このページではキヤノン製フルサイズミラーレス用交換レンズ「RF24-240mm F4-6.3 IS USM」の外観・操作性・AFのレビューを掲載しています。
チェックポイント
- 箱・同梱品
- レンズの外装と操作性
- ズーム操作時の変動F値の確認
- EOS R装着時のバランスチェック
- 静止画・動画でのAF動作テスト
- 焦点距離ごとの最短撮影距離
- バリフォーカル特性の確認
箱・同梱品
キヤノンRFシリーズではお馴染みの黒い箱。同梱品は限られており…
- 説明書
- 保証書
- レンズキャップ前後
上記3点のみ。ケースはともかくレンズフードまで付属しないのはキヤノンらしいと言えばらしいですが、10万円近いレンズに同梱しないのはどうかと思うのです。ちなみに別売りレンズフードはおよそ3000円程度。
レンズフード EW-78F | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
外観
全体的な質感は他のRFレンズと同程度。外装はプラスチック製で似たような意匠が施されています。キヤノンの標準ズームレンズとしては珍しくフォーカスリングが手前に配置されているのは一つの特徴と言えるでしょう。お陰様で誤操作が若干多いように感じます。
ちなみに製造国は台湾。
ズーム操作によりプラスチック製の内筒が前後します。24mm時に最も短くなり、ロックスイッチで固定可能。240mm時に最も長くなります。レンズの自重によるズレは発生せず、程よい抵抗量で状態を維持。
ズーム操作による開放F値の変動は以下の通り
- 24mm:F4.0
- 28mm:F4.5
- 44mm:F5.0
- 70mm :F5.6
- 105mm:F6.3
広角域以外はRF24-105mm F4Lと比べて1段前後暗いレンズと認識しておけば良さそうです。解像性能はF5.6~F8がベストなので、遠景の風景写真などでは少し絞った状態にしておくと使いやすいかもしれません。
フィルター径は72mmを採用。RFレンズでは他にこの径を採用しているレンズは存在しません。77?82mmか、35マクロの52mm。汎用性が低いのでステップアップリングで77mmか82mmフィルターを使うのが良さそうです。
RF24-105mm F4L IS USMと異なり前玉にフッ素コーティングは施されていません。水飛沫や油汚れが付着しそうな状況ならば対応するプロテクトフィルターを装着しておいた方が良いでしょう。
後玉は固定されておらず、ズーム操作により前後に移動します。レンズマウント面に防塵防滴仕様は施されていないので、ズーム操作により外部の塵やゴミを吸い込む可能性は比較的高いかもしれません。
内部は反射防止のため黒塗りされています。ズーム操作で後玉が前方へ大きく移動しても反射に繋がる明るいパーツはほぼ無し。フレキも反射を極力抑えているように見えます。
レンズ全長はRF24-105mm F4L IS USMよりも若干長く、収納性はそこまで良くありません。とは言え、24-240mmのズームレンジを考慮するとこんなものでしょう。重量が750gあるので、EOS Rと組み合わせると少しフロントヘビーと感じます。しかしEOS Rの握りやすいグリップならば、ハンドリングで大きな問題は感じません。
操作性
ズームリングの回転角は約100度。ワンアクションで24mmから240mmまで移動するには少し大きめの回転角と感じます。程よく滑らかに回転し、自重落下しない程度の抵抗量です。抵抗は一定ですが、望遠端付近のみ僅かに抵抗が増す印象。
RFレンズ初となるフォーカスリングとコントロールリングの兼用デザイン。兼用は特に問題を感じませんが、カメラを支える左手で触れやすい配置となっているのが気になるところ。特にフルタイムマニュアルをオンにしていたり、コントロールリングとして使っていると誤操作の頻度が高くなるかもしれません。リング機能を無効にするスイッチも欲しかったところ。
レンズ側面のスイッチはフォーカスリング・コントロールリングの切り替えスイッチと光学手ぶれ補正のオンオフ。AF/MF切替スイッチは省略されているため、ボディ側での切り替えが必須。
ニコンZシステムもフォーカスリングをコントロールリングとして利用可能ですが、役割の設定はボディ側のメニューでのみ変更可能。素早い操作には不向きで、このレンズのように素早く切替可能なデザインは素晴らしい。
AF
静止画
「ナノUSM」らしく、ほぼ無音で非常に高速なオートフォーカス。シングルポイントなどでたまに動作が遅くなることもありますが、基本的にボディ側の問題でありレンズ側のパフォーマンスはとても高い。
最短撮影距離は焦点距離によって変動するので注意が必要。24mm時の最短撮影距離は50cmなので広角域で寄れるレンズとは言えません。最大撮影倍率は0.26倍と高いですが、これは240mmを使った時なので注意が必要。
各焦点距離における最短撮影距離はライブビューのピント距離情報を見る限り…
- 24mm:0.5m
- 35mm:0.5m
- 50mm:0.5m
- 70mm:0.5m(少し長くなる)
- 100mm:0.6m
- 150mm:約0.7m
- 240mm:約0.7m
となっています。
動画
ピント移動時の画角変化(フォーカスブリージング)は目立たず、オートフォーカスは滑らかで自然なピント移動となっています。
バリフォーカル特性の確認
広角側でピントを合わせるとクローズアップ時にズレてしまいますが、クローズアップ時にピントを合わせるとまずまず良好。ズームアウト時にピントが僅かに手前へ移動しますが、急激なピンボケとはならないようです。
雑感
メモ
- レンズフードが同梱してない
- プラスチック外装だが安っぽさを感じない外装
- フォーカス操作・コントロール操作兼用リング
- 兼用リングは誤操作しやすい
- 105mm時に開放F値がF6.3に到達
- 防塵防滴非対応・フッ素コーティングなし
- 高速・静音のオートフォーカス
レンズフードが同梱していない以外は良くまとまったレンズで、24-240mm高倍率ズームとしては程よいサイズ感で使いやすい。敢えて言えば、防塵防滴仕様だとさらに旅行や行楽で使いやすかったかなと。さらに、コントロールリングの配置は従来通りレンズ前方のほうが誤操作少なかったはず。
今回使用した機材
EOS R | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
? | キタムラで中古在庫を探す |
サイト案内情報
キヤノンレンズ関連記事
- キヤノン EF35mm F1.4L II USM 生産完了
- RF10-20mm F4 L IS STM 10mmカバーながら驚くほどコンパクト
- キヤノン EOS R1・R5 Mark IIが供給不足リストから外れる
- Adobe Camera RAWがα1 IIやZ50II、RF F1.4 L VCMなどに対応
- キヤノン「RF65mm F2 IS」「RF-S50mm F2 IS」「RF-S85mm F2 IS」を想定したような特許出願
- キヤノン「15-50mm F4-6.3」「17-60mm F2.8-5.6」など光学系の特許出願
- キヤノン 薄型広角レンズ「21mm F5.6」「24mm F8」「26mm F3.5」光学系の特許出願
- キヤノン EF50mm F1.2L USM 生産完了
- RF35mm F1.4 L VCM 軽量化と高性能を両立しているが逆光耐性と色収差が課題
- キヤノン ”カモメレンズ”を使用したコンパクトな85mm F1.8 光学系の特許出願
Facebookで最新情報やカメラ・レンズのレビューを発信しています。
「いいね!」を押すとFacebookの最新情報が届きます。