ニコン「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G」のレビュー第二弾を公開。Z 8で恒例の解像チャートを使ったテスト。少なくとも近距離ではZ 40mm F2よりも良好で、特に周辺や隅の画質が安定しています。
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8Gのレビュー一覧
- ニコン AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G レンズレビュー 完全版
- AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G + Z 8 レンズレビューVol.6 周辺減光・逆光編
- AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G + Z 8 レンズレビューVol.5 諸収差編
- AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G + Z 8 レンズレビューVol.4 ボケ編
- AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G + Z 8 レンズレビューVol.3 遠景解像編
- AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G + Z 8 レンズレビューVol.2 解像チャート編
- AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G + Z 8 レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
解像力チャート
撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:Nikon Z 8
- 交換レンズ:AF-S NIKKOR 50mm f1.8G SE
- パール光学工業株式会社
「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」 - オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- RAW出力
- ISO 100 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
テスト結果
絞り開放のF1.8からF2.8くらいまでは細部の解像性能がイマイチですが、F4まで絞ると中央は大幅に向上します。周辺や隅もF4から伸びはじめ、F5.6まで絞れば中央に近い結果を得ることが可能。いっぽう、開放付近の周辺や隅は非常にソフトな画質のため、シャープな結果を得るには少なくともF2.8、できればF4まで絞りたいところ。
中央
F1.8からまずまず良好で、Z 40mm F2と比べると球面収差が少なくコントラストが良好。細部の解像性能は伸び悩みますが、F2.8-4で大きく改善します。
周辺
中央と比べると絞り開放付近が低解像・低コントラストのソフトな画質。解析ソフトで検出できないくらいに緩々のため、シャープな結果を得るには少なくともF2.8、できればF4まで絞ると良好な結果を得ることができます。絞りで大幅な改善が期待できるぶん、Z 40mm F2よりも良好。
四隅
周辺部と同じく絞り開放が緩め。ただし、周辺部と比べて過度な落ち込みではなく、F2.8からF4にかけて大幅な改善を期待できます。F4まで絞れば4500万画素のZ8でも良好で、さらにF5.6~F8でより良い結果を得ることが可能。
数値確認
F値 | 中央 | 周辺部 | 四隅 |
F1.8 | 2946 | ||
F2 | 2952 | ||
F2.8 | 3471 | 3122 | 2731 |
F4 | 4665 | 3765 | 3190 |
F5.6 | 4646 | 4284 | 4075 |
F8 | 4212 | 4401 | 4159 |
F11 | 3965 | 3739 | 3924 |
F16 | 3482 | 3399 | 3358 |
実写確認
Z 40mm F2との比較
絞り開放はどちらもソフトで、F4くらいまで絞ると大きく改善します。50mm F1.8GはF8くらいまで絞ると周辺部や隅まで良好となるものの、40mm F2は絞っても周辺部や隅が伸び悩みます。補足しておくと、同じ像倍率(定型チャートを同じサイズで撮影)の場合は40mm F2のほうが撮影距離が短く、やや不利な環境であることは否定できません。
まとめ
絞り開放からシャープな画質とは言えませんが、少なくとも中央は思っていたよりもコントラストが良好。さらに絞ればシャープな画質が期待できます。周辺部や隅の画質も極端に悪くなく、F2.8-4まで絞れば良好な結果。低価格な50mm F1.8としては健闘しているのではないかと思います。少なくとも接写時はNIKKOR Z 40mm F2よりも解像性能が良好。Z 40mmは球面収差の変動が大きく、50mm F1.8Gよりも緩めの画質となります。絞れば中央は改善しますが、周辺部や隅は50mm F1.8Gのほうが良好。このため、接写する機会が多かったり、DX(APS-C)で使用する場合もあるのなら50mm F1.8Gも面白い選択肢と言えるでしょう。
ただ、40mm F2の緩い画質も「柔らかい描写」と言えなくも無いので、これはこれでアリ。接写時に切れ味のある画質が欲しいのなら50mm F1.8G。
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作例
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