このページではソニーの交換レンズ「FE28mm F2」の外観や解像性能・ボケ質など描写を細かくチェックしてレビューしてます。
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仕様のおさらい
焦点距離が似ているレンズをピックアップして見比べてみましょう。
FE28mm F2 | FiRiN | FE35 F2.8 | FE35 F1.4 | |
焦点距離 | 28mm 16mm FEC 21mm UWC |
20mm | 35mm | 35mm |
F値 | F2 F3.5 FEC F2.8 UWC |
F2 | F2.8 | F1.4 |
最小絞り | F22 | F22 | F22 | F16 |
フィルター径 | 49mm | 62mm | 49mm | 72mm |
最短撮影距離 | 0.29m 0.22m FEC 0.20 UWC |
0.28m | 0.35m | 0.3m |
最大撮影倍率 | 0.13 0.14 FEC 0.20 UWC |
0.097 | 0.12 | 0.18 |
外形寸法 | 64 x 60 | 73.4×81.5 | 61.5 x 36.5 | 78.5 x 112.0 |
質量 | 200g | 464g | 120g | 630g |
価格 | 4万円台 | 10万円 | 6万円 | 20万円 |
備考 | SEL075UWC対応 SEL057FEC対応 |
絞りリング |
FE28mm F2の特徴
- 貴重な28mm単焦点レンズ
- フィルター径が小さい
- 接写性能は並
- 比較的コンパクトで軽量
- 21mm F2.8・16mm F3.5 魚眼となるコンバージョンレンズ対応
- 安い
フルサイズのソニーEマウントは広角単焦点のラインナップが多くありません。特に28mmより広い画角のレンズはマニュアルレンズが多く、AF対応は一部のサードパーティ製レンズとFE28mm F2だけ。
フルサイズ対応の28mm単焦点レンズとしては比較的安く、その割に金属鏡筒・防塵防滴・拡張パーツと充実した仕様ですね。
特筆すべきは16mm画角の魚眼レンズ・21mmの超広角レンズに変化させることが出来る専用コンバージョンレンズが存在すること。専用設計で画質は良好、お値段もレンズ一本買うよりは明らかに安い。
接写性能は良くも悪くもありませんが、ワイドコンバージョンレンズのSEL075UWCを装着すると21mm画角のレンズとしては接写性能が高いレンズに変化します。
外観
4万円台と28mm単焦点としてはリーズナブルな価格設定。
しかし、レンズ鏡筒・マウントは金属製でしっかりとした造り。4万円と言う価格に対してハイクオリティとは言い難いですが、他社がプラスチック鏡筒で販売している価格帯であることを考慮すると健闘していると言えるでしょう。
フォーカスリング以外にこれと言った機能性は無く、レンズフードは実にチープな質感。後述しますが、レンズフード用バヨネットがプラスチック製だったりと価格なりな部分もあったりする。
レンズフードは実にシンプルなプラスチック製花形フード。
28mm用レンズフードとしてはとてもコンパクトで携帯性を損ねない点がgood。逆さ付けも可能です。
フィルター径は49mm。28mm単焦点レンズとしては小さいので安くフィルターを揃えることが出来そうです。
レンズフードはフィルター用ネジの外周部にあるバヨネットへ装着します。49mmフィルターを装着する分には干渉しませんが、ステップアップリングを使う場合には干渉する可能性が高い。
後述しますがこのバヨネットはコンバージョンレンズを装着する際にも使用します。バヨネットがプラスチック製なので強度が不安。軽量なプラスチック製レンズフードならまだしも、レンズより重いコンバージョンレンズを装着するには心細いプラマウントと化します。
レンズ後玉はそこそこ大きくなっています。フラットで幅広いのでメンテナンスはし易そうですね。
「防塵防滴に配慮した設計」とソニーは謳っていますがマウント部に耐候性を持たせるシーリングは存在しません。防塵防滴仕様は過信出来ないようです。
SEL075UWC
FE28mm F2を買ったのなら是非とも使ってみたかったSEL075UWCを同時にゲット。
コンバージョンレンズとしてはソコソコ高い(3万円)ですが、価格なりの造りとなっています。
重量は267gとレンズ本体よりも重いです。装着時はレンズ全長が長くなり重量が倍となるので取り回しやすさは大きく低下します。
鏡筒はFE28mm F2と違いプラスチック製ですが、レンズが大きいので重たくなっているようです。
コンバージョンレンズはバヨネット・ロック機構以外に可動部を持たず密閉されたシンプルな造りです。
残念ながらバヨネット部はレンズ側・コンバージョンレンズ側どちらもプラスチック製のため、強い衝撃を与えると金属マウントより破損しやすいかもしれません。
フロントにプロテクトフィルターなど装着は出来ません。NDフィルターを使いたい画角だけに残念なポイント。また、フッ素コーティングが施されていないので油分を含む汚れや水滴が付着すると除去するのにひと手間かかります。
レンズキャップは専用のかぶせ式が付属します。高いコンバージョンレンズだけあってしっかりとした造りのキャップです。多少の衝撃で外れてしまうような構造ではありません。
FE28mm F2への装着はフード用バヨネットを利用します。当然ながらプロテクトフィルターなどを装着しているとコンバージョンレンズと干渉しますので注意。コンバージョンレンズ側にロック機構が備わっているのでうっかり脱落する可能性は低いです。
バヨネット部にマグネットスイッチが仕込まれており、コンバージョンレンズを装着するとレンズ経由でカメラ側に自動認識されます。EXIF情報には「FE21mm F2.8」と記録されるので分かりやすいですね。
