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M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II レンズレビューVol.4 諸収差編

「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II」のレビュー第四回 諸収差編を公開。

簡易的なまとめ

軸上色収差は絞り開放で目立つ場合があり、樽型歪曲は未補正で魚眼レンズのよう。お世辞にも完璧なレンズとは言えません。

とは言え、像面湾曲やコマ収差などに致命的な問題は見られず、カメラ側の補正込みで使えば使い勝手の良い結果が得られます。

Axial chromatic aberration can be noticeable at maximum aperture, while barrel distortion appears uncorrected, resembling a fisheye lens. It would be an exaggeration to call this a perfect lens.
That said, no critical issues such as field curvature or coma aberration were observed, and when utilising camera-side corrections, it delivers usable results.

M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II のレビュー一覧

像面湾曲

像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。

中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指しています。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の可能性あり。

最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合があります。と言っても、近距離でフラット平面の被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要はありません。

ただし、無限遠でも影響がある場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がありません。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

  • 左:フレーム中央でピント合わせ
  • 右:フレーム隅でピント合わせ
  • 露出の違いはカメラ側の設定ミス

ピントを合わせる位置に関わらず、絞り開放から遠景のパンフォーカスが可能です。

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

Lightroomの補正をオフにした状態で、絞り値に関わらず色収差は良好に補正されています。しかし、海外レビューサイトの評価では「目立つ場合がある」と言ったコメントが多い。ソフト的に補正されているのかもしれませんが、少なくともカメラ出力のJPEGや純正・Lightroomなどのメジャーな現像ソフトで心配する必要はなさそうです。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

絞り開放付近は(過度ではないものの)色収差が目立ちます。絞ると徐々に改善しますが、F1.8-2.0付近は水面・金属面の照り返し等で目立つ可能性あり。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうこと。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすく、魚眼効果のような「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれています。

参考:ニコン 収差とは

比較的補正が簡単な収差ですが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となります。

実写で確認

未補正RAWを確認すると、非常に目立つ樽型歪曲があります。補正することで綺麗な直線となりますが、フレーム端や隅がトリミングされてしまいます。

かなり目立つ収差ですが、ミラーレス用の広角レンズではソフト補正に依存する設計が多い。このレンズ特有の問題ではありません。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。

参考:ニコン 収差とは

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。

実写で確認

絞り開放付近で点光源の変形があります。全体像からすると目立たない程度ですが、気になる場合はF2.8まで絞ると収束。換算35mm相当の準広角レンズとしてはまずまず良好。

球面収差

前後の玉ボケで質感に大きな違いはありません。フォーカスシフトの影響もなく、良好に補正されているように見えます。

まとめ

軸上色収差は絞り開放で目立つ場合があり、樽型歪曲は未補正で魚眼レンズのよう。お世辞にも完璧なレンズとは言えません。

とは言え、像面湾曲やコマ収差などに致命的な問題は見られず、カメラ側の補正込みで使えば使い勝手の良い結果が得られます。

実際、実写ではF1.8から快適に利用することができ、軸上色収差やコマ収差が目立つシーンはごく僅かでした。小型軽量で手頃な価格の準広角F1.7レンズとしては良い落としどころなのかなと。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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