このページでは一眼カメラ用交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」の情報を収集しています。
更新履歴
- 2018-03-11:Peter Fraileyをレビューに追加しました。
- 2017.12.1:レビューにThe Phoblographerを追加しました。
- 2017.11.20:日本カメラ12月号にて、2年連続で「ベストレンズ」に選ばれたもよう。
データベース
レンズの特徴
中央解像力 | 開放 非常に良好 ピーク 非常に良好 ピーク? F4.0?F5.6 |
周辺解像力 | 開放 非常に良好 ピーク 非常に良好 ピーク?F4~F8.0 |
軸上色収差 | 問題無し | 倍率色収差 | 広角 中程度 標準 やや目立つ 望遠 良好 |
球面収差 | 問題無し | コマ収差 | 良好 |
非点収差 | 極僅か | 歪曲 | デジタル補正が必要 |
周辺減光 | 開放で1段弱の減光 | 逆光耐性 | 弱くはない |
AF | 非常に高速で静音 | MF回転角 | 100° 電子制御式 |
最大撮影倍率 最短撮影距離 |
?広角 0.3倍 広角 0.15m |
手ぶれ補正 | 単体で約4.5段 |
フィルター | 72mm | 重量 | 561g |
ボケ傾向 | 前ボケ…滑らか、後ボケ…滑らか 玉ボケ…やや硬調・非球面の影響あり |
||
備考 | 防塵防滴・MFクラッチ機構・Zero Coating Nano 5軸シンクロ手ぶれ補正・L-Fnボタン |
あまり明るいレンズではありませんが、ケチの付けようが無い性能です。
従来の高倍率ズームレンズのイメージ=「便利だけど画質が悪い」と印象を大きく覆すものであり、ボケや明るさが必要なければ単焦点が欲しいと思わなくなるレベル。価格を考慮してもおススメするに値するレンズで、要検討したいのはやはりそのサイズ。OM-DやG系のカメラボディと組み合わせる分には使いやすいが、PENやGM・GFに装着するとバランスが悪い。
その使い勝手と描写性能を体感してしまうと、さして金額やサイズは問題と感じなくなってしまう魔性の高倍率ズーム。旅のお供にこれ一本。
レビュー・作例・参考サイト
管理人の再レビュー記事
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管理人のレビュー
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レビュー
作例
購入早見表
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO | |||
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レンズフード LH-76B | |||
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レンズキャップ LC-72C | |||
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フィルター購入早見表
プロテクト | C-PL | ND | ソフト |
X-CAP |
レンズデータ
レンズ仕様
焦点距離 | 12 - 100mm(35mm判換算24 - 200mm相当) |
---|---|
レンズ構成 |
11群17枚(DSAレンズ 1枚、非球面レンズ 3枚、EDレンズ 5枚、スーパーHRレンズ 2枚、HRレンズ 1枚) |
防滴処理 | 防塵防滴機構 |
フォーカシング方式 | ハイスピードイメージャAF(MSC) |
画角 | 84°(Wide) - 12°(Tele) |
最短撮影距離 | 0.15m(Wide) / 0.45m(Tele) |
最大撮影倍率 | 0.3倍(Wide) / 0.21倍(Tele) |
35mm判換算最大撮影倍率 | 0.6倍相当(Wide) / 0.42倍相当(Tele) |
最近接撮影範囲 | 57.7 x 43.3mm(Wide) / 82.4 x 61.9mm(Tele) |
絞り羽枚数 | 7枚 |
最大口径比 | F4 |
最小口径比 | F22 |
レンズ内手ぶれ補正機構 | あり(VCM機構) |
手ぶれ補正性能 | 5軸シンクロ手ぶれ補正時 6.5段補正[*]
レンズ手ぶれ補正時 5段[*]
|
フィルターサイズ | Ø72mm |
大きさ 最大径×全長 | Ø77.5 x 116.5mm |
質量 | 561g |
