- 2016.12.28:E-M1 Mark IIの作例(最下部)を追加
ここは石川県小松市にある那谷寺。
細かい事は抜きにして、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4 PROの試し撮りを目的として訪れた。
購入初日はとりあえず試写、2日目はとりあえずスローシャッターとやってきたので、3日目はとりあえずこのレンズ一本で那谷寺を歩いてみた。
念のために持ってきたフルサイズ一眼をほぼ使わず、このカメラとレンズで満足いく撮影が出来たと思う。むしろこのレンズがあった為に満足いく結果が得られたのだと思う。
一人歩きの観光なら凄く頼れる相棒です。
写真
曇天模様であっても、基本的にE-M1の最低感度ISO 200(拡張感度Lは時と場合で使い分ける)に固定で問題無く撮影できる。
よって高感度に弱いとされるマイクロフォーサーズにおいても、その欠点をさらけ出す事無く撮影を続行出来た。
例えそれが望遠側であったとしても、中景や遠景であれば問題ないと言っても良い。
特に今日は無風だったため、楓の揺らめきも無くスローシャッターで難なく撮影できた。
近接のクローズアップでも手振れする気配がない。
ボケも高倍率ズームにしては騒がしくなく、好感の持てるボケ味。後から撮った写真を確認しているとボケが騒がしくなっているカットが無い。私の気のせいだろうか…、単焦点のとろける様なボケとまでは言わないがとても嫌味のないボケ。
前回同様に、隅から隅まできっちり解像している。絞る必要あったかな?と疑問視してしまうほど。1600万画素のE-M1でこれだけカリカリ描写となるので、2000万画素のE-M1 IIならどうか。
E-M1 Mark IIの2000万画素でこのレンズの光学性能を回収しきる、という感じだろうか。将来的に2400万画素とかになると単焦点との差が明確になってくるかもしれない。とは言えそれはまだ先のお話。
前回「シャープネスが太く、繊細な描写ではない」とコメントしたものの、それはオリンパスの味付けだった。RAWファイルからlightroomで現像する際にシャープネスの太さを調整すれば大きく緩和される。
ボディのシャープネス設定を一度調整しないといけないな…。
望遠端の100mmはやはり他のズームレンジと比べてやや周辺部と四隅が甘くなる。
と言っても、気になるレベルでは無く等倍で確認すると四隅が甘いかな、と感じる程度。
奥のコントラストが低いと感じるのは小雨によるコンディションで霞が発生している為。
屋内の暗いシーンでのワンショット。12mmの広角端で絞り開放F4、ISO 400でSSが0.5秒。
手振れはナッシング、しかもミステイク無の一発OK。手振れ界の法則が乱れますな。
四隅の流れも無く、マイクロフォーサーズで被写界深度も深いのでパンフォーカス成立している。混雑して三脚なんぞ立てる事が出来ない状況でも半秒のチャンスさえあればモノにしてしまう、そんなレンズが12-100 PRO。
薄暗いトンネルの中、言ってしまえば近景における手持ち1秒。
細かい事言うと四隅がやや流れているので、回転ブレが発生している模様。とは言えパッと見問題ないでしょう?
広角でもしっかり寄れば背景ぼかせるので、困ったら接写。
ボケが小さいマイクロフォーサーズとか言われますけども、寄るなり望遠使うなりでどうとでもなりますな。
立ち入り禁止で近くまでいけない場所。おじいちゃんが堂々と侵入してましたけどね!
