ニコン「NIKKOR Z 50mm f/1.4」のレビュー第二弾 遠景解像編を公開。絞り開放は諸収差が残存しているため低コントラストですが、2段も絞れば隅までシャープな結果を得ることができました。風景写真など、十分に絞れる環境であれば何の問題もありません。
本日のおさらい
少なくとも絞り開放の遠景解像性能はS-Line(Z 50mm F1.8 S)に及びません。中央から隅にかけてコントラストが低く、これはF1.8やF2まで絞ったとしても同等となりません。絞りを開けた状態の遠景撮影(夜景・星空)が多いのであれば「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」をおススメします。
しかし、Z 50mm F1.4が優れていないという話ではありません。開放付近はコントラストが低いものの、解像性能は十分に良好。さらに2段も絞れば隅までシャープで良好な結果を得ることができます。一般的に風景写真などは絞って撮影することが多いと思うので、本レンズの性能が撮影で厄介となることは少ないはず(星空や夜景などを撮らない限り)。
あくまでも遠景での話ですが、強力なライバルであるZ 50mm F1.8 Sが存在したとしても、絞って使うぶんには問題ありません。
At least, the performance of the lens in terms of resolving power for distant subjects when the aperture is fully open is not as good as the S-Line (Z 50mm F1.8 S). The contrast from the center to the corners is low, and this does not improve even when the aperture is stopped down to F1.8 or F2. If you are planning to take a lot of long-distance shots (nightscapes, starry skies) with the aperture wide open, then I recommend the “NIKKOR Z 50mm f/1.8 S”.
However, this is not to say that the Z 50mm F1.4 is not good. Although the contrast is low around the maximum aperture, the resolution performance is still good enough. If you stop down the aperture by two more stops, you can get sharp, good results even in the corners. Generally speaking, I think that you often take landscape photos with the aperture stopped down, so the performance of this lens should not be a problem in most cases (unless you are taking photos of starry skies or nightscapes).
This is only true for distant scenery, but even if you have a strong rival in the form of the Z 50mm F1.8 S, there should be no problem if you use it with the aperture stopped down.
NIKKOR Z 50mm f/1.4のレビュー一覧
- ニコン NIKKOR Z 50mm f/1.4 レンズレビューVol.4 ボケ編
- ニコン NIKKOR Z 50mm f/1.4 レンズレビューVol.3 解像チャート編
- ニコン NIKKOR Z 50mm f/1.4 レンズレビューVol.2 遠景解像編
- ニコン NIKKOR Z 50mm f/1.4 レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
遠景解像力
テスト環境
- 2024.9.27:晴れ:やや強めの風(ストーンバッグで対応)
- カメラ:Z 8
- 三脚:Leofoto LS-365C
- 雲台:SUNWAYFOTO GH-PRO II
- 露出:ISO 100 絞り優先AE
- RAW:Adobe Lightroom Classic CC
・シャープネスオフ
・ノイズリダクションオフ
・レンズ補正オフ
テスト結果
全体的に開放からシャープですが、残存収差により中央から隅までコントラストが低め。球面収差やコマ収差の影響と思われ、2段絞ると全体的に改善します。遠景をベストな状態で撮影したい場合、少なくとも2段絞るのがおススメです。F2前後の画質はS-Lineに及びませんが、F2.8以降で顕著な差はありません。最善を尽くすのならF4-5.6あたりまで絞ると良いでしょう。
中央
前述したようにF1.4はコントラストが低下しています。F2.0で改善し、F2.8でピークの状態に近いとこまで上昇。F4以降に大きな変化はありません。コントラストが問題なければ、F1.4から実用的な画質で、少し柔らかい描写を楽しみたいなら一つの選択肢。
周辺
基本的には中央と同じ傾向ですが、コマ収差の影響なのかコントラスト低下が比較的強め。F2でも影響が僅かに残り、F2.8で大幅に改善します。F4以降はピークの状態で、絞ってもあまり変化がありません。
四隅
周辺と比べてさらにコントラストが低下。ただし、細部の解像性能に大きな乱れはなく、思ったよりもしっかりとした性能に見えます。絞ると徐々に改善しますが、ピークはF4まで絞った時。ベストを尽くさなければF2.8も許容範囲内。
まとめ
少なくとも絞り開放の遠景解像性能はS-Line(Z 50mm F1.8 S)に及びません。中央から隅にかけてコントラストが低く、これはF1.8やF2まで絞ったとしても同等となりません。絞りを開けた状態の遠景撮影(夜景・星空)が多いのであれば「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」をおススメします。しかし、Z 50mm F1.4が優れていないという話ではありません。開放付近はコントラストが低いものの、解像性能は十分に良好。さらに2段も絞れば隅までシャープで良好な結果を得ることができます。一般的に風景写真などは絞って撮影することが多いと思うので、本レンズの性能が撮影で厄介となることは少ないはず(星空や夜景などを撮らない限り)。
あくまでも遠景での話ですが、強力なライバルであるZ 50mm F1.8 Sが存在したとしても、絞って使うぶんには問題ありません。
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作例
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