同梱品 | レンズフード(LH-76B)、レンズキャップ(LC-72C)、レンズリアキャップ(LR-2)、レンズケース(LSC-0914)、取扱説明書、保証書 |
シンクロ手ぶれ補正を使える超万能ズーム登場
高画質と高倍率の両立
35mm判換算で24mmの広角から200mmの望遠までをカバーする便利な高倍率ズームレンズ。加えて開放F値がF4固定という使いやすいレンズの明るさとなっており、これはフルサイズやAPS-Cのデジタルカメラでは存在しないスペック。
DSAレンズを含む非球面レンズを4枚使用してズーム変動による収差の発生を効果的に補正。色にじみに対して効果を発揮するEDレンズを5枚も用いることで、望遠域の課題である色収差を解決している。これによって歪曲が抑えられた広角と色滲みが抑えられた望遠を両立しているのがこのPROレンズだ。
高い接写性能
さらに、広角側で高い接写性能を持ってる。最短撮影距離15cm、レンズ先端より1.5cmの被写体まで寄る事が出来るので広角らしからぬクローズアップ撮影が可能。F4の広角レンズでも十分に背景をぼかすことが出来る性能だ。
強力な5段手ぶれ補正と6.5段分のシンクロ手ぶれ補正
マイクロフォーサーズにとって、F4という値は決して明るいレンズではない。
特に高感度域がフルサイズやAPS-Cと比べて使いにくいので、シャッタースピードと感度のバランスがシビアな部分がある。
それを解決してくれるのレンズ内手ぶれ補正が搭載されている。通常でも5.0段分の補正効果があり、シンクロ手ぶれ補正を適用する事でその補正効果は6.5段分にまで到達する。
スローシャッターを使える相手ならば、低感度を維持して手持ち撮影も容易になる。
高品質な外装・防塵防滴
外装は他のPROレンズ同様、クオリティの高いデザインを持っている。加えて金属外装による質感と堅牢性は非常に素晴らしい。
さらに12か所にも及ぶ密封シーリングを採用、高い防塵防滴性能を実現している。高倍率と耐候性の高さに加えて、強力な手ぶれ補正も合わせれば様々なシーンにおいてシャターチャンスに強いレンズと言えるだろう。
また、レンズ鏡筒には手ぶれ補正のオンオフスイッチとL-Fnボタンが配置されている。L-Fnボタンには豊富なカスタムコマンドから任意の一つを割り当てることが出来るので、自分のスタイルに合わせて設定してみよう。
マニュアルフォーカスクラッチ機構も健在。他シリーズのピントリングや他社メーカーの電子制御と比べて遥かに使いやすいのでおススメ。
管理人レビュー
逆光耐性はそこまで高く無いものの、あとは完璧と言って良いほど洗練されたレンズ。換算24-200mmをカバーしているレンズとは思えない程解像力が高く、その上広角でも望遠でも接写性能が高い。さらに手ぶれ補正は現行のカメラシステムでは最上級と言っても過言では無い補正効果(シンクロ手ぶれ補正適用時)が発揮される。価格は高いもののその価値は非常に高いと言っても過言では無い。
レビューまとめ、シンクロIS、開封の儀、フルサイズと比較する、単焦点と比較する、大口径ズームと比較する
海外の評価
DPReview
DPReview:Field review: The Olympus M.Zuiko 12-100mm F4 IS Pro goes to Oz
- 2018年が遥か昔のように感じられるが、3週間の休暇でオーストラリアへ旅行した際にオリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」を持って行った。OM-D E-M1 Mark IIと組み合わせることで適度なサイズのシステムだ。(これは個人的な旅行であり、オリンパスを選んだのも自分自身だ)
- 防塵防滴・耐凍結仕様の最高なビルドクオリティのPROレンズだ。
- フォーカスバイワイヤ方式のフォーカスリングだが、機械式と同程度のレスポンスで動作する。
- 金属製ズームリングは適度な抵抗量で動作する。
- 外装はほとんどが金属製だ。手に取った際に感じるレンズの質感は否定することができない。
- オートフォーカスはピント距離全域で高速で移動する。野生動物の撮影にも十分だ。最短撮影距離でもマニュアル操作の必要はない。
- 効果的な手ぶれ補正を搭載している。低照度での素早い被写体の撮影には適していないが、素晴らしい夕景を撮るには最適だった。
- 被写界深度が必要とならない場合、常に絞り開放で問題無いほどシャープな画質だ。ズームレンジ全域で優れたシャープネスを維持しており、接写でも性能が損なわれることは無い。2000万画素センサー以上の性能を備えている。
