このページではキヤノンの一眼レフ用交換レンズ「EF-S35mm F2.8 マクロ IS STM」のマクロ撮影距離における解像性能と軸上色収差についてテストとレビューを掲載しています。
マクロ解像性能テスト
撮影環境
- EOS 90D+EF-S35mm F2.8 マクロ IS STM
- 三脚でカメラを固定
- 電子シャッター+セルフタイマー+タッチパネルで振動を予防
- ISO感度100に固定
- C-RAW出力でAdobe Lightroom CCにて現像
- 中央領域・周辺領域・端領域の3カ所をクロップ
実写作例
遠景解像や解像力チャートテストほどパリッとしたシャープさはありませんが、最短撮影距離でもフレーム全域で安定したパフォーマンスを発揮。F2.8でフレーム端までこれだけ安定するなら御の字でしょう。レンズ繰り出し式フォーカスより収差変動が大きくなる傾向のインナーフォーカスで、F2.8からこれだけ良好な画質を維持しているのは凄い。
極端ではありませんが、軸上色収差の影響があるので光学的に色ずれを抑え込むならF5.6以降がおススメ。F11まではまずまず良好な画質を維持し、F16以降は回折の影響でパフォーマンスが低下します。
被写界深度を深くするため、F22も使いたくなる場合があると思います。しかし、F22まで絞るとコントラストの低下が目立つので、絞ってもF16までが限度かなと。それ以上の被写界深度が欲しければ、F5.6~F8でフォーカスブラケットを使ったほうが良いかも。
ただし、ピント位置による画角の変化(ブリージングが大きいので)合成失敗・不自然な合成結果となるかもしれません。
軸上色収差テスト
軸上色収差とは?
細かい話は置いておくとして、ピント面の前後に現れる光学的な色ズレ。前ボケは主に紫の色ずれが、後ボケは主に緑の色ずれが発生します。
特殊低分散レンズなどで補正が可能となっていますが、完璧に軸上色収差を抑え込んだレンズは少ないです。F1.4やF1.8などF値が小さいレンズほど軸上色収差が問題となるケースがあります。
実写作例
マクロ撮影の距離だと全体像で目視できる色収差が発生します。ほぼ完璧に抑え込みたいのであればF5.6まで、ぼちぼち抑え込めばいいのならF4まで絞ると良いでしょう。
全体像
クロップ
雑感
軸上色収差の補正が完璧では無いものの、マクロ撮影で被写界深度を稼ぎたい場合は色収差が収まるF4以上の絞り値を使うはず。特に大きな問題とは感じないでしょう。
マクロ距離での解像性能は遠景ほどでは無いものの、フレーム全域で非常に安定した描写。LEDライト付きのイロモノレンズでは無く、堅実なマクロレンズとしても使えます。
EOS Rのようなフルサイズミラーレスに装着して(回折の影響が出にくい+高感度耐性が良いので)ガッツリ絞って使うのもアリ。
今回使用した機材
EOS 90D ボディー | |||
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EOS 90D EF-S18-135 IS USM レンズキット | |||
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EF-S35mm F2.8 マクロ IS STM | |||
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