このページでは一眼カメラ用交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro」の情報を収集しています。
更新情報
- 2018-04-18:ボディ限定でキャンペーンが発表されました。
- 2017.2.15:描写傾向リストと参考サイトにデジカメWatch レビューを追加しました。
- 2017.1.31:The Photoblographerのレビューを追加しました。
- 2017.1.10:IMAGING RESOURCEのレビューを追加しました。
- 2016.12.19:LensTipsのレビューを追加し、一部抄訳しました。
- 2016.12.16:LensTips作例を追加
データベース
レンズの特徴
解像力(中央) | ・F3.5~8で描写が非常に良好 (競合レンズと比べるとやや劣る) ・F5.6で描写のピーク |
解像力(周辺部) | ・F3.5?F8で描写が安定 ・絞り開放から説得力のある画質 |
軸上色収差 | ・完璧では無いものの良好 ・1段絞っても僅かに残存 |
倍率色収差 | ・やや良好 |
球面収差 | ・完璧では無い |
コマ収差 | ・絞り開放で僅かに発生 ・1段絞るとほぼ解消 |
非点収差 | ・良好に補正 (競合レンズよりもやや良好) |
歪曲 | ・RAW…樽型 -0.13%程度 ・JPEG…樽型 -0.04%程度 ・問題にならないレベル |
周辺減光 口径食 |
・減光は絞り開放のRAWで1段程度 ・F5.6まで絞ると減光はほぼ解消 ・1段絞るまでは玉ボケが四隅で欠ける |
逆光耐性 | ・弱い |
お手頃価格で目立った欠点の無い優秀なマクロレンズです。他のレンズには無い最大撮影倍率を誇り、携帯性も良好で深度合成にも対応。
フォーカスリミッターこそついていませんが、AFが高速なのでそこまで気になりません。マクロ以外にも普段使いで「どこまでも寄っていける標準レンズ」として使うのもありでしょう。その最大撮影倍率を活かすためには、レンズが被写体に接触するくらい近寄らなければならない点がマイナス。本格的にマクロ撮影するならマクロライトは準備した方が良いでしょう。
価格も手ごろで画角の使い勝手も良好。手ぶれ補正が搭載されていないので、古いパナソニック機で使用する場合には注意。
レビュー
購入早見表
M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro | |||
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?レンズデータ
レンズ仕様
焦点距離 | 30mm(35mm判換算60mm相当) |
---|---|
レンズ構成 | 6群7枚(DSAレンズ1枚、EDAレンズ1枚、非球面レンズ1枚) |
フォーカシング方式 | ハイスピードイメージャAF (MSC) |
画角 | 40° |
最短撮影距離 | 0.095m |
最大撮影倍率 | 1.25倍(35mm判換算 2.5倍相当) |
最近接撮影範囲 | 13.9 x 10.4mm |
絞り羽枚数 | 7枚(円形絞り) |
最大口径比 | F3.5 |
最小口径比 | F22 |
フィルターサイズ | Ø46mm |
大きさ 最大径×全長 | Ø57x 60mm |
質量 | 128g |
同梱品 | レンズキャップ(LC-46)、レンズリアキャップ(LR-2)、取扱説明書、保証書 |
紹介:普段使いに最適なマクロレンズ登場
レンズ構成は6群7枚と現代のマクロレンズとしてはとてもシンプルな光学設計。しかし、その7枚のレンズのうち、DSAレンズ、EDAレンズ、非球面レンズをそれぞれ1枚ずつ採用して収差を効果的に補正している。
逆に言えば、特殊レンズを贅沢に使用しているからこそレンズ枚数を抑えてコンパクトに出来上がっている。
中・遠景におけるボケはややざわつく傾向があるものの、本分であるマクロから近景についてはふんわりとした柔らかいボケ味を発揮。
フォーカスリミッターなどは搭載されておらず、機能性としては必要最低限。ただしフォーカスブラケットに対応しているので、接写時の被写界深度を補うことが出来る点はグッド。同じマクロレンズの60mmマクロよりも被写界深度が深いので、より幅広い深度を使った表現はこのレンズにしかできないポイントだ。
このレンズの訴求力を決定づけるポイントがバーゲンプライスともいえる価格。新発売ながらマイクロフォーサーズのマクロレンズとしては最安値となる3万円未満で登場した。中望遠マクロほど本格的な操作や使い勝手ではないが、普段使いにも便利な焦点距離なので一つ持っておいても良い感じ。
競合レンズ紹介
LUMIX G MACRO 30mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S.