- 歪曲収差や周辺減光は組み込まれているプロファイルで自動的に補正されている。とても良好に補正されているように見えるが、ソフトウェア補正が負担となっている部分があるかもしれない。
- ソフトウェア補正があるものの、12mmのフレーム四隅ではいくらか周辺減光が残っている。歪曲収差は12mmで僅かに樽型の収差が残存している。長焦点では問題無い。
- ボケ描写に役立つレンズではないが、長焦点と撮影距離によってボケを大きくすることが出来る。ほとんどの場合、ボケは滑らかで素晴らしい。残念ながら玉ボケが多くなりシーンでは玉ねぎボケの効果で少し騒がしく見える。
- 逆光でもフレアによるコントラストの低下は問題とならない。ただし、絞ってもシャープな光条が作れないのは残念だった。
- 色収差補正は優れている。よく見ると厳しい状況で色づきが発生していることがある。
長所:ズームレンジ全域でシャープ・戦車のように頑丈・逆光耐性・驚異的な汎用性・非常に良好な手ぶれ補正・低歪曲
短所:ボケが騒がしい場合がある・光条・部分的な色収差・重い・高価
非常に良くできたズームレンズで、薄暗い教会のインテリアや風景写真、ポートレートや野生動物まで、ほとんど何でも対応することが出来る。とは言え、後ボケが少し騒がしい場合があり、光条やマイクロフォーサーズのF4ズームを許容できない人もいるだろう。しかし、この狂ったような効き目の手ぶれ補正はISO感度を抑えるのに効果的だ。
最大の欠点は価格設定だ。希望小売価格は1299ドルと高価な選択肢である。より安価で良好な作りのオリンパス製レンズもあるが、ここまでの作りではない。堅実な画質が必要で、オールインワンのレンズが必要な場合は検討する価値がある。
Photozone
- このレンズの品質は確かなものだ。耐候シールがほどこされた鏡筒は主に金属製であり、望遠にズーミングするとレンズはかなり伸びるががたつきはない。
- ズームリング・フォーカスリングは滑らかに動作する。
- このレンズのサイズと重量が気になる読者も中にはいるだろう。確かにこのレンズはオリンパスのラインナップの中で最も小さいズームレンズではない。しかし、このレンズでそれを実現するのは難しいことであり、必要とはされていない。このレンズは通常の14-150mmよりも優れた性能を発揮し、ズームレンジ全域でF4の絞り開放値を実現している。
- MSC AFモーターはかなり高速で静かだ。いつものようにマニュアルフォーカスはバイワイヤ式で動作する。
- 手ぶれ補正はかなり素晴らしいものだが、この性能だけでは解決できない問題があることを考慮する必要はあるだろう(動体を撮影する場合)
- 歪曲はユーザーの観点からするとデジタル補正が適用されるので心配することはないだろう。12mmで中程度の樽型歪曲1.8%しか示していない。CaptureOneなどでレンズ本来の性能を確認すると12mmで巨大な(6.9%)の樽型歪曲が現れる。しかし他の状況ではそれほど悪くはない。望遠端では中程度の糸巻き型歪曲を確認できる。このカテゴリでわかる事はデジタル補正を切らない方が良いと言う事だ。
- 周辺減光にもデジタル補正が適用されている。この場合、F4で比較的度合の小さい(0.7EV)を確認し、F5.6ではるかに少なくなる。この問題は長焦点になるほど無視できる程度だ。しかし、RAW現像すると少なくとも12mmではF4で1.8EVに達し、すべての絞り値において非常に高い。25mmと50mmでは非常に減光が小さくなる。100mmでは再びF4で減光が見られるが、これは問題ではない。
- このレンズの解像力は最高のパフォーマンスを有するレンズには敵わないが印象的なものだ。12mmにおける中央画質はF4とF5.6で非常に優れている。周辺部の画質も絞り開放でさえ非常に良好だ。画質はF8でもなお非常にまともだが、F11以降は回折の影響を受けるので避けるべきだろう。
- スウィートスポットはおよそ25mmだ。中央画質は僅かに落ちるが周辺・四隅はよりシャープとなる。50mmでもこの特性はほぼ変化しない。
- 100mmの中央画質は”非常に良好な数値”にぴったりで、周辺・四隅はやや低下するがF4でもまともな画質だ。
- テストした個体のセンタリングは良好で像面湾曲は最小限だ。
- 好奇心から歪曲補正を外してテストした。すると12mmで10%、100mmで5%の解像度が向上した。これは歪曲補正が解像力に影響を与えていると考えることができる。
- 倍率色収差は非常に低く、実際の使用では無視できるものだ。
- アウトフォーカスの玉ボケは程ほどに描写されている。玉ボケの内側は少し硬く、絞るとエッジが強調される。
