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50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編

タムロン「50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD」のレビュー第一弾を公開。手振れ補正の効き目が少し薄く感じるものの、タムロンらしいビルドクオリティとAFを実現しているようです。

簡易的なまとめ

安価で軽量なな「70-300mm F4.5-6.3 Di III RXD」と比べて広角側が広く、最短撮影距離が短く、超高速のVXD駆動のAFや光学手振れ補正に対応しています。光学性能を加味しなくとも機能面で大幅にアップグレードしています。ほぼ倍の価格設定は悩ましいところですが、50-400mmほどのサイズ・重量は許容できず、70-300mmよりも柔軟性のある望遠ズームを探してる際に面白い選択肢になると思います。

Compared to the inexpensive and lightweight 70-300mm F4.5-6.3 Di III RXD, it has a wider wide-angle side, shorter minimum focus distance, ultra-fast VXD-driven AF and optical image stabilization. Even without taking optical performance into account, this is a significant upgrade in terms of functionality. The almost doubled price tag is troubling, but it is an interesting option when you are looking for a telephoto zoom that is not as large and heavy as the 50-400mm, but more flexible than the 70-300mm.

50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDのレビュー一覧

まえがき

2024年夏に発表したタムロンのあたらしい望遠ズームレンズ。従来の「70-300mm F4.5-6.3 Di III RXD」と同じ開放F値を備えつつ、広角側の焦点距離が「50mm」まで拡張。「50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD」と比べると望遠側の焦点距離が短いものの、小型軽量で携帯性の良い便利ズームに仕上がっています。

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  • 発売日:2024年6月27日
  • 予約開始日:2024年6月6日
  • 希望小売価格:154,000円 (税込)
  • カメラのキタムラ:118,800円
  • マウント:ソニーE
  • フォーマット:フルサイズ
  • 焦点距離:50-300mm
  • レンズ構成:14群19枚
    ・XLDレンズ 2枚
    ・LDレンズ 2枚
  • 開放絞り:F4.5-6.3
  • 最小絞り:F22-32
  • 絞り羽根:9枚 (円形絞り)
  • 最短撮影距離:0.22m (WIDE) / 0.9m (TELE)
  • 最大撮影倍率:1:2 (WIDE) / 1:3.1 (TELE)
  • フィルター径:Φ67mm
  • 手ぶれ補正:搭載
  • テレコン:-
  • コーティング:BBAR-G2・防汚
  • サイズ:Φ78mm×150mm
  • 重量:665g
  • 防塵防滴:対応
  • AF:VXD
  • 手ぶれ補正:搭載
  • その他機能:
    ・AFボタン
    ・Tamron Lens Utility

レンズサイズは同社の70-300mmや70-180mm G2と同程度。50-400mmと比べると一回り小さく、軽く、携帯性・収納性に優れた望遠ズームレンズ。三脚リングや三脚座には対応していませんが、必要ない程度の重量と言えるでしょう。70-300mmと同程度でありながら、50mmを利用可能なうえ、VXD駆動による高速AFや光学手振れ補正の安定性を実現しています。

価格のチェック

汎用性の高い300mmズームとして魅力的ですが、70-300RXDと比べて販売価格はほぼ2倍。衝動買いするには高すぎ、70-180mm F2.8 G2に近い値付けとなっています。サイズが問題なければ、数万円足すことで50-400mmも視野に入ってきます。悩ましい価格帯のレンズですが、携帯性と利便性を考慮すると替えの利かない選択肢に違いなし。

  • 希望小売価格:154,000円 (税込)
  • カメラのキタムラ:118,800円

外観・操作性

箱・付属品

タムロンらしい白を基調としたデザインの箱。マウント部と同じように箱の底面にルミナスゴールドのカラーを採用。レンズ本体は段ボールの仕切りで前後を固定された状態で梱包。レンズ本体の他に花形レンズフードと説明書、保証書、シリアルナンバー記載のシールが付属しています。

外観

ぱっと見た外観は一眼レフ用のSPシリーズとよく似ていますが、他のタムロンDi IIIシリーズと同じくプラスチック製の外装を採用。ミラーレス用レンズは競合他社もプラスチック製の外装を採用するメーカーが多く、特に違和感はありません。安っぽさは感じず、しっかりとした質感に加えて、旧デザイン「70-300mm F4.5-6.3 Di III RXD」と比べて傷や指紋に強くなっているように見えます。