どこまでも寄っていける標準レンズとして使い勝手も価格もサイズも似ている、ライバル筆頭レンズ。
最大撮影倍率はM.ZUIKO 30mm MACROに及ばないものの、価格の割には光学性能は申し分なくマクロレンズの名に恥じない高描写。特に、AFがマクロレンズの割に高速で、普段使いにも快適なフォーカシングを楽しめるのは大きなポイント。
さらにレンズ内手ぶれ補正を搭載しDual.I.Sに対応しているので、LUMIXユーザーなら訴求力が高い。
LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S. H-ES045
マイクロフォーサーズ用のマクロレンズとしては元祖となる息の長いレンズ。
30mmよりもワーキングディスタンスを長く取る事が出来るので、本格的なマクロとして楽しむのであればこちらの方が使いやすい。
設計がやや古いので解像度やボケ味がG30mmと比べてイマイチパッとしない。Dual.I.Sに対応しているものの、本格的なマクロなら60mmを、お手軽マクロなら30mmをチョイスした方が賢明。
古いレンズだが、Dual.I.Sに対応しているので手持ち撮影での補正能力は高い。
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
ワーキングディスタンスを最も長く確保できる本格マクロレンズの筆頭。
光学性能は確かなパフォーマンスを持っている。さらに、E-M1の深度合成に対応している他、フォーカスリミッターや使い勝手の良いスライド式フードなど便利な機能を備えているのでとっても使いやすい。
鏡筒はちょっと長いがフォーカシングでレンズが前後しないインナーフォーカスタイプなので、取り回しの良さもGood。
AFはそこまで早くないが、リミッターをうまく活用すればそう不満を感じることも少ないだろう。
本格マクロレンズである上に、防塵防滴性能を有しているので撮影コンディションを選ばずにマクロ撮影に臨めるのも良いポイント。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ
個人的におススメしたいのがコチラ。
標準ズームながら35mm判換算で0.7倍程度までクローズアップできるので、本格的なマクロレンズの代わりを十分に果たしてくれる。
マクロ撮影時は43mmの中望遠マクロとなるので、ワーキングディス端を稼ぎやすい点もGood。酷評するユーザーもいるので評価は2分しているが、価格も手ごろで個人的には手放せないレンズ。
防塵防滴で安いと言うこともあって、かなりラフに扱うこともやぶさかでない。
海外の評価
Mobile01
携帯性の高い良好なマクロレンズ
- レンズサイズは57×60mmと非常にコンパクトだ。さらにF3.5のレンズ口径とプラスチック製外装により、重量はわずか128gである。プラスチック製だが、満足いくクオリティの外装だ。
- 前玉は「LUMIX G MACRO 30mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S.」と比べて遥かに小さい。
- オートフォーカスは静かで高速、動体追従にも効果的だ。ただし、ピント距離が長いのでピントが前景や背景に抜けると復帰まで時間がかかる。
- 1.25倍の撮影倍率を備えているが、撮影距離が短すぎて実用的とは言えない。35mm判換算で2.5倍の撮影倍率は魅力的だが、短い撮影距離なので活かせるシャッターチャンスは滅多に無い。
- 「AF/MF切替スイッチ」や「AFリミッター」は備わっていない。全てボディ側で設定する必要があるので少し不便だ。
- レンズマウントは金属製である。製造国はベトナムだ。
- 周辺減光は絞り開放で僅かに影響があるものの、F5.6まで絞ると解消する。
- 歪曲収差は良く抑えられている。
- ボケはとても柔らかく、玉ボケは円形を維持している。
- 遠景解像は絞り開放から四隅まで許容範囲内に収まっている。F16~F22まで絞ると回折の影響が目立ってくるので避けたほうが良いだろう。
- マクロ撮影時はF4~F11の絞り値で隅から隅までシャープな画質である。
- 色収差は悪条件で影響が見られる。1段絞ると大きく改善する。
- レンズフードに対応しておらず、レンズの逆光耐性は完璧と言えない。フレーミング時の逆光には注意が必要だ。
小型軽量で満足いく外装を備えたマクロレンズだ。残念ながら防塵防滴仕様では無く、フォーカスリミッターを備えていない。しかし、製品の位置づけを考えると理解できる仕様である。
高い解像性能を持ち、マクロの撮影距離でも結果は良好だ。色収差の影響が少しあるものの、少し絞れば対処可能だ。
携帯性と画質に価格設定を加味すると非常に競争力のあるレンズだ。常用するマクロレンズとしては良い選択肢かもしれない。
Mobile01:既輕巧又擁有驚人的放大倍率 Olympus M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm f/3.5 Macro 試用報告!