- ピント面前後のボケ(ボケ始めの部分)は遥かに優れており、背景のボケは非常に滑らかで、前景のボケは驚くほど滑らかだ。
- このレンズはハッキリと競合するレンズが存在しない。近いレンズで「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S.」と「LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S. H-FS14140-K」だ。LEICAは遥かにコンパクトで少なくとも広角端ではより明るいレンズ。ズームレンジが不十分な場合は14-140mmが最良の選択肢だが、これは”一般レベル”のレンズだ。
このレンズを否定的に表現すると「何でも屋・器用貧乏」だが、これは不公平な表現だ。広角端では非常に良好な結果を示し、望遠端でも良好だ。倍率色収差は問題ではなく、歪曲と周辺減光は自動デジタル補正によってうまく処理されている(僅かに損失はあるが)。そしてボケの品質はズームレンズとしてはかなりまともなものだ。
レンズの品質は非常に良好で、防塵防滴を含めてプロフェッショナルな基準をクリアするものだ。比較的大きいが、屋外での使用でサイズと重量が私を悩ませることはなかった。AFはスピーディでノイズは無い。
そして、他のレンズと差別化できる手ぶれ補正を搭載している。手ぶれ補正は最近のレンズに多く搭載され珍しいものでは無いが、どのレンズよりも効果的なものだ。特にシンクロ手ぶれ補正はより効果的となる。6.5段を体感できるかどうかに関わらず、この効果はクラストップの性能だろう。
よってこのレンズを遠くの島(旅行)に持っていくか?もちろん、その様な用途では強くおススメする。
CameraStuffReview:最高の高倍率ズーム
- このレンズはマイクロフォーサーズのためのプロフェッショナルなオールラウンドズームレンズだ。ズームレンジは24-200mm相当で、通常このような光学倍率のレンズは最高の光学品質ではない。しかし、この12-100mm PROは常識の通用しない例外だ。
- 77×116mmのサイズで560gという重量を持つこのレンズはマイクロフォーサーズ用としては大きい。しかし、24?200mmの画角を持ちハーフマクロとしても活用することが出来る。多くのカメラマンにとって、必要としているかなりの部分をこのレンズで賄うことが出来るだろう。
- このレンズはPROシリーズであり、防塵防滴性能を持っている。その上耐寒性能を有している。耐候性におけるオリンパスの評判は高く、暴風雨や吹雪のような悪条件でも困難なものでは無いだろう。
- レンズを手に取ると品質の高さを感じる事が出来るはずだ。レンズにアソビは無く、ズームリングとフォーカスリングは程よい抵抗量を持っている。
- ズームレンジが広いのは好きだが、画質が良く無いと好きにはなれない。この点においてオリンパスは最大限の努力をしており、その結果を我々は見る事が出来る。
- 12mmにおけるシャープさは絞り開放から既に最高であり、四隅も合理的なものだ。1段絞るとより改善する。
- 18・25mmではF4?F5.6で中央解像力がピークとなる。四隅も絞り開放から既に良好だが、1段絞ると僅かに改善する。さらに望遠側にズームすると画質は絞り開放でやや低下する。しかし、これは大きな差では無く望遠端でさえ1段絞れば良好だ。
- 周辺減光は絞り開放で僅かに発生するが、1段絞ると解消する。
- 歪曲はデジタル補正前のRAWデータでは大きいが補正後は0.5%程度に収まっている。
- このレンズの手ぶれ補正は素晴らしいもので、三脚無しで美しく流れる水の写真をスローシャッターで撮ることが出来るだろう。
長所:広いズームレンジ、高画質、良好な接写性能、最高の手ぶれ補正、防塵防滴、しっかりとした造り
短所:あまり明るくない、少し重い
このレンズはAPS-Cやフルサイズ用のレンズと比較しても最高の高倍率ズームかもしれない。とてもユニークなレンズで広角・標準・望遠の3つのレンズが一つになっている。そしてささやかなマクロ性能と手ぶれ補正と良好な画質が相乗効果となっており、ほとんど完璧なオールラウンドズームとなっている。このようなレンズはそうないだろう。
IMAGING RESOURCE:オールインワンのPROレンズ
- もし、24-200mmなんてオールインワンの設計をしたら汎用性のために鮮明さを犠牲にする必要があるだろう。しかし、心配する必要はないオリンパス 12-100 PROは非常にシャープなレンズだ。
- 絞り開放でもいかなるF値でもフレーム全体で素晴らしい解像力を発揮する。我々のテストでは中央と四隅の解像力の違いはほとんど見られなかった。
