「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」のレビュー第一弾 外観・操作・AF編を公開。LUMIX G と比べると平凡なスペックですが、そのぶん低価格で若干軽量。外装の作りやフォーカスリングの操作性も悪くありません。
本日のまとめ
小型軽量で携帯性が良く、マイクロフォーサーズらしい使い勝手の中望遠レンズ。2万円台で入手可能で、キットレンズに加える製品として手ごろな価格は魅力的。25mm F1.8 II のような金属外装ではないものの、プラスチッキーで安っぽいとは感じません。必要十分な質感。
AFはレンズの長所と言えませんが、短所でも無し。パナソニックの競合製品と比べて最短撮影距離が長いものの、マクロ以外の一般的な撮影で困ることは多くないと思います。
This is a compact, lightweight, portable, and easy-to-use mid-telephoto lens that is typical of the Micro Four Thirds system. It is available for around 20,000 yen, and the reasonable price makes it an attractive option to add to your kit lens. Although it does not have a metal exterior like the 25mm F1.8 II, it does not feel cheap or plasticky. It has just the right amount of texture.
The AF is not a strong point of the lens, but it is not a weak point either. Although the minimum focusing distance is longer than Panasonic's competing products, I don't think you will have many problems with general photography other than macro photography.
M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8のレビュー一覧
- M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
- 交換レンズ レビュー オリンパス M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8
- オリンパス M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 最新情報まとめ
Index
まえがき
- 発売日:
ブラック:2013年6月14日
シルバー:2011年9月9日 - 商品ページ
- データベース
- 管理人のFlickr
マイクロフォーサーズシステムが始動した数年後に発売した中望遠の単焦点レンズ。手ごろな価格と携帯性もあり、人気があるのか10年以上生産・販売が継続しています。
映像事業がオリンパスからOMデジタルへ移行した後も変化なし。今のところオリンパスブランドを維持。そのうち「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 II」のように、OM SYSTEMブランド、金属鏡筒・防塵防滴仕様で高価格するかもしれませんが…。
また、徐々に数が少なくなっているシルバーカラーをラインアップしています。カメラに合わせてシルバーカラーのレンズを探しているのであれば、貴重な選択肢の一つと言えるでしょう。
主な仕様
直近の競合製品はパナソニック「LUMIX G 42.5mm/F1.7」。M.ZUIKOは比較的手ごろな価格ですが、最短撮影距離・最大撮影倍率で明らかに不利。さらに、光学手振れ補正を搭載していないので、パナソニックの古いカメラボディでは手振れ補正を利用できません(最新機種では問題無し)。
比較して僅かに軽量ですが、強みと言えるほどの軽量化は期待できません。手ごろな価格と光学性能が強みとなるのかどうか。
発売日 | 2011年 9月 9日 |
初値 | ¥26,399 |
レンズマウント | マイクロフォーサーズ |
対応センサー | 4/3 |
焦点距離 | 45mm |
レンズ構成 | 8群9枚(E-HRレンズ2枚) |
開放絞り | F1.8 |
最小絞り | F22 |
絞り羽根 | 7枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 0.5m |
最大撮影倍率 | 0.11倍 |
フィルター径 | Ø37mm |
手振れ補正 | - |
テレコン | - |
コーティング | ZEROコーティング |
サイズ | Ø56 x 46mm |
重量 | 116g |
防塵防滴 | - |
AF | STM |
絞りリング | - |
その他のコントロール | - |
付属品 | レンズキャップ LC-37B レンズリアキャップ LR-2 デコレーションリング DR-40 取扱説明書、保証書 |
価格のチェック
売り出し価格は26,398円。3万円超のパナソニック42.5mmと比べると少し安い。光学手振れ補正や接写性能を諦めるほどの価格差かというとそうでもありません。最終的に光学性能が良ければコストパフォーマンスの高い中望遠レンズと言えそうです。
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外観・操作性
箱・付属品
オリンパス/OM SYSTEMの製品は購入するタイミングによってパッケージのデザインが変わっています。
- オリンパス前期デザイン:青と白、サンプル掲載で贅沢
- オリンパス後期デザイン:ブラックで統一