ePHOTOzine:失望しないパフォーマンスを持つレンズ
- 高品質なプラスチック鏡筒である本レンズは128グラムと非常に控えめな重量だ。機材を最小限抑える必要がある場合には理想的なレンズである。レンズの仕上がりはとても素晴らしい。
- レンズフードは存在しない。逆光耐性はフード無しでも申し分ないが、レンズ保護の観点からあっても良かった。
- 電子制御式のフォーカスリングはとても滑らかに動作する。残念ながらピント距離・被写界深度表示は無い。このような小型レンズでは犠牲になってしまうポイントだ。公平を期すために言及すると、これらの機能あなくともマクロ撮影に大きな影響はないだろう。
- オートフォーカスは高速かつ正確であり、確実に捕捉しハンチングは無い。
- 中央解像力はF3.5~F11まで優れている。回折の影響を受けるがF16でも非常に良好であり、F22はまずまずの結果だ。隅の解像力は同等とはいかないが、F3.5~F16まで非常に良好である。
excellent | verygood | fair | |
center | F3.5-F11 | F16 | F22 |
eages | - | F3.5-F16 | F22 |
- 倍率色収差は中央でゼロに近い数値、隅でも1ピクセル未満に抑えられている。ボディ内のデジタル補正が出来ようされているかもしれないが、最終結果としては優れた結果だ。
- 歪曲はー0.01%と実質ゼロに近い数値だ。
- 逆光耐性は優れている。非常に明るい光源でさえコントラストの低下やゴーストの発生はない。
- マクロレンズとしては本当に控えめな価格設定だ。同じような価格設定のレンズとして「LUMIX G MACRO 30mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S.」は存在するが、撮影倍率は本レンズにおよばない。
有用な焦点距離、優れたパフォーマンス、接写性能において面白い選択肢となるレンズだ。コンパクトだがマクロ撮影に役立つ機能(被写界深度指標やピント距離表示)は持ち合わせていない。
しかし、コンパクトで安価という点を重視する場合にはがっかり失望しないパフォーマンスだ。
長所 | 短所 |
|
|
機能性 | |
操作性 | |
パフォーマンス | |
価格 | |
総合評価 |
IMAGING RESOURCE:
解像力
絞り開放で使用しても非常にシャープな結果を得ることが出来ます。この時点では四隅がわずかに柔らかい描写となりますが、四隅以外ではとてもシャープな画質です。
絞り込むと四隅の鮮明度が高まり、F8で最適のシャープネスに達します。F11で回折現象が確認され始めますが、F16まではあまり気が付かない程度です。
色収差
高コントラストの領域においてマゼンダのフリンジを示し、四隅でより目立ちます。残念ながら絞り込んでも改善はしません。
周辺減光・歪曲
四隅が中央にくらべて1/3段ほど暗いですが、大きな問題ではありません。また、F5.6まで絞ると解消します。
歪曲は特に目立ちません。
オートフォーカス
ほぼ無音でAFは非常に高速で、近接から無限遠までを1秒未満で移動します。
フォーカスバイワイヤシステムを使っているため、最大または最小の焦点距離に達した時のハードストップはありません。
LensTips:とても良好な画質
- 金属マウントで後玉は前後に移動しないタイプ。後玉は0.5cmほど鏡筒内部に入り込む形となっている。生産国はベトナム。
- 幅の広いピントリングはプラスチック製で、滑らかかつウェットな操作感を得られるものだ。距離指標は無く、オリンパス特有のマニュアルフォーカスクラッチ構造は省略されている。ピントリングはピントリングの回転速度に依存してフォーカシングに影響する。
- シグマの30mm F1.4 DNやフォクトレンダーの25mm F0.95に近い性能を持っており、M.ZUIKO 75mm F1.8に大きく後れを取らない解像力を持っている。