- 絞り開放からとても鮮明であるため、絞っても解像力が向上することはほとんどない。
- 100mmでは解像力の微妙な低下があり、F4の四隅では僅かにソフトだ。しかしF5.6に絞ると四隅はシャープになる。
- 全体として100mmはどの焦点距離よりもソフトな描写と言う訳ではない。本当に四隅の小さな部分における描写がソフトと言うだけだ。
- 他のレンズと同様に、より絞り込むと回折現象が発生する。12-100 PROの場合はF11まで絞りこむ頃には回折による解像力低下がある。しかし、解像力の低下は依然として軽微だ。F16-F22の間では顕著になる。
- 12-40 PROと同様、焦点距離によって僅かに変化がある。
- 12-25mmの間では絞りに関わらず一定だ。35-70mmの間でも同様だが、絞ると僅かに改善する。100mmで色収差は非常に少なく絞り値に関わらず一貫している。
- 全ての焦点距離である程度存在するが、非常に最小限なものだ。広角端と望遠端を除くと0.25EV未満と極端に低い。
- 100mmでもう少し減光があるものの、やはり0.5EVを下回っている。
- 12mmの四隅で最も目立つ樽型歪曲を示すが、それでも平均は0.5%だ。18mm以上にズームすると歪曲はごく僅かとなる。
- 25-100mmでは糸巻き型の歪曲を示すが、-0.5%を下回っている。
(*注:以前の他サイトの結果を見るにデジタル補正が適用されていると思われます。) - 高速で滑らか、そして静かにフォーカシングする。
- クラッチフォーカスは誤操作する可能性がある。OM-Dでは設定でクラッチ機能をオフにすることが可能だ。
- マクロ撮影用の設計では無いものの、0.15m、0.6倍(35mm相当)と非常に印象的な接写性能を発揮する。
- 手ぶれ補正は素晴らしい性能で、100mmをシャッタースピード1/4秒で100%成功させた。そして1秒で30%も良好な結果を出している。
オリンパスは驚異的なレンズを作り続けている。12-100 F4 PROは注目に値するレンズだろう。オールインワンで「PRO」画質を望んでいるMFT写真家には打ってつけだ。
光学的に優れており、ズーム全域で凄い解像力を示している。これは非常に難しいことで、他のレンズだと妥協するポイントだ。しかし、1300ドルという高価なレンズであるという一面が存在する。
マイクロフォーサーズシステムで、移動、ハイキング、レンズ一本でカメラバッグを最小化したい場合は12-100 F4 IS PROがそのレンズだ。
Lenstips:設計者に拍手喝采
解像力
MTF lpmm(中央/周辺) | F4 | F5.6 | F8 | F11 | F16 | |||||
12mm | 82 | 70 | 77 | 66 | 65 | 60 | 54 | 39 | 42 | 28 |
25mm | 72 | 63 | 75 | 65 | 64 | 60 | 54 | 38 | 42 | 28 |
60mm | 64 | 53 | 70 | 60 | 64 | 60 | 53 | 39 | 42 | 29 |
100mm | 65 | 55 | 67 | 60 | 62 | 58 | 52 | 39 | 42 | 29 |
中央解像力
- 広角端12mmのパフォーマンスは「revelations(驚くべきこと)」の一文字で表すことが出来る。絞り開放で既に解像力のピークであるだけでなく、それが現在のレコード値に肉薄する、82lpmmを少し超える値です。
- 12mm以外の焦点距離ではこのパフォーマンスよりも劣ってしまう。しかし、それは12mmのパフォーマンスが全く持って素晴らしい結果というだけのことであり、全体的に良好な結果を残しています。
- 絞り開放で問題になることは何もなく、60lpmmをしっかり超えている。そして25mmでは70lpmmを超えており、絞るとさらに良くなる。
- 結果として高倍率ズームにも関わらず、LUMIX G 12-60mmよりも著しく良好である。
周辺解像力
- 広角側のパフォーマンスが素晴らしく、望遠側の解像力よりも良好です。最もとMTFsが弱い焦点距離においても絞り開放から完全に有用な性能です。
- 正直にいうと、光学8倍以上のズームレンズで周辺画質にウィークポイントを持たないレンズを知りませんでした。小さなセンサーを最大限に活用して、実際にこのようなレンズ(ウィークポイントの無いレンズ)を世に送り出したオリンパスに拍手を送りたい。
色収差・球面収差
- 軸上色収差は何の問題もなく、良好に補正されている。
