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RF45mm F1.2 STM レンズレビューVol.2 解像チャート編

RF45mm F1.2 STM」のレビュー第二弾 解像チャート編を公開。フォーカスシフトの影響があるものの、しっかりとピントが合った場合は広い範囲で良好な結果が得られるようです。

簡易的なまとめ

フォーカスシフトの影響について指摘しましたが、ピントの山がずれる量はごく僅か。実際に問題を感じるのは平面的な被写体を中程度の絞りで撮影したときのみ。例えば今回のようなチャートテストや、遠景を絞り切らずに撮影する場合。

立体的な被写体を撮影するぶんには、問題を感じる機会が少ないはず。そして、RF45mm F1.2 STMを使う人の多くはそのような用途で利用すると思います。無理してMFを利用する必要はありません。

I mentioned the effect of focus shift, but the amount of focus shift is extremely minimal. You'll only actually notice an issue when shooting flat subjects at medium apertures. For example, in situations like this chart test or when shooting distant scenes without fully stopping down.
When shooting three-dimensional subjects, you're unlikely to encounter problems. And I believe most users of the RF45mm F1.2 STM will use it for such purposes. There's no need to force yourself to use manual focus.

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RF45mm F1.2 STMのレビュー一覧

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:EOS R5 Mark II
  • 交換レンズ:RF45mm F1.2 STM
  • パール光学工業株式会社
    【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

AFでピント合わせ

テスト結果

Center Mid Corner
F1.2 2664 3162
F1.4 2599 3340
F2.0 2910 4068 2521
F2.8 2528 4016 3285
F4.0 3183 3990 3464
F5.6 3611 4127 3330
F8.0 3948 3620 3322
F11 4101 3316 2721
F16 3491 3232 2974

通常であれば中央解像の数値が最も高く、F2.8前後でピークの性能に到達します。しかし、このレンズはF2.8まで低迷、その後は徐々に数値が上昇する不思議な傾向。これは「絞りによってピントの山が動く(フォーカスシフト)」「EOS Rは基本的に絞り開放を使ったAF」という2つの要素が影響しています。

キヤノンは絞り開放測距

キヤノンEOS RのAFは「絞り開放」で動作します。AF動作後に設定した絞り値(F値)まで絞りを閉じて撮影。球面収差が良好に補正されたレンズであれば問題ありません(RFレンズの大部分は良好に動作)。

残存収差でピントの山がずれる場合がある

RF45mmは残存収差の影響があり、絞りを閉じた際にピントの山が少しずれてしまうようです(諸収差編で解説)。

競合他社の場合「絞った状態でAFを動作する」機能があるので、収差の影響を内包した状態でAFを利用できます(例えばニコン)。しかし、キヤノンの場合は絞り開放測距しかありません。

解決方法

キヤノン機で問題を解決するには「絞りプレビュー」機能で絞りを閉じた状態を作り、MFでピントを合わせをする必要があります。カメラのいずれかのボタンに絞りプレビューを割り当て、手動でフォーカスを操作します。

拡大中に絞りプレビューを合わせて使いたい場合「電子フォーカスリングの制御」について「常時使用」に設定を変更する必要あり。

以上を踏まえてMFでテストした結果が以下の通り。

MFでピント合わせ

ご覧のように、中央の数値が一般的な弧を描くようになりました。F1.2の絞り開放で数値は低めですが、F4-5.6のピークにむけて急速に改善します。周辺も中央と同程度の結果が得られるものの、四隅は絞っても大幅な改善は期待できないようです。

中央

F1.2の絞り開放でややソフトですが、F2まで絞るとコントラストが改善します。F4-8でさらに伸びしろがあるものの、ピント面をシャープに写したい場合は少なくともF2まで絞っておきたいところ。

F4付近まで絞ると、EOS R5 Mark IIの4500万画素でも満足のいく結果が得られます。

周辺

中央とよく似た結果ですが、倍率色収差の影響が少し残っているようです。基本的にはF2で実用的な解像性能が得られ、F4で非常にシャープな結果。ただし、色収差の影響は消えないので、カメラや現像ソフトでの補正が必要となります。

四隅

中央や周辺と比べるとかなりソフトな結果。これはコマ収差などが影響していると思われます。絞ると改善するので、少なくともF2.8までは絞りたいところ。F4以降でピークの性能ですが、倍率色収差の影響で解像性能の数値が伸び悩んでいます。

数値確認

Center Mid Corner
F1.2 2492 3080
F1.4 3156 3071
F2.0 4082 4152 2721
F2.8 4330 4340 2874
F4.0 4612 4465 3307
F5.6 4653 4101 3374
F8.0 4634 4027 3496
F11 4292 3473 3105
F16 3317 3098 2810

まとめ

フォーカスシフトの影響について指摘しましたが、ピントの山がずれる量はごく僅か。実際に問題を感じるのは平面的な被写体を中程度の絞りで撮影したときのみ。例えば今回のようなチャートテストや、遠景を絞り切らずに撮影する場合。

立体的な被写体を撮影するぶんには、問題を感じる機会が少ないはず。そして、RF45mm F1.2 STMを使う人の多くはそのような用途で利用すると思います。無理してMFを利用する必要はありません。

実際のところはどうなのか?
私の経験で言えば、満足のいく結果が得られています。フォーカスシフトの影響で「ピントの山が遠側に極わずかに動く」としても、大きな問題はありません。

F2まで絞れば広い範囲でシャープな結果が得られ、F8まで絞ると本当の隅を覗いて非常に良好。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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