ズームリングとフォーカスリングはどちらもゴム製カバーを装着。リング表面に粘性は感じず、ゴミの付着は少ないと思われます。外装の文字は全てプリントで、エッチングなど芸が細かい加工は無し。この辺りはタムロンらしく割り切った感があります。ちなみに「設計 日本」「製造 ベトナム」と記載を確認。
Di IIIシリーズの新世代らしく、USB-Cポートを搭載。パソコンやスマートフォンと接続することで、レンズのファームウェアを更新したり、カスタマイズすることが可能です。ただし、カスタムスイッチは搭載していないので、できることは限られています。ズーム操作で伸びる内筒もプラスチック製。継ぎ目が目立たない綺麗な作り。内筒を伸ばした際のがたつきは全くありません。

ハンズオン

70-300mm RXDと比べると重いですが、出来ることを考慮すると許容範囲内に収まっています。やはり50-400mm VXDよりも一回り小さいため、日常的に使う望遠ズームレンズとして最適。質感は安っぽくないものの、プラスチック感は否めません。三脚リングに対応しないため、レンズ先端からマウント付近まで外装はプラスチックパーツを使用しています。

前玉・後玉

前玉は防汚コート処理されているので水滴や油汚れが付着した際にメンテナンスが(比較的)容易。とは言え、何らかのダメージが予想できるシーンでは保護フィルターを装着するのも一つの手。フィルター径は従来通り67mm径を採用しているので、タムロンDi IIIシリーズを揃えているのであれば所有している人も多いはず。他のレンズとND・C-PLフィルターを使いまわしやすいのもGood。

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金属製のレンズマウントは4本のビスで固定。後玉は固定されておらず、ズーム操作によって前後に移動します。望遠側へズームすると、連動して後玉が前方へ繰り出します。マウント周囲は防塵防滴用のゴムシーリングあり。

フォーカスリング

ゴム製フォーカスリングをマウント側に搭載。タムロンDi IIIシリーズは前方にズームリング、後方にフォーカスリングを配置する製品が多く、ソニー純正と異なる配置なので慣れが必要。リングは適度な抵抗で滑らかに回転します。ソニー純正のゆるゆる過ぎるリングと比べると僅かに重め。

フォーカス操作のストロークは初期設定でノンリニア(回転速度に応じて変化する)ですが、ゆっくり回転しても全域のストロークが180度未満で、素早く回転すると45度程度とストロークが非常に短い。この状態で正確なMFは難しいと思われるので「TAMRON Lens Utility」を使用して「リニア 90/180/270/360」のいずれかに設定変更するのがおススメ。

ズームリング

フォーカスリングと比べると、少し幅の広いゴム製ズームリングを搭載。適度な抵抗で滑らかに回転します。初動から引っかかるようなポイントは無く、90度未満のストロークで素早く滑らかに操作可能。

レンズフード

プラスチック製のシンプルなレンズフードが付属。しっかりとした作りですが、フィルター操作窓やボタンを使用したロック構造などはありません。逆さ付けも可能。

装着例

α7R Vに装着。広角・標準ズームと比べると大きめですが、それでも望遠ズームの中では比較的小型軽量。50mm始まりの便利なズームレンズであることを考慮すると、許容範囲内。

AF・MF

フォーカススピード

最近のタムロンレンズらしく、VXD駆動のAFを利用可能。最短撮影距離から無限遠まで電光石火の合焦速度を実現しています。RXD駆動のレンズと比べても違いを体感しやすいはず。特にAF-C時にとても高速。

ブリージング

作例はまだありませんが、広角側でわずかに目立ち、望遠側は良く抑えられているように見えます。

精度

α7R Vとの組み合わせで問題ありません。

MF

前述したように、初期設定ではフォーカスストロークが非常に短いので微調整が難しいです。

まとめ

安価で軽量なな「70-300mm F4.5-6.3 Di III RXD」と比べて広角側が広く、最短撮影距離が短く、超高速のVXD駆動のAFや光学手振れ補正に対応しています。光学性能を加味しなくとも機能面で大幅にアップグレードしています。ほぼ倍の価格設定は悩ましいところですが、50-400mmほどのサイズ・重量は許容できず、70-300mmよりも柔軟性のある望遠ズームを探してる際に面白い選択肢になると思います。肝心の光学性能は現在チェック中。50mm側で全体的にシャープで、300mmでも中央はシャープな結果が得られています。接写時は周辺の解像性能が低下しているように見えますが、その反面ボケは良好。一般的な70-300mmよりも焦点距離が拡張しているものの、これと言ったデメリットはありません。敢えて言えば光学手振れ補正の効き目が期待していたよりも低い。300mmを使った遠景の撮影で1/60秒は失敗する確率が高い。つまり補正効果は三段に及びません。光学手振れ補正を分離したいところですが、その手段がないのは残念。

購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrに掲載

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