- 倍率色収差は焦点距離が長くなるほど問題にならなくなる。広角側で中程度の倍率色収差が発生するが、いづれの絞り値でも問題にはならない。
- 最も倍率色収差が高くなるのは25mmの時だ。
- このレンズはいかなる焦点距離においても球面収差に関する問題を抱えていないのは明らかだ。
歪曲
12mm | 18mm | 25mm | 35mm | 50mm | 70mm | 100mm | |
JPEG | -1.66% | +0.19% | +0.11% | +0.03% | +0.36% | 0.58% | +0.75% |
RAW | -6.90% | -1.99% | +0.62% | +1.84% | -2.34% | +2.70% | +2.84% |
我々の見解:オリンパスの光学設計者は歪曲の光学補正をあきらめ、その仕事をカメラのソフトウェアに一任している。
コマ収差・非点収差・玉ボケ
- コマ収差は非常によく補正されています。高倍率のF値固定ズームと言う事を考えると本当に評価するパフォーマンスだ。
- 非点収差は3.8%と僅かだ。
- 玉ボケは僅かに玉ねぎリングの跡が出るかもしれません。
逆光耐性
- 多くのレンズで構成されている複雑な光学設計のレンズであるため、このカテゴリでのパフォーマンスには期待していませんでした。
- しかし、広角側においての逆光耐性はポジティブな方向で我々を驚かせました。
- 望遠側ではより大きいフレアが発生するかもしれませんが、長い焦点距離において光源をコーナーに配置する事はそう多くもありません。
オートフォーカス
- 静かで非常に高速であり、E-PL1でもE-M5 Mark IIでもなんの問題もありませんでした。
- 近接から無限遠までの移動時間は0.3~0.4秒という素晴らしい結果でした。
総評
長所
- しっかりとした、防塵防滴の鏡筒
- 素晴らしい中央画質
- 絞り開放からすでに良好な周辺画質
(どの焦点距離においても) - 球面収差の問題が無い
- 軸上色収差は中程度
- コマ収差が小さい
- 非点収差が少ない
- 実用的な逆光耐性
- 静かで高速なオートフォーカス
- センセーショナルな手ぶれ補正
短所
- RAW形式で歪曲が大きい
正直なところ、12-100 PROは私をとても驚かせた。此処まで良好な結果を期待していなかったのだ。高倍率ズームはいづれかの焦点距離においてフレームの周辺部に弱点を抱えた画質であったり逆光耐性に弱いものだが、このレンズはそのような事はありませんでした。そしてこのレンズの設計者には拍手を送りたい。
あなたは広いズームレンジを開放F値固定で、あらゆる焦点距離とF値の組み合わせにおいて上質な画質を得るでしょう。
その上、オートフォーカスは非常に効果的であり、手ぶれ補正は本当によく効きます。これ以上を要求するのは難しいことだ。Good job!
私はこの優れた結果を考慮すると「エディターズチョイス」の評価をこのレンズに与えます。
Mirrorlessons:GF5でも手持ち4秒
- しっかりとした耐候性でどのような状況でも使用できる
- フォーカスリングを望遠側に回すと鏡筒がかなり伸びる
- 最良の結果はF4?F5.6だが、最大絞り値以外は優れたシャープネスを発揮する
- ポートレートレンズでは無いものの、F4と望遠端(100mm)を使えば滑らかなボケを生成する事ができる
- 広角端で15cmの最短撮影距離という性能を持っていますが、自身の影を被写体に作ってしまう為に現実的ではありません
- 手ぶれ補正を内蔵する2つのPROレンズのうちの一つで、これは全ての焦点距離において驚異的な性能を発揮します(E-M1 IIと組み合わせれば、5秒から10秒の手持ち撮影も容易です)
- ボディ内手ぶれ補正を有さないLUMIX GF5では、4秒の手持ち撮影まで可能でした。これはまだ信じられないほどです
M.ZUIKO ED 12-100 F4 IS PROは少なくとも光学性能とパフォーマンスの面で批判するべき点が非常に少ないです。
唯一の注意点はより小さいさなマイクロフォーサーズボディにおいて、快適に使用するには大きく重すぎる事です。OM-Dのようなよりプロフェッショナルな環境で使用されるように設計されたレンズです。
販売価格は1300ドルですが、耐候性に優れた外装、優れた光学性能、柔軟なズームレンジ、F4固定の開放絞り値、高速で静かなAF、そして印象的な手ぶれ補正によって正当化できる金額です。私がシステムを一つの万能ズームとするならば、これは最も理にかなったレンズです。
Focus Numerique:完璧では無いが、非常に優秀
