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smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited レンズレビュー 解像性能編

ペンタックス「smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited」のレビュー第一弾を公開。まずは恒例の解像力チャートを使った近距離での解像力テストの結果を公開しています。コントラストの低下はあるもののF1.8から良好な結果となりました。

まえがき

レンズのおさらい

レンズ概要

  • 2002年8月8日 発売
  • 商品ページ
  • データベース
  • 管理人のFlickrアルバム
  • レンズ構成:6群7枚
  • 開放絞り:F1.8
  • 最小絞り:F22
  • 絞り羽根:9枚
  • 最短撮影距離:0.7m
  • 最大撮影倍率:0.14倍
  • フィルター径:φ49mm
  • レンズサイズ:φ64 x 48 mm
  • 重量:270g
  • アルミ素材を使用した外装
  • 七宝焼フィンガーポイント

2002年に登場したフィルム時代の交換レンズですが、未だに現役かつ人気の「FA Linited」シリーズの一つ。こだわりの光学設計・デザイン・焦点距離に加え、中望遠レンズながらコンパクトで軽量に仕上がっているのも魅力的なポイント。FA Limitedは熱狂的なファンが多く、ネット上では数多くのレビューや解説を見つけることが出来ます。敢えてこのブログで追記する必要は無いでしょう。

レンズは6群7枚と最新モデルと比べてシンプルな作り。競合他社の古い「85mm F1.8」と比べても枚数が少なく、コンパクトで軽量なレンズです。特殊レンズを使用していませんが、ある程度の像面湾曲を受け入れることで、非点収差と色収差を最小限に抑え、出力を微調整していると言われています。

AF/AE対応モデルですが、メカニカルな絞りリングを搭載。このため、マウントアダプター経由でMFレンズとして使うことも可能。ソニーEマウントやニコンZマウント用のAF対応ライカMマウントアダプターを使うことでAFを利用することも出来ます(間にPENTAX KーLeica Mマウントアダプタが必要)。

2021年現在、最新コーティングと円形絞りを採用した「HD PENTAX-FA 77mm F1.8 Limited」が登場。レンズ構成はそのままに、HDコーティングで逆光耐性を強化し、SPコーティングでメンテナンス性を向上。さらに円形絞りの採用で絞った際のボケ描写を改善しています。

古いsmc版が生産終了となるのか不明ですが、販売価格は徐々に下がってきています。今回は手ごろな価格となったsmc版を購入してレンズの描写性能をテスト。

価格のチェック

参考までにHD版も掲載。smc版はここ最近になって急速に値を下げており、買い方次第で6万円ちょい、人によっては5万円台で購入可能と思われます。HD版が9?10万円と考えると魅力的な価格設定ですね。この価格がいつ頃まで維持できるのか不明。従来の価格設定だと「中望遠 F1.8」としては少し高価でしたが、5?6万円であれば検討できる値付けかなと。

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解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:EOS R5
  • 交換レンズ:smc PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited
  • パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • EOS R5のRAWファイルを使用
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェックしています)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証しています。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性があります。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

テスト結果

中央

絞り開放から「3500」を超える良好な結果。軸上色収差による色づきやコントラスト低下があるものの、良好な解像性能と言えるでしょう。さらに1段絞ると「4000」を超える非常に良好な結果となり、ピークのF5.6で「4500」を超えています。パフォーマンスはF11まで「4000」前後を維持し、F16?F22で回折の影響を受けて画質が低下します。F16からF22の落ち込みが少ないのは、絞り羽根がF22まで絞れていない可能性あり。

周辺

中央と比べるとコントラストが低下しますが、解像性能は中央と同程度。コンパクトな単焦点レンズとしては健闘していると思います。ただし、絞るとわずかにパフォーマンスは低下し、F5.6?F8で持ち直します。F2.8?F4でフォーカスシフトの影響があるのかもしれません。
ピークのF8に向かって解像性能が向上し、最終的に「4000」を超える非常に良好な結果を得ることが出来ます。

四隅

周辺部と比べてさらにコントラストが低下するものの、解像性能は「3000」を超えるまずまず良好な結果。周辺と同じく絞ると少し低下しますが、F5.6?F8で改善します。「4000」こそ超えないものの、それに近い結果は評価すべきポイント。小型軽量な単焦点レンズとしては意外な結果でした。

数値確認

中央 周辺部 四隅
F1.8 3618 3745 3333
F2.8 4292 3519 3491
F4.0 4255 3326 3403
F5.6 4675 3731 3745
F8.0 4216 3901 4174
F11 3933 3635 3789
F16 3232 3113 3218
F22 3194 3036 2925

実写確認

絞り開放付近は軸上色収差の影響と思われる色付きあり。 F2.8まで絞ると全体的にコントラストは改善しますが、周辺部から四隅にかけて改善の余地を残しています。ただしコントラストは低いものの、芯のはっきりとしたシャープネスに見えます。もう1段絞ったF4では、全体的にコントラストが改善し、実用的な画質を実現。さらにF5.6では四隅に残ったディテールの甘さも消え、中央はピークの性能を達成。F8まで絞ると隅までとても良好な結果に見えます。

レンズ比較

同じくEOS R5でテストした「RF85mm F2 Macro IS STM」と比較してみると、中央のピークは同程度、四隅はより良好な結果となりました。実写ではRF85mm F2がより良好なコントラストですが、繊細な描写はFA77mm F1.8のほうが優れているようです。

今回のおさらい

絞り開放の軸上色収差が目立ちますが、全体的にシャープで満足のいく結果。解像性能に弱点といえる部分はありません。絞ると周辺部まで解像性能の伸びが良く、絞りの変化を楽しめるレンズに仕上がっています。 6群7枚のシンプルなレンズ構成ながら、とても立派な光学性能だと感じました。?

解像性能に限って言えば、最新設計のミラーレス用レンズと比べても見劣りしません。少なくとも4500万画素の高画素モデルと組み合わせても実用的な結果を得られることでしょう。発売から20年ほど経つ息の長いレンズですが、まだまだ現役の光学性能。

繊細な描写に適していますが、線の太いパンチのある解像感ではありません。おそらく向き不向きが出てくるはず。ポートレート向きの描写傾向であり、人工物や街中スナップでカッチリ写したい場合には物足りないと感じるかも。(FA77mmでも絞れば線が太くなります)

購入早見表

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作例

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