α7 IIIとの装着例
これぞミラーレス用広角単焦点と言ったサイズ感。特にスリム感のある28mm単焦点レンズでスナップカメラとしても重宝しそうなシステムサイズです。
SEL075UWCを装着すると少しフロントヘビーになりますが、それでもα7 IIIとの組み合わせでバランスは良好。
オートフォーカス・マニュアルフォーカス
オートフォーカス
レンズが小さいこともあってかオートフォーカスは高速かつ静音。最新ボディと組み合わせることでストレスフリーなフォーカシングを楽しめるはず。
ただし、ブリージング(ピント距離によって画角が変化する)が比較的大きく、特に最短撮影距離付近で被写体を四隅に配置するとフォーカシングが安定しない場合もあります。
マニュアルフォーカス
フォーカスリングは程よく滑らかで特に不満を感じません。
オートフォーカス時よりもピント距離を近くに配置できるのはこれ如何に?ブリージングが大きいので至近距離のAFにはリミッターを掛けているのではないかと邪推。
描写チェック
遠景解像 28mm
中央解像は絞り開放からほぼトップスピードで、1段絞るとピークに達しF16までパフォーマンスが維持されます。
一方で四隅は絞り開放でやや甘く、周辺減光のため暗めに写ります。F4まで絞ると残存収差が小さくなり描写が安定。そこから先は絞ってもあまり改善しませんが、ピークの山はF8-F11あたり。風景撮影で使うのであれば最低でもF5.6までは絞って使いたいところ。
遠景解像 21mm
中央解像はコンバージョンレンズ無しと比べて絞り開放時に少し甘さを感じる写り。しかし、1段絞ると急速に改善しF4-F16まで解像性能が維持されます。
四隅は残存色収差などでもやっとした写りですが、F5.6まで絞ると改善します。ピークはF8-F11付近でF16まで絞ると回折の影響が顕著に現れます。
レンズ前玉に取り付けるコンバージョンレンズとしては非常に実用的な解像性能です。FE21mm F2.8 広角単焦点レンズと言っても過言では無いでしょう。
ボケ 28mm
近接 スタジオ
広角レンズとしては後ボケが滑らかで綺麗な印象。
一方で前ボケはまずまず、場合によって騒がしいと感じるかも。とは言え、28mmの広角で前ボケが気になるシーンはそう多く無いはず。
近接スタジオ
実写
ボケの縁撮りが弱いので騒がしくなりそうな背景も上手く処理されています。極上と言うにはもう一息滑らかさが欲しいところですが、広角レンズとしてはかなり良いボケ質。
オートフォーカス時は最短撮影距離が0.29mなので小さい被写体を接写するには”あと一息”寄りきれない。マニュアルフォーカス時に0.25mと少し改善するので必要であればMFに切り替えて接写すると良いでしょう。
ボケ 21mm
面白いことに、AF時に0.24m・MF時に0.20mの最短撮影距離となるのでコンバージョンレンズ無しの時よりも接写性能が高くなる。
おかげさまで、画角が広く1段暗いにも関わらずボケ量はそこまで変化しません。また、ボケ質は21mm時のほうが柔らかく感じます。
逆光耐性
コンバージョンレンズを装着して余分なレンズがあるにも関わらず、強い光源をフレーミングしてもフレアやゴーストが発生する状況は少ない。
逆光にとても強いレンズと言うことが出来るパフォーマンス。もしもFE28mm F2でフレアやゴーストに悩まされるとしたら、お使いのプロテクトフィルターを外すか見直してみることをおススメします。
周辺減光
光量補正をオフにすると絞り開放でかなり目立つ減光が発生していることに気が付きます。補正抜きで解消するためにはF5.6まで絞る必要があります。
光量補正をオンにしたとしても絞り開放はシチュエーションによって少し目立つかもしれません。
ちなみにSEL075UWCを装着すると絞り開放の周辺減光が緩和しています。
FE28mm F2 絞り開放 補正オフ:補正オン
まとめ
今回のおさらい
- 金属鏡筒でしっかりとした造りだが、フードバヨネットがプラスチック
- 28mm単焦点としては軽量コンパクトでフィルターが小さい
- コンバージョンレンズを装着するとサイズが倍になる
- 防塵防滴に配慮した設計だが悪天候には注意
- オートフォーカスは静音・高速だがブリージングが大きい
- 遠景解像は素の状態で中央のピークがF2.8-F16・四隅がF8-F11
- SEL075UWC装着時の遠景解像は中央でF4-F16、四隅はF8-F11がピーク
- 広角レンズとしては後ボケが滑らか
- SEL075UWC装着時の接写性能は良好
- 逆光耐性は優れている
- 周辺減光は補正非適用で目立つがF5.6まで絞ると解消する
- SEL075UWC装着時は周辺減光が緩和する
ソニーα7シリーズを所有してるのであれば、FE28mm F2はおススメできるレンズ。たとえ焦点距離がGMズームやZAズームと被っていたとしても本レンズのコンパクトさは代えがたいメリットと言えるでしょう。「1~2段明るい」と言うメリットはおまけみたいなものです。
加えて貴重な21mm超広角単焦点にも変化させることが可能。FiRiN 20mm F2やBatis 2.8/18、Loxia 2.4/21など優れたが存在するものの、3万円の追加投資で28mmと21mmを使い分けることが出来るのは便利。
絞り開放付近における四隅の解像性能は2400万画素のα7 IIIでも甘さを感じますが、風景撮影において絞って使うならば周辺減光を含めて問題無いはず。
一方でレンズのサイズや価格が気にならないのであれば、FE24-70mm F2.8 GMや28-75mm F2.8 Di III RXDの使い勝手を重視するべき。
購入早見表
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