- ズームリングは広く使い心地は良好です。広角端から望遠端へのズームは迅速に行うことができますが、残念ながらズームリングのトルクは重く感じます。それは精度の為には利点でもあるが、ズーミングする上で非常に快適ではありません。
- マニュアルフォーカスリングは非常に狭いです。距離指標が表示され、回転角は制限されています。リングの滑らかさは完璧であり、硬すぎず柔らかすぎません。
- このレンズの光学性能は完璧ではないにしろ、非常に優秀です。広角端12mmにおけるフレーム全域の均一性は欠如していますが、相対的に見ると非常に高水準で纏まっています。広角端では絞る事でシャープネスが低下する傾向にあります。
- 25mmにおいては中央と周辺部とのギャップが少なくなりF値に依存せず一定した描写性能。
- 50mmもF11まで解像力が一定で、強い一貫性がある。
- 100mmは古典的な絞り値と解像力の影響度合いを示す。解像力のピークはF8?F11。
- E-M1 Mark IIの解像力の場合に回折現象を回避するにはF11までの絞り値で使う。
長所
- 換算24-200mmに相当する超汎用性のズーム範囲
- 開放絞りF4固定
- 手ぶれ補正はF4というレンズの明るさを問題としない
- レンズの品質とハンドリング
- 光学的品質
- 低い歪曲収差
- 控えめな周辺減光
短所
- 焦点距離に応じて異なる光学的特性
- 広角における中心と四隅における描写の均一性
IMAGING RESOURCE:対価を支払う価値がある
品質
私がこのレンズを手にしたとき、このレンズがプロレベルのレンズであるとすぐに感じました。ロケーションを選ばない防塵防滴構造に加えて素晴らしいレンズクオリティです。
ズームリングは程よいトルク量を有強いる事が判明しました。誤操作せず、かといって回転させる為に過度の力を必要ともしません。広角端から望遠端まではおよそ90°の回転角で移動させることが出来ます。焦点距離表示は僅かな光でも確認できるような銀白色で印字されています。
フォーカスリングは非常に滑らかに回転します。
E-M5 Mark IIに装着した場合にはフロントヘビーに感じました。それは悪くありませんが、特に小さいレンズでもありません。しかし、その焦点距離とF値を考えると非常に軽量であると言えます。
画質
望遠端における画質は非常に良好です。ズームレンズの性能は広角端や望遠端で極端に低下するものですが、このレンズは私の目で見る限りは少なくとも(低下は)ありません。広角端についても同様です。僅かに気になる周辺部もF8まで絞る事で解消されます。
ただし、広角端12mmにおいて特に口径食が発生します。望遠端では僅かに周辺減光が発生しますが、描写同様に絞る事で解消されます。
ズームレンジ全域でフレアによる問題は確認できませんでした。逆光などのハイコントラストなシーンでは収差が特に目立ちます。広角端でより目立ち、それほどではありませんが望遠端でもありました。極端な発生度合ではありませんが後処理で補正する事が困難です。実際にはデフォルトのカメラ設定で全く表示されません。
ボケの評価は非常に主観的なものですが、私の意見としてこのレンズは心地よいボケを生成し、背景を非常によくレタリングします。絞り羽根は僅か7枚にもかかわらず、非常に気持ちの良い玉ボケにレタリングされます。
オートフォーカス
E-M5 Mark IIとの組み合わせでは、それは速くかつ信頼性のあるオートフォーカス性能を発揮しました。スピーディである事以上にとてもとても静かで非常に素晴らしいです。
動画撮影時にフォーカス音を拾わなくてすみます。手動でフォーカス操作する場合にもフォーカスリングは滑らかであり上手く機能します。
結論
私の好きなところ
- 優れたビルド:耐候性、良質なリング
- 軒並み非常に良好な光学性能
- 驚異的なマクロ機能
- 汎用性の高い焦点範囲
私の嫌いなところ
- 小さいカメラには少し重い
- L-Fnボタンの感触
- フォーカスクラッチの誤操作
総評
このレンズは幅広い撮影状況に対応できる良いレンズです。換算24-200mmの焦点範囲とF4の絞り値は風景やポートレートに非常に適しています。そして、迅速で正確なオートフォーカス、すべての焦点距離でシャープな画質、およびハイエンドの品質で構成されています。
あなたがマイクロフォーサーズ用の高い汎用性のあるズームレンズを探しているのであれば、このレンズがまさにそれだ。このレンズは決して安い価格ではないが、それだけの対価を支払う価値があるレンズです。
近い将来、しっかりとしたラボテストする事を楽しみにしています。
