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パナソニック LUMIX S 26mm F8 レンズレビューVol.4 ボケ・減光・逆光編

パナソニック「LUMIX S 26mm F8」のレビュー第四弾を公開。今回は前後のボケ質や玉ボケの描写、周辺減光や逆光耐性を確認しています。

今回の簡単なまとめ

癖の少ない優等生的なボケが得られますが、「26mm F8」のレンズでボケを活かすシーンは多くありません。幸いにも最短撮影距離が短いため、小さな被写体のクローズアップなどでボケを利用できる可能性は残されています。

低価格の広角レンズということで逆光耐性が心配でしたが、どうやら杞憂だったようです。強い光源をフレームに入れても問題となることが少なく、逆光シーンを気軽に撮影可能。ゴーストは少なく、フレアも良く抑えられています。

周辺減光がゼロではないものの、電子接点を備えているのでカメラ内補正で気づかないうちに修正されています。特に問題視する必要はありません。

Although it produces an excellent bokeh with few quirks, there are not many situations in which the 26mm F8 lens can be used to take advantage of bokeh. Fortunately, the short minimum focus distance leaves open the possibility of using bokeh for close-ups of small subjects.

I was concerned about the backlight resistance of this low-priced wide-angle lens, but it appears that my fears were unfounded. It is rarely a problem even with strong light sources in the frame, making it possible to shoot backlit scenes with ease. Ghosting is minimal and flare is well controlled.

While vignetting is not zero, it is corrected unnoticeably by in-camera correction since the camera is equipped with electronic contacts. There is no need to consider it as a problem.

LUMIX S 26mm F8のレビュー一覧

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

前ボケ

ニュートラル寄りで少し滑らかな描写。色収差による色づきはありません。「26mm F8」というパラメータでボケを大きくできるレンズではありませんが、描写に大きな問題は無し。

後ボケ

ニュートラル寄りで少し硬めの描写。「26mm F8」で前ボケが重要となるシーンはほとんど無いと思われ、心配する必要はありません。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

実写で確認

縁取りがあり綺麗な描写とは言えません。しかし、ボケが小さいため、これが悪目立ちすることはほとんどないでしょう。

ボケ実写

至近距離

縁取りが僅かにあるものの、色収差は良好に補正。悪目立ちする要素が少なく、決して美しい描写ではないものの、無難な使い勝手。絞りがないため、これ以上の調整は不可能。

近距離

至近距離と同じ傾向が続きます。

中距離

撮影距離が長くなっても同じ。ボケが小さいので、被写体を背景から分離するのは難しい。

周辺減光

周辺減光とは?

フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ち。
中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となります。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象ですが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景や星空の撮影などで高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

実写で確認

最短撮影距離は補正無しでも全く問題ありませんが、無限遠では四隅にわずかな減光効果が発生します。特に問題となるような度合いではありませんが、気になる場合はレンズ補正を適用しておくと良いでしょう。

逆光耐性・光条

中央

コーティングと5群5枚のシンプルなレンズ構成が功を奏しているのかフレア・ゴーストは良く抑えられています。

光源を隅に置いた場合に問題は全くありません。

光条

そもそも絞りが無いので光条が発生しません。

まとめ

癖の少ない優等生的なボケが得られますが、「26mm F8」のレンズでボケを活かすシーンは多くありません。幸いにも最短撮影距離が短いため、小さな被写体のクローズアップなどでボケを利用できる可能性は残されています。低価格の広角レンズということで逆光耐性が心配でしたが、どうやら杞憂だったようです。強い光源をフレームに入れても問題となることが少なく、逆光シーンを気軽に撮影可能。ゴーストは少なく、フレアも良く抑えられています。

周辺減光がゼロではないものの、電子接点を備えているのでカメラ内補正で気づかないうちに修正されています。特に問題視する必要はありません。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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