前回はレンズについての外観や機能をさらっと書いてみたので、今回はK-1に取り付けての実写で感じた点をあれこれと。
K-1に装着するとレンズが軽量な事もあってハンドリング性は上々。現行で純正フルサイズ対応といえばDA★300・200やDFA★70-200・150-450mmなど大ぶりでヘビーなレンズばかり。それを考えるとこういうレンズが一本あっても使い分けは十分に出来る。
実写
ボケを作りやすい
アタリマエな話、APS-Cと同じ画角ではフルサイズの方がボケがより大きい。
フルサイズのメリットは「安レンズでもボケを大きく作る事ができる」という点がまずひとつ目。(相応にパンフォーカス狙う場合にはガッツリ絞る必要があるけども)
300mmや450mmの望遠・超望遠となってくるとAPS-Cの恩恵を大きく感じる事もあるが、このくらいの画角であればフルサイズの方が使いやすい。
レンズの粗が見えにくいが…
この手の安ズームでは、K-3系のようにAPS-C高画素機で使うと細部の粗が目立つ事が多い。レンズの性能をセンサーの解像力が大幅に上回ってしまっている為だ。
ところが、PENTAX K-1ではレンズ性能を程よく引き出すので中央の解像は良好に感じる。カリカリシャープというわけではないものの、実用上問題ない。ただし、APS-Cでは使わない周辺のイメージサークルについては描写がやや甘い上にカラーフリンジが大きく発生する。
さらに、ボケは大きく作ることが出来るもののボケが固くて非常に目立つ。
特にピント面前後において2線ボケがハッキリとクッキリと発生する。やや煩く感じられるシーンが多かったので、望遠端で背景を吹き飛ばすなりやや絞って安定させるなりしたほうが良いかもしれない。
明瞭コントロールをマイナスに振ってみると効果があるかな?と思ったものの、2線ボケの解消にはならなかった。
この写真はライブビューを使ったローアングルで撮影。オートフォーカスはお世辞にも速いとは言えないが全く使い物にならないタムロンのA01よりは使い勝手が良い。
マクロモードは便利
マクロモードの切替はやや面倒なものの、カバー出来るフォーカス範囲が広がるのは便利。特にブンブン飛び回る蜂を撮影する場合、望遠ズームの最短撮影距離を割り込む場合も多い。
その場合、マクロモードにしておけば手前の守備範囲が広がるので咄嗟のチャンスに強くなる。
しかし、以前の教訓が活かせずシャッターを1/1000に設定したTAvで撮影してしまい被写体ブレに。
この場合はもう1段早くてもいいくらい蜂は早かった…。
望遠端では被写界深度がかなり浅くなるので、2線ボケはそこまで目立たない。
浅い被写界深度を絞って調整しているという事もあるのだけども。
望遠端で近寄れば背景をすっ飛ばして単色に出来るので便利。
純正レンズと違って収差や歪曲のデジタル補正が効かないのが地味に痛い。カラーフリンジはLightroomなどで処理しなければならない点がマイナスポイント。
と言っても激しくカラーフリンジが発生するシーンも少なく、細かいこと言わなければ十分使える。歪曲もあまり目立たないので被写体によってはノー処理でOK。
もう一つ言えば、シグマレンズに共通しているレンズ情報が記録されない点もマイナス。焦点距離はわかるのだが、レンズ毎に写真を管理出来るライブラリソフトでは不便さを感じる。
カラーフリンジを処理する手間を考えてかF8まで絞っている写真が多いことにあとから気がついた。
オートフォーカスの駆動にはボディモーターを使用するタイプであり、K-1のボディ駆動では爆速ではないものの快適な部類のレンズ。
のんびりしている猫ならスイスイとピントが合う。ただし、被写体が僅かに動いていると最後の微調整でフォーカスが前後して微調整をし始める。
あまり開放で撮っていなかったので、最後に野良猫を開放でパチリ。
やっぱり後ボケやや固いかなぁと言う気がしないでもないが、これも細かいこと言わなければ全然OK。
