PERGEAR 60mm F2.8 Macro 2Xは良質なボケだが解像性能と操作性が悪い

Sony Alpha Blogが「PERGEAR 60mm F2.8 Macro 2X」のレビューを公開。ボケは競合レンズよりも滑らかで綺麗ですが、シャープネスや操作性、逆光耐性などの点でおススメできないと言及しています。

Sony Alpha Blog：Pergear 60mm F2.8 Macro 2:1

レンズの紹介：

記載なし。

ビルドクオリティ：

絞りリングとフォーカスリングと備えたフルマニュアルレンズだ。EXIF情報は記録されない。

総金属製で良好なビルドクオリティだ。

携帯性：

記載なし。

操作性：

幅広いフォーカスリングは正確な操作を実施するのに十分なトルクがある。

フォーカスリングのストロークはマクロ撮影時に適しているが、無限遠側（50cm~∞）のストロークがわずか20°と短く、一般的な撮影がとても難しい。

ポートレートの撮影距離でもフォーカシングは難しい。

オートフォーカス：

記載なし。

マニュアルフォーカス：

記載なし。

手ぶれ補正：

記載なし。

解像性能：

α6000でテストした。

中央で優れた結果を得るにはF5.6まで絞る必要がある。

F8まで絞るとフレーム全体で一貫性のある結果が得られる。

全体的に平凡以下の性能だ。

マクロ撮影時のパフォーマンスは良好だ。F5.6まで絞ると最適な結果を得ることが出来る。

像面湾曲：

記載なし。

ボケ：

後ボケは全体的にソフトだ。

玉ボケは柔らかく丸みを帯びているが、F4の時点で9枚羽根の形状が見える。

残念ながら、玉ボケの縁取りには目立つ色づきがある。

色収差：

目立たないが、F5.6でも発生している。

球面収差：

記載なし。

歪曲収差：

糸巻き型の歪曲収差がある。

周辺減光：

F2.8で目に付き、F5.6で徐々に解消する。

コマ収差：

記載なし。

逆光耐性：

光条はハッキリとしている。

逆光耐性は平凡以下だ。

発色は良好だが、フレアの影響を受けやすく、彩度が低下しやすい。

競合レンズ比較：

以下の2本と比較する
・7Artisans 60mmF2.8 Macro II
・LAOWA 65mm f/2.8 2x Ultra Macro APO

PERGEARは競合レンズよりも2倍重く、長いレンズだ。

フォーカスリングのストロークはLAOWAのほうが優れている。

解像性能は競合レンズの中で最も悪い。

LAOWAはあらゆる状況で最高画質と発色だ。

7ArtisansとPERGEARはF5.6まで絞ると同等だ。

2倍マクロ時はLAOWAのほうが優れている。

色収差は7ArtisansとPERGEARが低く、次いでLAOWAだ。

逆光耐性はLAOWAが最も良好、次いで7Artisans、そしてPERGEARだ。

発色はLAOWAが最も良好だ。

ボケ・玉ボケはPERGEARが最も良好だ。ついで7Artisans、LAOWAと続く。

PERGEARは大きく、重く、マクロ以外のフォーカシングが難しい。シャープネスは平凡以下で、等倍以上のマクロ撮影ではLAOWAに劣る。私は7ArtisansやLAOWAのほうがおススメだ。

作例集

総評

低価格なマクロレンズだが、クオリティが残念だ。シャープネスはF4~F5.6で実用的となり、それまで隅はとてもソフトである。2倍マクロの品質は期待外れで、逆光耐性はかなり悪い。
ビルドクオリティは良好だが、大きく重く、フォーカスリングは無限遠側が短すぎる。このレンズはおススメしない。

長所：
・マクロ域のフォーカスリングのストローク
・F5.6以降で良好な等倍撮影
・良好なビルドクオリティ
・良好な玉ボケ
・良好な後ボケ

平凡：
・なし

短所：
・無限遠側のフォーカスリングのストローク
・とても重い
・とても大きい
・隅のシャープネスが悪い
・絞り開放の画質が残念
・逆光耐性
・価格

とのこと。
私も富士フイルムXマウント用を使ったことがあり、概ね同意できる内容となっています。ボケは確かに滑らかで綺麗ですが、その他の部分は使い勝手が悪く感じます。ボケは柔らかく綺麗なので、長所を活かしたいところですが、フォーカスリングのストロークが非常に短いのが玉に瑕。特にライブビュー拡大倍率が小さい富士フイルム機ではかなり使い辛いと感じました。個性的なレンズですが、他人におススメするとしたら、「7Artisans 60mmF2.8 Macro II」か、より手ごろな価格の「TTArtisan 40mm F2.8 Macro」になると思います。

PERGEAR 60mm F2.8 Macro 2X 最新情報まとめ