M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
桜の季節が過ぎ去ってしまい写欲もひと段落ついたので、最近購入したレンズのインプレッションをざっくり書いていきたいと思います。
今回は稀に見るF4高倍率で高い解像力を発揮する「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」。
個人的な評価
解像力 | |
ボケ | |
発色 | |
携帯性 | |
機能性 | |
付属品 | |
価格設定 |
- 貴重な超広角の接写性能
- 防塵防滴の堅牢な高倍率ズーム
- ズームレンジ全域で凄まじい解像力
- 高倍率にしてはボケが綺麗
- 一眼カメラの中でも随一の手ぶれ補正(シンクロ補正時)
解像力は素晴らしいの一言
ここまで解像力の高い高倍率ズームがあっただろうか?その解像力は凄まじいの一言。絞り開放だと望遠側の周辺部がやや甘く感じるものの、1段絞れば並みの単焦点レンズ以上。風景撮影にこれ以上の適役が居るだろうか?
言い過ぎでしょ?と思われるかもしれません。とは言え、単焦点やフルサイズ一眼などと比べての結論なのです。
- 参考:マイクロフォーサーズ随一の解像力を誇るED 75mm F1.8と比較する
- 参考:40-150mm F2.8 PROと描写性能を比較する
- 参考:シグマ 30mm F1.4 DC DNと描写性能を比較する
- 参考:PENTAX K-1のリアルレゾリューションVSハイレゾショット(12-100 PRO)
一見して解像力が高いと感じるコントラストの高さは時として「線が太い」と感じるかもしれない。実はハイレゾショットを使うと角が取れて程よい切れ味になったりする。
広角端から望遠端まで一貫して解像力の高い描写性能ですが、あえて言えば望遠側75?100mm付近にかけての周辺部は絞り開放だとちょっと甘い描写。しかし、1段(F5.6)絞れば嘘みたいに描写が安定するので個人的には「F5.6ズーム」として使っています。
描写の傾向
ボケ
極上とは言えなものの、比較的滑らかで前、後ともに癖の無いボケ。軸上色収差によるボケの色づきが皆無である点も良い方向に作用している。
場合によって背景がざわつくが、気にならない場合の方が圧倒的に多い。
超広角?標準のズームレンジではボケが大きいレンズとは感じません。しかし、望遠域は自ずと被写界深度が浅くなるのでボケ量が多くなるので「F4=ボケが小さい」とは感じ辛い。
逆光耐性
逆光は多くの場合で問題にならないものの、強烈な光源がフレームの四隅にある場合ゴーストが発生する。
このゴーストがあまり褒められない形と大きさのものであり「味」と呼ぶのは難しい。幸いにも構図からずらしてやることでゴーストを回避しやすい。ただし、夜景のように点光源がそこら中に存在する場合は注意が必要。
ゴーストとは対照的にフレアはあまり問題にならない。
色収差の問題が少ない
ハイレゾショットで四隅の画質をチェックすると、僅かに倍率色収差を確認できる。これは高品質な単焦点レンズや大口径ズームと比べると僅かに大きい倍率色収差だ。
しかし、通常撮影では気にならないレベルであり、よほど大きくクロップしなければ問題無い。
軸上色収差はとても良好で、水面をぎらつく太陽にでも照らされない限り問題はないはず。
他社より一歩先を行く手ぶれ補正
他社のどのレンズよりも手ぶれ補正の効き目が高い(E-M1 IIとシンクロ手ぶれ補正時)レンズと感じ、それは望遠端100mmでも同様。これまでの常識を覆させられる手ぶれ補正の性能と言って良いもの。
E-M1 Mark IIとの組み合わせでは、12mmの広角端で手持ち1秒~2秒、望遠端で1/5秒程度までなら成功化率の高い撮影が可能。ただし、この時のドライブモードは静音撮影(完全電子シャッター)がおススメ。
パナソニックのDual.I.Sもかなり良いところまで来ていますが、まだシンクロ手ぶれ補正の方が上手な感じ。
強力なシンクロ手ぶれ補正も過信は禁物。1秒程度なら手持ち撮影でも可能ですが、2秒や4秒以上となってくると失敗率もそれなりに目立ってくる。もちろん成功カットもありますが、失敗率の高い状態は撮影テンポを著しく損なう。
標準・望遠側に関しては1秒以上のスローシャッターは三脚推奨(広角域は一脚で頑張れば6秒程度までならいけそう)。
他に類のないF4開放固定の高倍率
なんと言っても35mm判換算で24?200mmの広いズームレンジを開放F4で固定しているところが素晴らしい。24mm相当の超広角をカバーしているはGood。
どの焦点距離でもF5.6まで絞れば四隅まで安定した描写となるので、初めから1段絞っておけば広角端でも望遠端でも画質を気にせず撮影可能。もちろん被写界深度を丁寧に調整した方がより良いに違いないものの、急なシャッターチャンスには強いと言えるでしょう。
他の高倍率ズームと比べるとズームレンジが狭いので望遠側を重視するならば少し物足りないかもしれません。
接写性能が高い
同じPROズームの「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」や「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S.」と同程度の最大撮影倍率をキープ。ただし、12-100 PROは望遠側での撮影倍率は若干低下しています。
しかし、このレンズの接写性能で特筆すべきは最大撮影倍率が広角域で最大であること。これは他の超広角レンズではあまり例の無い珍しい撮影倍率。
標準には「M.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macro」や「LUMIX G MACRO 30mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S.」があり、中望遠や望遠には「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」や「LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S. H-ES045」がある。しかし、広角において最大撮影倍率が0.5倍(35mm判換算)以上というレンズは中々ない。
携帯性は悪い
他の高倍率ズームと比べると一目瞭然、とてもデカい。レンズのサイズはAPS-Cやフルサイズの高倍率ズーム並みであり、携帯性が良いとはとても言えません。
とは言え、他社に換算24-200mmの開放F値 F4固定の高倍率ズームが存在しないので、実際のところ比較はできず。例えばフルサイズでこの焦点距離のF4ズームを揃えようとするとレンズが2本必要。
フィルター径は72mmであり40-150 PROと一緒。40-150 PROにテレコンを装着すれば12-100mm、56-210mmのF4通しシステムが完成するのでおススメ。
このレンズは買いか?
刺さる人には骨の髄まで突き刺さり、刺さらない人には「高すぎる!」と一蹴されるレンズでしょう。解像力や強力な手ぶれ補正が必要ない人にとってはオーバースペックに違いありません。
個人的には前者であり、マイクロフォーサーズを代表するレンズの一つと感じています。高倍率ズームレンズも色々と使ってきましたが、ここまで描写が一貫して安定しているレンズを見たことが無い。
解像力の高いズームレンズで旅のお供にこれ一本。と言いたいところですが、普段からこのレンズだけ使っていると大きくとろける様なボケ味が恋しくなる時も。高倍率ズームのお供に単焦点レンズを一本くらい添えておくと良いかもしれません。
確かにボケが大きいレンズではありませんが、超広角を使った遠近感・望遠を使った圧縮効果と言った表現を画質に妥協する事無く一本のレンズに纏める事ができるのは魅力的なことでは無いでしょうか?
競合レンズ
「LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S. 」…DMC-GX8とセットで使用していた時期があります。コンパクトでGX8とのバランスが良くお散歩カメラに最適。画質も12-100 PROと比べて大きく見劣りするものでは無い。さらに望遠側がより長いため、圧縮効果を高めたり、遠くの被写体を撮る機会が多いのであればこちらをチョイスするのもアリ。プラスチック鏡筒、非防塵防滴なので悪条件の撮影環境には向いていません。
購入早見表
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