- 中央の解像力は絞り開放からすでに65lpmmと非常に高い結果に達しており、F5.6で76lpmmの最大値を得ることが出来ます。確かにパフォーマンスは非常に高いと言えるものです。ただし、これは他のマクロレンズの性能よりは劣るものです。
- M.ZUIKO 60mmやLeica 45mmは80lpmmを僅かに上回り、G MACRO 30mmもまた76lpmmに達しています。
- 周辺描写は良好でM.ZUIKO 60mmやG 30mmよりは少し上手です。しかし、より高価なLeica 45mmよりは僅かに劣ります。
- 軸上色収差は絞り開放付近で見つける事が出来ますが、深刻な問題にはなりません。倍率色収差についても同様です。
- フォーカスシフトは皆無で前後の玉ボケに大きな違いはありません。後の玉ボケが僅かに縁取りされており、球面収差の補正が完璧ではない事を示す唯一の兆候です。
- 歪曲についてはこのレンズを使っている間は気にする必要はありません(+0.04%)。パナソニックの競合レンズ(+1.09%)と比べて遥かに良好に補正されています。
- コマ収差は明らかに完璧に補正されていません。絞り開放から1段絞ったまででは、まだ収差を確認する事ができます。これはパナソニックのG 30mmよりも悪い傾向です。
- 玉ボケはコーナーにおいて完璧な円状にはなっていない。周辺減光は絞り開放時に最大で0.98段分の減光がある。F4まで絞ると0.67段分、F5.6で0.3段分まで解消する。
- 最も大きな問題は逆光時の青色のフレアです。絞り開放やその近辺のF値ではぼやけた像ですが、絞り込む事で鮮明になります。光源をフレームアウトさせるとフレアは解消し、コントラストは正常となります。
- オートフォーカスはとても静かであり、高速に動作します。近接から遠景まで0.3秒もかかりません。これはとても優れている結果です。スタジオテストでは一度のミスも発生せず、そして屋外・屋内でのサンプル撮影時において少しの問題もありません。
長所
- 優れた撮影倍率
- 中央の非常に良好な画質
- 四隅の良好な画質
- 穏やかな軸上色収差
- 倍率色収差は小さい
- 歪曲はほとんどゼロ
- 中程度の非点収差
- 口径食は問題にならない
- 静かで高速かつ正確なAF
短所
- 少し大きすぎるコマ収差
パナソニックG 30mm MACROと同程度の価格で立派な競合レンズだ。どちらのレンズも中央や四隅で非常に良好な画質を提供します。パナソニックのレンズは僅かに解像力が高いですが、絞り込むことで描写は似たような安定性があります。
パナソニックは光学手ぶれ補正を搭載し、オリンパスは古典的な等倍撮影能力よりも高い最大撮影倍率を持っています。
要約すると、このような広い選択肢を持つシステムがあって非常にうれしい。非常に近いパラメーターのレンズで選り好みする事ができるので、あなたのニーズに完璧な方向でレンズを選択する事ができる事を意味します。
PhotographyBlog:コストパフォーマンスが良い
優れた光学性能を持ち、絞り開放から非常に良好で中央の解像力がF5.6でピークに達します。隅も非常にシャープでF5.6~F8の間でもっとも解像力が高まります。
歪みは実質的に皆無で色収差は非常に良好に補正されています。周辺光量落ちはF3.5の開放ではあるものの、絞り込むと解消します。
フォーカシングは迅速かつほぼ無音で一般的な使用では特に目立ちません。
唯一の欠点は強い光源によるフレアが発生する点で、レンズフードが無い点も残念です。
小型軽量で手頃な価格のマクロレンズは明らかにコストパフォーマンスに優れています。LUMIX 30 MACROは手ぶれ補正内蔵の強力なライバルですが、やや重く、そして高価なレンズです。
造り | 4点 |
個性 | 3点 |
使いやすさ | 5点 |
画質 | 4.5点 |
コストパフォーマンス | 4.5点 |
総評 | 4.5点 大いに推奨 |
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