外観レビューから大分経ってしまったので、そろそろ撮り溜めたもので実写編をつらつらと。
三脚座を含んで880gと大口径の望遠ズームとしては軽量。フルサイズの望遠ズームと比べるとおよそ半分程度の重量となっている。
しかも焦点距離は300mm(換算)までをカバーしている上でF2.8の大口径を実現。パナソニックの競合ズームが換算200mmという事を考えるとマイクロフォーサーズではオンリーワンな性能の大口径望遠ズームとなっている。
ボケ量はフルサイズに劣るものの、この焦点域でそもそもボケ量が足りない事の方が少ないので問題なし。シャッタースピードは光量が足りているシーンではフルサイズ同様に稼ぐことが出来る。
今回はそんなスーパーレンズの実写編レビュー。他のサイトでもベタ褒めな様に、当サイトでもほぼべた褒め。このレンズのおかげで手持ちの『EF 70-200mm F2.8 IS II USM』やシグマ・タムロンの大口径ズームが霞んで見える。
実写
換算300mm(テレコン420mm)はとっても便利
のっけからテレコン装着の210mm(換算420mm)の開放F値。
テレコンを装着するとノーマルな時ほどのシャープさは無いものの、それが画質低下とはいえない程度で十二分に実用範囲。写真家の話では通常時がカリカリ過ぎるのでテレコンでシャープさを落として丁度いいくらいだとか(月刊カメラマンでの談話だったはず)
圧縮効果を引き出すには程よい焦点距離で、テレコン付けても1kgとハンドリング性は上々。
420mmF4なので被写界深度を浅くしたり、シャッタースピードを稼ぐには持って来いなレンズだったりする。現在400mmF4をカバー出来るレンズは本レンズかより焦点距離の長い『M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO』。パナソニックの『LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 ASPH./POWER O.I.S.』はやや暗くなってしまう(換算800mmをカバーしているのは魅力的だが)
ピント面は周辺までシャキッと写る。専用のデジタル補正が効かないLightroomの環境でもしっかりと解像している。
マイクロフォーサーズで撮影したデータはあまりRAWをパソコンで追い込まないのだが、このレンズで撮影した写真は追い込みをかける事で細部が蘇る場合が多い。現像が楽しくなるレンズの一本と感じている。
150mm F2.8 1/2500
玉ボケが美しい(口径食が少ない)
口径食が目立たず、重なりすぎて煩くならず、とても程よいバランスの玉ボケ。
ピント面のシャープさは圧巻
テレコンを外すと本領を発揮して、ピント面のシャープさは素晴らしい。
特にマイクロフォーサーズ規格ではフルサイズよりも被写界深度を稼ぎやすいので、ガッツリ絞らずとも小さい被写体を寄ってもパンフォーカスが狙いやすい。解像力の高さを活かすには程よいセンサーサイズだと感じる。
F5.6まで絞るとやや玉ボケが角ばるものの、そこまで目立つほどの角ばり方でもない。
リサイズ無しのトリミング。
小さい被写体を撮ることが多いのであれば、マイクロフォーサーズはフルサイズよりも適していると思った一枚。
かなり寄って撮影できる
絞り開放でヌケの良いピント面と溶けるようなボケが両立している。ズームレンジを欲張っている割には良い。
換算300mmで近寄れば、背景を溶かして背景色として演出出来る。200mmだともう一息溶かしこみたい時に不満なので、「サンニッパで寄れる」と言うのはかなり便利。
このレンズの最短撮影距離は0.7mと一般的な大口径ズームレンズのおよそ半分。EF70-200mmF2.8 IS IIだと1.2mまでしか寄ることが出来ない上に焦点距離は100mm短い。
小さい・大きい、近い・遠いという被写体を満遍なく撮影する事が出来る。このレンズ一本で様々な被写体に対応出来るので、やや大ぶりなもののお散歩レンズとしても重宝している。
テレコンを使用すると0.59倍(換算)の撮影が可能に。
開放F値ではやや描写にシャープさが無くなるものの、甘いというより程よく柔らかいと言った感じ。
接写する場合はマイクロフォーサーズとは言え、換算420mmの望遠端では被写界深度はかなり浅くなる。
特に平面的な被写体をマクロ的に撮る場合、自身が前後にちょっと動くだけでもピント面が外れる。マクロレンズ的に使うことは出来るが、真剣に撮るならば三脚は必須だと思う。
「深度合成」に対応しているので、被写界深度を補うことは可能。
オートフォーカスが爆速
OM-D E-M1と組み合わせると、面白いくらいピント合掌が速い。こちらに向かってくるウサギをコンティニュアスAFで捕捉出来る。
迷わずに合掌する場合、EF70-200F2.8並に素早くピントが合う。迷うとピント面前後に数回彷徨うものの、迷い方も素早くフォーカスが移動するので復帰が速い。
背景がざわついているとやや迷う。迷い始めるとピント面を前後し始め、その場合は本来このレンズが持っているAF速度からするとかなり遅い。
これはボディ側の問題が大きい為と感じるので、今後出てくるであろう新機種で化ける可能性はある。
そもそも論として、ランダムに動く飛翔中の蝶を写し撮るのはかなり難しくい。
という訳で、風に揺らめく植物を撮る場合もコンティニュアスAFで手軽にパチリ出来る。
深度合成が使える
雌しべにピントを合わせているのに、茎にまでピントが合っている。通常のマクロ撮影ではガッツリ絞らないと稼ぐことが出来ない被写界深度を楽に手に入れることが出来る。
最大撮影倍率が高いこのレンズがさらに使い易くなるポイントだと思う。
静物相手でしか活用出来ないが、このセンサーサイズの画質でパンフォーカスを狙えるのはとても魅力的。
「被写界深度を稼げるマイクロフォーサーズ」の利点をさらに追求出来る。
まとめ
コンパクトさを求めないマイクロフォーサーズユーザーならオススメの一本。
マイクロフォーサーズ規格のレンズとしてはかなり大振りなレンズなので、その辺に抵抗がなければ間違いなく至高のレンズ。一眼レフユーザーであればあまり大きさも気にならず扱うことが出来るはず。
単焦点要らずの解像力と表現を楽しめるので、正直これ一本買ってしまうと被っている焦点距離の単焦点をとても買いづらくなる。
正直なところ、軽く試して売っぱらおうと思って購入したのだが、手放せなくなってしまった。それどころか、手持ちのフルサイズな望遠ズームを使う機会が激減してしまって困っている。
サンニッパをカバーする上にとてもシャープな描写のレンズだが、1600万画素のE-M1では有効画素数が物足り無いと感じるシーンがちょくちょくある。今後、センサー性能の向上によって高画素化しても耐え得るだけの性能は持ち合わせているので、そのボディとマウントしてやれば再び感動出来るに違いない。
購入早見表
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO | 新品・中古情報 |
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M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO 1.4x テレコンバーターキット | 新品・中古情報 |
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M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO 特設ページ
別ページにてレビューや作例を始めとした各種参考サイトのリンク集や競合レンズとの比較
- 妥協なき望遠ズーム『M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO』
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