このページではAPS-C一眼レフカメラ「EOS 90D」でキヤノン製フルサイズ用交換レンズ「EF50mm F1.8 STM」がどれほど解像するのかテスト結果とレビューを掲載しています。
「EF50mm F1.8 STM」解像力テスト
撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:EOS 90D
- 交換レンズ:EF50mm F1.8 STM
- パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」
- オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- EOS RのRAWファイルを使用
- ISO 100 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ
・格納されたレンズプロファイルオフ - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェックしています) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証しています。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性があります。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
テスト結果
絞り開放付近はちょっと苦しい、と言うのが正直なところ。特に四隅はF22までガッツリ絞った回折効果と同程度の甘さと感じるので実用レベルとは言えません。
その一方、F2.8まで絞れば全体的に安定し、EOS 90Dでもフレーム全域で良像と言えるパフォーマンスを発揮します。まだ3250万画素を活かせる解像性能とは言い難く、少なくともF4まで絞りたいところ。ピークの性能はEOS R装着時とそう変わらないので、絞れば割とイケる画質です。
ただしF8以降は回折の影響で急速に解像性能が低下するので、スウィートスポットはF5.6~F8と狭いです。
F値 | 中央 | 周辺部 | 四隅 |
F1.8 | 2786 | 3038 | 2027 |
F2.0 | 3030 | 2431 | 1954 |
F2.8 | 3644 | 3227 | 2864 |
F4 | 3454 | 4114 | 3500 |
F5.6 | 3397 | 4204 | 3545 |
F8 | 3465 | 3532 | 3659 |
F11 | 3038 | 3250 | 3159 |
F16 | 2611 | 2682 | 2523 |
F22 | 1937 | 1847 | 1818 |
F1.8サンプル
EF-S35mm F2.8 IS マクロ STMとの比較
おそらく、「EF-S35mm F2.8 マクロ IS STM」はEF-Sの中で最も解像するレンズです。3250万画素のEOS 90Dでも十分に解像しています。4000本を超える解像度は90Dの解像限界と言っても過言では無いでしょう。
比較して、EF50mm F1.8 STM装着時にパフォーマンスがなんとか追いつくのはF4~F8あたり。開放付近は甘いものの、回折の影響を受けない程度にしっかり絞れば十分実用的な解像性能と言えそうです。
EOS Rとの比較
EOS 90D+EF50mm F1.8 STMは「(EOS Rで言う)中央領域?周辺」を使用しているにも関わらず、四隅の絞り開放はかなり苦しいことが分かります。特にフルサイズで使うより球面収差が目立つようになるのでピント面はソフトです。
良く言えば、EOS Rで使う時より開放が柔らかい描写となり、絞れば同程度までキリリとシャープになる、柔軟性に富んだ描写として楽しめそうです。
雑感
単焦点ならこのような描写傾向も悪く無いなと感じます。とは言え、開放の解像性能が重要となってくる望遠ズームの場合、レンズの解像性能が少し物足りなく感じる場合もありそう。特に設計の古いズームレンズは(絞らないと)3250万画素を活かしきれない可能性があります。
今回使用した機材
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