色が滲んでいる「いかにも安ズーム」的な印象は受けず、「わりと普通に使える安ズーム」として扱う事が出来ると思う。
オートフォーカス音はギャンギャン鳴るので、野良猫がやや鬱陶しそうにこちらを見ていたが…。
追記分
遠景ではやや力不足感が大きい
遠景描写は拡大・トリミングをしない限りはあまり不満無い。
但し、手持ちのDA★300mmと比較してしまうと解像力には雲泥の差がある。★単焦点と安ズームを比較する時点でお話になっていないのだが…。
ボケを必要としない分野においてはセンサーサイズが大きいメリットが薄く、高感度域を使わない日中では特にそう感じる。(マイクロフォーサーズでも良い)
小さく写ってしまう野鳥などでトリミングをしたい時には不向き。とは言え、やはりもうちょっと距離を稼ぎたい時には素直にクロップして使える。
30mくらいの距離で300mmの開放ではこんな感じ。トーンを弄ると背景の2線ボケが強調される。
やや作業服なおっちゃんの肩あたりにカラーフリンジが発生していたものの、Lightroomで綺麗サッパリ消える程度。
雰囲気重視で細部なんて気にしない!って事なら全然アリ。
絞り全開で背景を飛ばすにはかなり便利な安レンズ。
反面、中景以上離れると絞ってもやや細部の表現が苦手。ディテールを重視する場合はマクロ・近景まで。
まとめ
Good
- 価格の割に色収差補正が良好
- 最短撮影距離が短い(マクロ時0.95m)
- 最大撮影倍率が高い(マクロ時0.5倍)
- マクロ時の描写は良好
- 軽い(550g)
- 安い
Bad
- フィルター枠が回転する
- ズーム・ピントリングがスカスカ
- マクロモード突入・離脱時の操作
- 遠景ではディテールの解像力が不足
APO仕様のレンズだけあって、この価格帯にしては上手く色収差を処理している感じを受ける。マクロモードで近接撮影が多いのであれば、その細部を描写する能力はAPO無しやタムロンA17よりも上手。通常撮影においても細かい部分が気になる方であればAPO仕様を買っておくと良いだろう。
とは言え、周辺描写に関しては絞り開放付近ではやや甘い感じを受ける。パープルフリンジなどカラーフリンジをカメラボディで処理出来ない点からも、ボケが必要なければしっかりと絞って撮影した方が後処理を過剰にしなくても使える。また、高級レンズほどのシャープさは絞っても出てこないので感動するような鮮明さは手に入らない。
マクロモード時の最大撮影倍率0.5倍・最短撮影距離0.95mと言うのは便利なもので、ちょっとしたマクロ撮影が出来るのも面白い。300mmのテレマクロとなるために、手振れや被写界深度の管理は気難しくなるものの小さい物を撮る能力が強いと撮影機会が増える。
マクロモードのオンオフがやや面倒なものの、レンズの重量が550gとあって携行性に優れているのはさらにプラスとなる。「普段は広角や標準レンズを使用しているが、システムとしては望遠レンズも揃えておこうかな」という時にカバンの空いたスペースに突っ込んでおける大きさだ。
このレンズに満足出来なければ、次に控えているのは10万円クラスの単焦点レンズと20万円クラスの最新ズームレンズとなる。なかなかモドカシイ所なのだが、ここで妥協するかK-1に相応しいD FAレンズを買い揃えるかの選択だ。
実際、使ってみて感じたのは「思ったほど悪く無い。」という印象で、割り切って使うのであればこれでOK。
個人的に機材道楽な部分もあるので、やはりD FA★70-200を買っちゃうかも。とは言え、他のシステムでEF70-200 IS IIだったり、40-150PROを使っているのでそこまで優先順位も高くなかったり。
APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO
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