広角から望遠まで使える高倍率ズームなので、フットワークで頑張れないシーンでも撮り逃す事が無いのは大きな強み。
しかもコンディションが雨模様なのでレンズ交換もできないシーンではありがたい。
それでいて高倍率とは思えない描写性能なので、高倍率ズームという事を忘れさせてくれる安心感。
換算100mmの中望遠でのクローズアップを1/20秒。手振れは一切なし。
なんかホールディングが上達したかのように錯覚してしまうほどの安定感。これがE-M1 IIになったらどんな世界が待ってるんだ…。
場所を変えて山中温泉。
換算100mmとなる50mmの焦点距離で手持ち1/5秒によるスローシャッターで川の流れを表現できる。
これぞこのレンズの醍醐味。
さすがにこの領域になってくるとミスカットも発生する、割合的には10%以下。失敗したな、と思ったカットでも意外と成功している事が多かった。
思いのほか難しかったのが、広角端での接写におけるスローシャッター。
中景や遠景では1秒でも2秒でもいけそうだったが、この撮影距離だと1/10秒も難しいかも。
近接のスローシャッターが難しいと言っても、低感度を維持した(手ぶれを抑える)通常の撮影では全く問題にならない。
ISO200?400、使って800までで事足りる印象。
曇天・雨天でここまでイケるので、あとは夜景や暗所での撮影くらいだろうか。
今にも雨が降りそうな天気にも関わらず、拡張感度ISO100でF8まで絞り込んで撮影。
風さえなければ全く問題なし。
唯一の欠点はそこに動く被写体が入る場合。
こればっかりはスローシャターを使い辛い。被写体が止まっていれば問題ないものの、例えば家族旅行ではしゃぐ我が子を撮影するなんてシーンでは高感度を使うか明るいレンズを意識せざるを得ない。
まとめ
このレンズの良いところ
- 広角12mm(換算24mm)と望遠100mm(換算200mm)をカバーする高倍率
- 高倍率なのに単焦点のような光学性能(1600万画素での解像力に限って言うと)
- 高倍率なのにボケに嫌味が無い(個人的に)
- 化物じみているシンクロ手ぶれ補正(手振れの法則が乱れる)
- 防塵防滴でコンディションを選ばない撮影スタイル
- フードの内側まで被写体に寄れる意味不明な接写性能
- フードの「China」文字が消えた
この辺を分かって買うようなレンズだと思うので、期待に応えるスーパーレンズと思って間違いなし。ぶらり一人旅はこのレンズを付けっぱなしでOK。
あ?、まだ逆光性能試していないな…。後日イルミネーションを撮ってみます。
(追記:逆光耐性・点光源について複数枚カットを集めた記事を掲載しました)
動く被写体に関しては後述を参照。
このレンズの悪いところ
- 特になし
- あえて言えばサイズ
- あえて言えばF値(明るさ)
- あえて言えば価格
- あえて言えば望遠端の周辺部
買う前に予測がつく点ばかりで、このポイントさえ押さえておけば後悔しないと思う。それくらいナイスなレンズ。
望遠端の周辺描写はやや甘いものの、そこまで気になる落ち込み方でも無し。換算200mmで中景・遠景を撮影して細部をトリミングしたり等倍鑑賞するつもりがなければ無視できるレベル。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROからの乗り換えとは考えない方が良い。特に家族の記録写真などシャッタースピードを要求されるシーンが多かったり、なるべく携帯性を重視したい時には12-100 PROはおススメできない。とは言え「どちらかしか選択できない」という状況ならば12-100 PRO推しで、表現の幅やシャッターチャンスが圧倒的に広いというのが主な理由となる。
「動体や遠く離れている被写体を撮る」という明確な目的が無い限り望遠の大口径ズームであるM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROの使用シーンも減ると思う。旅行中における大抵のシーンでは100mm(換算200mm)あれば事足りる事が多い。
どちらかと言えばM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIの最終形態と思った方が良し。言ってしまえば高倍率ズームのラスボス。究極の便利ズームレンズ。
ずいぶんと褒めちぎる結果となってしまったが、あとは「マイクロフォーサーズの高倍率に13万円」という点に折り合いを付ける事ができるかどうか。個人的にはその価値は十二分にあったと言っても過言ではない。おそらく、E-M1 IIが登場したらほぼ付けっぱなしになると思われるのがこのレンズ。
APS-Cやフルサイズで高倍率ズーム使うよりも解像するのじゃないかなぁと感じさせてくれるほど凄いレンズ。当サイトのレンズ一覧表から各レンズの作例を確認できるので、試しにフルサイズ・APS-C用の高倍率と比べてみてください。
購入早見表
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M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO | 新品・中古情報 |
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レンズフード LH-76B | 新品・中古情報 |
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レンズケース LSC-0914 | 新品・中古情報 |
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レンズキャップ LC-72C | 新品・中古情報 |
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