このページではキヤノン「EF-S24mm F2.8 STM」の外観・AFに関するレビューを掲載しています。
まえがき
レンズのおさらい
レンズ概要
- 2014年11月13日?発売
- 商品ページ
- データベース
- 管理人のFlickrアルバム
- レンズ構成:5群6枚
- 開放絞り:F2.8
- 最小絞り:F22
- 絞り羽根:7枚(円形絞り)
- 最短撮影距離:0.16m
- 最大撮影倍率:0.27倍
- フィルター径:φ52mm
- レンズサイズ:φ68.2×22.8mm
- 重量:125g
2014年に登場したEOS APS-C一眼レフに対応する単焦点レンズ。
比較的新しいキヤノン製APS-C用レンズであり、これ以降のレンズは「EF-S 18-135mm USM」「EF-S 18-55mm STM(後期型)」「EF-S 35mm F2.8」のみ。以降はミラーレスへと軸足が移り、新レンズ登場の兆しはありません。
EF-S 24mm F2.8 STMは重量が僅か125g、全長22.8mmと非常に短く、いわゆる「パンケーキレンズ」と呼ばれているコンパクトな形状のレンズです。小型軽量なEOS Kissシリーズと相性が良いほか、アダプター経由でEOS Mシリーズと組み合わせても十分満足のいく携帯性を発揮します。
開放F値は「F2.8」と、単焦点レンズとしてはやや暗めで夜間や屋内の撮影に強いと言えず、ボケもあまり大きくなりません。正直に言えば「安くてコンパクト」が強みと言えるレンズです。
ただし、最短撮影距離が0.16mと短く、撮影倍率は0.27倍と高いため、被写体へ一歩踏み込んでボケを大きくすることが可能。
レンズ構成は5群6枚。うち1枚に非球面レンズを使用して収差を効果的に補正しています。MTF特性図を確認すると、30本/mmにおける非点収差の補正がイマイチのように見えますが、四隅まで極端に荒れない安定した描写が得られるように見えます。
価格のチェック
新品で15,000円前後、中古で12,000円程度と手ごろな価格設定です。キヤノン純正のAPS-C用レンズとしては最も安く、キットレンズに追加する単焦点レンズとして検討している人も多いはず。15,000円の価格設定が適正と言えるのかどうか、これから見ていきたいと思います。
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外観・操作性
箱・付属品
10cm程度の正方形の箱は非常に小さく、レンズの小さを物語っています。箱のデザインは比較的新しいEFレンズで採用されているものと同じ。箱を開けるとレンズ本体はプラスチック製の間仕切りで固定されています。
箱の中にはレンズ本体のほかにレンズキャップと説明書が付属しています。レンズフードは付属していません。レンズの保護と逆光耐性の観点からレンズフードは装着しておくことをお勧めします。 同梱品は少ないですがレンズの価格設定を考慮すると妥協すべき点と言えるでしょう。
外観
外装はプラスチック、レンズマウントは金属製です。決して高級感のある作りではありませんが、この価格帯としてはしっかりとした作りと言えるでしょう。非常にコンパクトなレンズですがフォーカスモードの切り替えスイッチを搭載しているのは評価すべきポイント。レンズは防塵防滴仕様ではないため、雨や粉塵が予想されるシーンでは使用を控えたほうがいいでしょう。
ハンズオン
重量125gの非常に軽量なレンズです。 レンズサイズも小さいことから、ジャケット等のポケットやカバンの空いたスペースに入れることができるのは強み。
前玉・後玉
フィルター径は52mmを採用。同じフィルターサイズのレンズは限られています。ステップダウンリングを用い、EF50mm F1.8やEF-S35mm F2.8でも利用する、49mmフィルターを使うのも一つの手です。
金属製のレンズマウントは4本のビスで固定されています。カメラへの装着は滑らかできつすぎずゆるすぎず遊びなく装着することが可能。
フォーカスリング
およそ6 mm 幅のゴム製フォーカスリングを搭載。フォーカスバイワイヤでステッピングモーターを動かします。
装着例
現在キヤノンのAPS-Cカメラがないため、富士フイルムのミラーレスカメラにマウントアダプター経由で装着。アダプター経由ながらレンズがコンパクトなので相性に問題ナシ。アダプターにFringer撮影後のEXIF情報にレンズ名や絞り値などの情報が正確に記録されます。
AF・MF
フォーカススピード
EOS R5に装着してテスト。
EF50mm F1.8 STMやEF40mm F2.8 STMと同じようなステッピングモーターを使用しています。一般的な撮影距離で問題のないフォーカス速度だと思いますが、接写から無限遠までピント移動する際は合焦速度が少し遅い。特に動く被写体相手にはフォーカス速度が追いつかない可能性あり。
ブリージング
最短撮影距離0.16mの時に撮影倍率「0.27倍」を実現しています。フルサイズ換算で0.4倍程度の高い撮影倍率が、この際は無限遠と比べて価格が大きく狭くなるので注意が必要です。
精度
EOS R5と組み合わせる限り、光環境の変化にかかわらず大きな問題はありませんでした。ただしフォーカス速度は遅いので近距離で動く被写体を相手にするとおいきれない可能性があります。
MF
フォーカスリングを約180度回転するとピント全域を移動可能です。素早いフォーカス操作には少し回転角が大きいものの、微調整には程よい。
まとめ
あまりパッとしないパラメーターの広角単焦点ですが、手頃な価格でコンパクトサイズの魅力的。 中古であれば1万円ちょっと、新品でも2万円を超えない手頃な価格で購入することができます。今から APS-C 一眼レフのレンズを購入するのはタイミングが悪いと思うかもしれません。しかし、非常にコンパクトなレンズサイズはアダプター経由でミラーレスに装着しても違和感がほとんどありません。ミラーレスにこのパラメーターのレンズは存在しないため、どのマウントに装着しても面白い選択肢になると思います。
オートフォーカスは抜群の性能と言えないものの、一般的な撮影距離で動かない被写体を相手にする限りフォーカス速度に不満を感じることはありません。最短撮影距離と無限遠の行きは少し時間がかかるため ピントが抜けやすい被写体や動体撮影ではオートフォーカスが遅いと感じるかも。
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作例
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