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撮影倍率の高い「RF15mm F2」「RF12mm F2.8」を想定したような光学系の特許出願

2023年7月28日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。接写性能に優れたフルサイズ用の広角単焦点「RF15mm F2」「RF12mm F2.8」を想定したかのような実施例をいくつか含んでいます。

概要

  • 【公開番号】P2023104029
  • 【公開日】2023-07-28
  • 【発明の名称】光学系およびそれを有する撮像装置
  • 出願日】2022-01-17
  • 【出願人】
    【識別番号】000001007
    【氏名又は名称】キヤノン株式会社
  • 【課題】広角レンズにおいて、小型軽量で、最至近距離撮影時において高い撮影倍率を得ることが可能でありながら、フォーカシングによる収差変動を抑えた高い光学性能を有する光学系を提供する。
  • 【背景技術】
    【0002】
    近年、撮像装置に用いられる広角レンズにおいて、レンズ全体が小型でありながら、最至近距離撮影時において高い撮影倍率を得ることが可能なレンズが求められている。また、無限遠から最至近へのフォーカシングに際し、高い光学性能を有するレンズが求められている。
  • 【0003】
    広角レンズにおいて、最至近距離撮影時において高い撮影倍率を得るためには、フォーカスレンズ群の移動量を大きくする必要があり、レンズ全体の小型化が困難になる。フォーカスレンズ群の移動量を小さくするためには、フォーカスレンズ群の屈折力を強くする必要があるが、無限遠から最至近へのフォーカシングに際し、高い光学性能を有することが困難となる。

実施例1

  • 焦点距離:14.83
  • F値:2.91
  • 半画角:52.03
  • 像高:19.00
  • 全長:105.19
  • バックフォーカス:10.83
  • 撮影倍率:~0.5

実施例2

  • 焦点距離:14.70
  • F値:2.06
  • 半画角:52.27
  • 像高:19.00
  • 全長:110.00
  • バックフォーカス:12.16
  • 撮影倍率:~0.25

実施例3

  • 焦点距離:12.47
  • F値:2.83
  • 半画角:56.72
  • 像高:19.00
  • 全長:90.60
  • バックフォーカス:10.19
  • 撮影倍率:~0.25

実施例1は「16mm F2.8」ですが、既存の「RF16mm F2.8 STM」とは似ても似つかぬ光学系の単焦点レンズに関する特許となっていますね。比較して大きなレンズではあるものの、0.5倍の高い撮影倍率に対応している模様。
実施例2は15mmの超広角をF2の大口径でカバーしつつ、0.25倍の撮影倍率を実現。これは既存レンズにはない面白そうなレンズですが、今のところ実現するかどうかは不明。
実施例3は12.5mmと焦点距離が短く、広い画角をF2.8でカバーしています。にも関わらず光学系の全長は100mmを下回っており、携帯性の高い12mmレンズとなりそう。

どのレンズもL1レンズ群は固定で、L2レンズ群を前後させるインナーフォーカスを採用している模様。登場を期待するのであれば「15mm F2」「12mm F2.8」あたりですが、どちらもフルサイズ用としては像高が足りておらず、歪曲収差補正時に隅を引き延ばす前提の設計に見えます。これがLシリーズとなるのか、無印のレンズを想定しているのかは不明。また、商品化前に公開された特許出願が実現する可能性は低いので過度な期待は禁物。

参考:RFマウントレンズ

RF ズームレンズ
RF 単焦点レンズ
RF-S レンズ

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