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銘匠光学 TTArtisan 10mm F2 C レンズレビュー Vol.1 外観・操作性 編

銘匠光学「TTArtisan 10mm F2 C」のレビュー第一弾を公開。今回はレンズの外観や操作性、カメラに装着してMFの使いやすさなどを確認しています。

はじめに

今回は焦点工房から期間限定で無償提供していただいた製品を評価しています。レビューにあたり、金銭の受け取りやテスト結果・評価への指示は一切ありません。無意識のバイアスがかかっている可能性を否定できませんが、これまでに様々な製品をレビューしてきた経験をもとに、出来る限り客観的な評価を心がけています。

TTArtisan 10mm F2 Cのレビュー一覧

まえがき

国内では2023年末から2024年はじめ頃に発売が始まった銘匠光学のAPS-C用広角レンズ。開放F値がF2と大口径ながら、販売価格は3万円未満に抑えられています。10mm前後の広角レンズとしては最も安い選択肢であり、このようなレンズを探している人にとって面白い選択肢となるはず。

  • 公式
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  • データベース
  • 発売日:2023.12.8
  • 初値:¥26,820
  • マウント:E / X / Z / M43 / RF
  • フォーマット:APS-C
  • 焦点距離:10mm
  • レンズ構成:10群13枚
  • 開放絞り:F2
  • 最小絞り:F22
  • 絞り羽根:8枚
  • 最短撮影距離:0.25m
  • 最大撮影倍率:不明
  • フィルター径:72mm
  • 手ぶれ補正:-
  • テレコン:-
  • コーティング:不明
  • サイズ:60×63mm
  • 重量:333-345g
  • 防塵防滴:-
  • AF:MF限定
  • その他:電子接点なし

価格のチェック

国内での販売価格は2.6万円でスタート。カメラメーカー純正品は6~10万円と倍以上の高価なレンズであることを考慮すると手ごろな価格と言えるでしょう。(フルマニュアルレンズで問題なければ)

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外観・操作性

箱・付属品

箱は従来通りのTTArtisanらしいデザイン。TTArtisan AFレンズのブラック箱とは異なり、箱の色はグレーを基調としています。上蓋はファブリック調のカバーが施されており、(高級感があるとは言えないものの)それっぽい作りとなっています。箱の中には発泡材に包まれたレンズ本体があります。段ボールで間仕切りされている日本メーカーの箱よりもワクワクする見栄えで、良好な購入体験が得られます。箱の中にはレンズ本体に加え、フィルターアダプターとかぶせ式キャップが付属。その他には中国語の説明書と、正規代理店である焦点工房の2年保証書が入っています(保証を受けるためには購入時の納品書などが必要と明記)。

外観

レンズは総金属製のしっかりとした作り。意匠は最低限で、シンプルがデザイン。ピント距離や絞り値などの表示は白色でプリントされたもの。エッチング加工などは施されていないように見えます。

前玉は前方へ突出しており、形状のためねじ込み式フィルターには対応していません。ただし、後述するフィルターアダプターを装着すること利用することが出来ます。

ハンズオン

全長63mmとコンパクトなレンズですが、重量は330g程度とやや重め。そのぶん金属とガラスの塊感が得られ、安っぽい印象は受けません。

前玉・後玉

前述したとおり、前玉が前方に突出した魚眼レンズのような形状。この状態でねじ込み式フィルターは装着することが出来ません。

しかし、このレンズにはフィルターアダプターが同梱しており、レンズ外装にねじ込みで装着可能。72mm径の円形フィルターに対応しています。前玉がフッ素コーティング処理されていないので、水滴などの汚れ、ダメージなどが想定される場合は保護フィルターを装着しておくと良いでしょう。風景撮影や天体などでC-PLやソフトフィルターを使うことも出来ます。

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金属製レンズマウントは3本のビスで本体に固定。マウント部には対応するマウントの種類がプリントされています。後玉はやや小さめで、周囲は反射を抑えるためのマットブラックな塗装が施されています。リアフォーカス式のため、フォーカシングで後玉が僅かに前後します。

フォーカスリング

金属製フォーカスリングは0.25mから∞の間で操作可能。回転は適度というには少し重めですが、滑らかに回転します。ストロークは90度を少し超える程度ですが、やや重めのフォーカスリングで微調整は簡単。

絞りリング

マウント付近には金属製の小さな絞りリングを搭載。F2からF16まで操作でき、1/2段刻みでクリックあり。クリックを解除することはできませんが、使い勝手は良好。

ケラレ耐性

今回は作例なしですが、フィルターアダプターを装着した状態で1枚までならけられずに装着可能(APS-C)。2枚目を装着すると隅がケラレてしまい、絞っても黒い領域が残ってしまいます。マイクロフォーサーズで利用する場合は4枚程度なら重ねて装着しても問題なさそうでした。

装着例

マイクロフォーサーズのGM1Sやソニーのα7R Vに装着。コンパクトサイズのため、マイクロフォーサーズの中でもボディサイズが小さいGM1Sと組み合わせてもアンバランスではありません。小型軽量なAPS-Cとも相性が良さそうです。

MF

フォーカススピード

滑らかで適度なストロークのフォーカスリングですが、回転がやや重めでピント全域を移動するには時間がかかります。と言っても、全域を素早く移動するような使い方はほとんど無いと思われ、重めのリングのほうが素早くピント合わせが可能。

精度

前述の通り、重めで滑らかに回転するフォーカスリングのため、近距離でも良好な精度でピント合わせが可能。無限遠でピントの山に合わせたい場合も問題ありませんでした。(オーバーインフが多少あるので山を見つけやすいです。)

まとめ

TTArtisanらしく、手ごろな価格ながらしっかりと作られているMFレンズです。特にフォーカスリングと絞りリングの操作性が良好で、フルマニュアルながら快適なピント合わせが可能。低価格で明るい超広角レンズを試してみたいのであれば面白い選択肢となりそう。注意点を挙げるとすると、ねじ込み式のフィルターアダプター。装着後に固定することが出来ないので、きつく締めておかないと簡単に緩んでしまいます。「APO-M 35mm F2 ASPH.」のねじ込み式フードのように、Oリングで摩擦を高めていると良かったかなと。

購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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