16-50 VR レンズキット | |||
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Z50II 18-140 VR レンズキット | |||
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Z50II ダブルズームキット | |||
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管理人のレビュー
- ニコン Z50II レビューVol.4 ISO感度・RAW編
- ニコン Z50II レビューVol.3 ドライブ編
- ニコン Z50II レビューVol.2 メニュー編
- ニコン Z50II レビューVol.1 ダイナミックレンジ編
- ニコン Z50II ハンズオンレビュー
NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR
- 発売日:2024年4月19日
- 予約開始日:3月29日10時
- 希望小売価格:オープン
- 売り出し価格:¥199,980
フルサイズミラーレス用の高倍率ズームレンズとしては初となる、光学14.2倍の超高倍率ズームレンズ。
広角28mmから超望遠400mmまでをカバーする驚異的なカバー率を実現。開放F値はF4-F8と非常に暗いですが、明るい屋外では携帯性や利便性などメリットが大きいと感じるはず。
400mmを利用できるレンズとしてはコンパクトですが、絶対的にはサイズの大きなズームレンズ。販売価格も安くないものの、このようなオールインワンを探している人にとって唯一無二の選択肢。
個人的には、このようなレンズはタムロンが真っ先に投入すると予想していたのですが…。まさか ニコンが「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」をリリースした後に投入すると思ってもみませんでした。
管理人のレビュー
- NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR レンズレビュー完全版
- NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR レンズレビューVol.5 ボケ編
- NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR レンズレビューVol.6 周辺減光・逆光編
- NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR レンズレビューVol.4 諸収差編
- NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR レンズレビューVol.3 解像チャート編
- NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR レンズレビューVol.2 遠景解像編
- NIKKOR Z 28-400mm f/4-8 VR レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
NIKKOR Z 35mm f/1.4
- 発売日:2024年7月19日
- 予約開始日:6月28日10時
- 希望小売価格:オープン
- ニコンダイレクト:104,500円(税込)
2024年7月発売のNIKKOR Z初となるF1.4 単焦点レンズ。
ロードマップのS-Lineレンズかと思いきや、非S-Lineの低価格な35mm F1.4として登場したため、多くのニコンユーザーを驚かせました。
手頃な価格に加え、レンズサイズや重量は35mm F1.8 Sとほぼ同じ。携帯性の良い大口径レンズとして面白い選択肢。今後は非S-LineのF1.4レンズシリーズとして拡充するのか注目されていましたが、立て続けに「50mm F1.4」が登場。
管理人のレビュー
- ニコン NIKKOR Z 35mm f/1.4 レンズレビュー完全版 2024年8月7日
- ニコン NIKKOR Z 35mm f/1.4 レンズレビューVol.6 周辺減光・逆光編 2024年8月5日
- ニコン NIKKOR Z 35mm f/1.4 レンズレビューVol.5 諸収差編 2024年8月3日
- ニコン NIKKOR Z 35mm f/1.4 レンズレビューVol.4 ボケ編 2024年7月26日
- ニコン NIKKOR Z 35mm f/1.4 レンズレビューVol.3 解像チャート編 2024年7月24日
- ニコン NIKKOR Z 35mm f/1.4 レンズレビューVol.2 遠景解像編 2024年7月21日
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NIKKOR Z 50mm f/1.4
- 発売日:2024年9月27日
- 予約開始日:2024年9月12日10時
- 希望小売価格:オープン
- ニコンダイレクト:81,400円(税込)
2024年に登場した2本目のF1.4 大口径NIKKOR Zレンズ。
「NIKKOR Z 35mm f/1.4」と同じくS-Lineに属さない大口径レンズであり、光学性能を追求したS-Lineとは一線を画す設計となっています。
50mm F1.4としては小型軽量で、ミラーレス用レンズとしては最小・最軽量クラス。光学性能よりも携帯性を重視したF1.4レンズとして面白い選択肢。販売価格は50mm F1.8 Sとよく似ており、自身の用途に合わせて選ぶことになります。35mm F1.4と比べると癖が弱めで使いやすい。
管理人のレビュー
- ニコン NIKKOR Z 50mm f/1.4 レンズレビュー 完全版
- ニコン NIKKOR Z 50mm f/1.4 レンズレビューVol.6 周辺減光・逆光編
- ニコン NIKKOR Z 50mm f/1.4 レンズレビューVol.5 諸収差編
- ニコン NIKKOR Z 50mm f/1.4 レンズレビューVol.4 ボケ編
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- ニコン NIKKOR Z 50mm f/1.4 レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
2025年に期待すること
新世代のEXPEED 搭載モデル
Z 9から始まった「EXPEED 7」世代もこれで3年目。度重なるブラッシュアップを経て、かなり洗練されたシステムになったと思います。被写体検出AF、高速連写、プリキャプチャ、高効率RAW、高度な動画撮影機能など。
正直に言えば処理エンジンの性能はまだ十分。急いで「EXPEED 8」に更新する必要はないと思います。とはいえ、他社のように「AI処理専用のプロセッサ」を搭載することでどのように変化するのか見てみたいところ。
個人的な見解として、「EXPEED 7」世代は一眼レフユーザーを受け入れる準備が整った「移行期」だと考えています。Z 9 や Z 8のように、一眼レフを意識したコントロールレイアウトなどもそう。新世代の「EXPEED 8」でようやくミラーレスのための処理エンジン・システムに昇華するのではと期待しています、複雑化するメニューシステムの改善も期待したいところ。
Z 7II・Z 5の更新
フルサイズシステムでEXPEED 7への更新が完了していないのは「Z 7II」と「Z 5」のみ。「Z 7II」はラインアップ的に後継モデルが登場しない、と考えています。あるとしたら、Z6IIIのボディに6100万画素センサーを搭載しているのだと思いますが…。
個人的には「Z 5」のセンサーそのままで、EXPEED 7を搭載したカメラのほうが可能性は高いのかなと。キヤノンは「EOS R8」のように高速センサーと最新プロセッサを搭載した競合製品を投入済み。被写体検出にも対応するEOS R8と競合できるとは思えないので、そろそろ更新時期。α7 IVのような3300万画素センサー搭載モデルを見てみたいところですが、価格は30万円近くとなりそう。
レンズは?
今年登場した「35mm F1.4」「50mm F1.4」に続く何か。動画撮影ニーズを狙っているかのような、統一されたフォルムのレンズ群を2本で終わらすはずがない。と思いたい。
「24mm F1.4」や「85mm F1.4」などが登場すると面白そう。もちろん、サイズ・価格を優先するために画質は(S-Lineと比べて)妥協が伴うことでしょう。
あとは拡充が進まないZ DXレンズの追加。まだ単焦点レンズは「NIKKOR Z DX 24mm f/1.7」の一つだけなので、そろそろ他の大口径レンズを期待したい。この分野はサードパーティ製品が充実しているとは言え、個人的にはNIKKOR Z DXを見てみたいのです。
一眼レフ時代のDXラインアップを考慮すると、せめて専用のマイクロレンズが欲しいところ。
購入早見表
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