- OM SYSTEMデザイン:エコパッケージ
今回手に入れた新品は「2」のデザイン。おそらく、OM SYSTEMブランドに切り替わるタイミングで「3」になると思われます。
レンズ本体のほか、同梱品はオーナメントリングとキャップ、説明書のみ。レンズフードは付属していないので、必要であれば別で購入しなければならない。同シリーズでも25mm F1.8には付属して、45mm F1.8には付属しない理由が謎。
外観
外装はプラスチック製でレンズマウントのみ金属製。OM SYSTEM版で金属外装になったレンズもありますが、本レンズは登場時のまま。金属外装のレンズと比べると、質感はグッと低下しますが、過度に安っぽいと感じることはありません。
全体的に黒を基調としたデザインで、オーナメントリングにオリンパスらしいブルーのラインを使用しています。
コントロールはフォーカスリングのみ。AF/MFスイッチなどはありません。レンズ先端はオーナメントリングとなっており、レンズフード装着時に使用するバヨネットが隠れています。
ハンズオン
116gと非常に軽量なレンズであり、手に取っても重量感はまったくありません。どのようなマイクロフォーサーズカメラに装着してもバランスは取りやすい。やはりプラスチッキーな質感ですが、残念な印象は受けません。
前玉・後玉
前面は37mmの円形フィルターに対応。
マイクロフォーサーズ用レンズで37mmに対応するモデルは少ない。オリンパス/OM SYSTEMで他のレンズは現行モデルで「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」のみ。パナソニックを含めると少し増えますが、同じような製品群(42.5mm F1.7 / 14-42mm PZ)となるので買い足す機会は少ないはず。
フッ素コーティングは施されていないので、水や汚れが付着する可能性があるならプロテクトフィルターの装着がおススメ。汚れてしまったとしても、前玉はとてもフラットでメンテナンスしやすい。
少なくともカメラ未装着の状態で最後尾のレンズはマウント付近に配置。リアフォーカスで後玉が前後に移動するのかどうかは不明。後玉付近のプラスチック部分には「Made in Vietnam」と印字されています。オリンパス時代からあるベトナム工場で生産していると思われます。
フォーカスリング
10mm幅のプラスチック製フォーカスリングは滑らかに回転します。このクラスのレンズとしては予想していたよりも良好で、気持ちの悪い引っかかりや潤滑不足はありません。
フォーカス位置の移動速度はリングの回転速度に応じて変化します。素早く回転させると至近距離から無限遠まで約270度ほど、ゆっくり回転させると2回転以上の操作が必要。ストロークは思っていたよりも長く、精密な操作と相性が良いものの、フルマニュアルで操作するには手間がかかります。
レンズフード
別売りでプラスチックレンズフードを販売していますが、今回は敢えて社外製のレンズフードを選択。Haogeの45mm F1.8 用角型メタルフードを購入しました。少し高価ですが、質感が良く、レンズ本体にしっかりと装着することができます。
装着例
OM SYSTEM OM-3に装着。
グリップレスのOM-3と携帯性の良い45mm F1.8は小さなカメラバッグに簡単に収まるサイズ感。悪くない外観だと思いますが、レンズのオーナメントリングにある「ブルーライン」が少し浮いているように見えます。
AF・MF
フォーカススピード
ステッピングモーター駆動で動作。最短撮影距離付近から無限遠まで滑らかに動作します。AF速度は電光石火と言えず、大きなピント移動では若干もたつく印象あり。このあたりはPROレンズやズームレンズがより良好。
とは言え、AF速度を重視しないシーンであれば、十分なパフォーマンスだと思います。
ブリージング
ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。
弱点と言う程ではないものの「やや目立つ」画角の変化があります。動画撮影やフレーム隅へのAFでは少し気になるかもしれません。
精度
OM-3との組み合わせで問題無し。カメラ側のAFシステムでピントが背景に抜ける、前景に引っ張られるシーンはあるのの、レンズに起因するミスショットは少ないように見えます。
MF
前述したように、滑らかで応答性の良いフォーカスリングの操作を楽しむことが出来ます。ただし、ストロークが長いので、完全なMF操作で使うのには適していません。
まとめ
小型軽量で携帯性が良く、マイクロフォーサーズらしい使い勝手の中望遠レンズ。2万円台で入手可能で、キットレンズに加える製品として手ごろな価格は魅力的。25mm F1.8 II のような金属外装ではないものの、プラスチッキーで安っぽいとは感じません。必要十分な質感。
AFはレンズの長所と言えませんが、短所でも無し。パナソニックの競合製品と比べて最短撮影距離が長いものの、マクロ以外の一般的な撮影で困ることは多くないと思います。
肝心の光学性能はと言うと、競合製品のLUMIX G 42.5mm F1.7と比べて解像性能がやや低め。M.ZUIKOは比較して色収差がやや少ないものの、隅の解像性能に低下が見られます。ボケ質や逆光耐性などを考慮する必要があるものの(後日検証予定)、強力なライバルであるのは間違いなさそう。
購入早見表
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作例
関連レンズ
- M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO
- LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2 ASPH./POWER O.I.S.
- LUMIX G 42.5mm/F1.7 ASPH./POWER O.I.S.
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