競合レンズ紹介
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II
本レンズと同じく防塵防滴性能を有している上に、望遠側が1.5倍ほど長い高倍率ズームレンズ。さらに35mm判換算で0.44倍の最大撮影倍率を持っているのでクローズアップも得意としている。
ただし、広角側が14mmと風景をワイドに写す場合にはちょっと物足りない。価格的に12-40PROレンズをちょっと足せば買えるので、高倍率ズームが本当に必要かどうかは検討しておきたい。
また、光学手ぶれ補正を搭載する12-100PROはかなり魅力的なので、E-M1、E-M1 Mark IIを保有しているのであれば12-100PROに大きなアドバンテージがある。
望遠端をよく使う場合にもレンズの明るさが違う点が大きく影響されると思われる。価格とサイズに妥協出来るのであれば12-100PROがおススメ。
こちらのレンズを購入する時の注意点がある。旧モデル「I型」には防塵防滴性能やZEROコーティングが施されていないので、購入する場合は型番をよく確かめよう。
LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S.
光学手ぶれ補正を搭載し、「Dual.I.S」対応レンズなのでGX8やGX7 Mark IIユーザーならばおススメできるのはこのレンズ。
光学10倍ズームレンズながら描写が安定している上に、Dual.I.Sによる強力な手ぶれ補正で撮影するシーンを選ばないのは頼もしい。
さらに高速AFで快適なスナップライフも楽しめるので、旅先にはこれ一本で済む。画質に説得力を求めるレンズではないが、十分満足できる性能を持っている。
現在は型番が「KA」という新しいモデルが存在するので、買うならそちらがおススメ。オリンパスのそれよりも1万円ちょっと安いのもGood。
14-150mm F/3.5-5.8 Di III (Model C001)
マイクロフォーサーズの高倍率ズームレンズのカテゴリでは最も安価なレンズがコチラ。純正にこだわりがなく、高倍率に画質やAF性能を求めなければ一つの選択肢。
ただし、パナソニックの14140KAなどと価格が大きく違わないので、もうちょっと足してパナソニック買ってもいいのじゃないでしょうか?と言うこともできる。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
PROレンズとして悩むとしたらこの選択肢。焦点距離はかなり狭くなってしまうが、F2.8の明るさを持っているのでシャッタースピードを稼ぎやすい点はグッド。
特に高感度性能にあまり余裕がないマイクロフォーサーズ機にとって、明るいレンズであることはそれだけで訴求力となる。
また、接写性能が高いので小さい被写体をクローズアップするには良好な性能。
やや気になるポイントとして、ワイド端でレンズの全長が最短とならず16mmあたりでレンズが引っ込むこと。特段それで大きく不便であることはないが、ちょっと気になる(管理人談)
LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.
防塵防滴性能を有するパナソニックの便利な標準ズーム。望遠端がそこそこ長いので14140ほどロングレンジな高倍率が必要なければ、これも一つの選択肢。
LUMIXユーザーには悩めるレンズの一つだが、OMD・PENユーザーにとってはそこまで訴求力があるレンズとは言えないかもしれない。
更新履歴
- 2017.4.4:「海外の評価」項目にIMAGING RESOURCEを追加。前回のインプレッションとは違い、今回はラボテストによる測定がメインですね。100mmのごく僅かな四隅以外は特に指摘する部分もないようで、特に手ぶれ補正に驚いているようです。
- 2017.2.24:Pixelmaniaのレビューを追加。
- 2017.2.15:Lenstipsのレビューを追加・抄訳。エディターズチョイスに選ばれました。
- 2017.1.24:Mirrorlessonsのレビューを追加・抄訳。GF5で手持ち4秒可能だったそうです
- 2017.1.23:デジカメWatchのレビューを追加
- 2017.1.20:ASCII.jp・ITmediaのレビューを追加
- 2016.12.23:フォトヨドバシ 作例を追加しました。
- 2016.12.16:お写ん歩・LensTips作例を追加しました。
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