TTArtisan 機材レビュー 管理人レビュー

TTArtisan APO-M 35mm F2 ASPH. 徹底レビューVol.6 周辺減光・逆光編

銘匠光学「TTArtisan APO-M 35mm F2 ASPH.」のレビュー第六弾を公開。今回はピント位置による周辺減光の影響や光源の配置で逆光耐性がどのように変化するのかチェックしています。

TTArtisan APO-M 35mm F2 ASPH.のレビュー一覧

はじめに

今回は焦点工房から期間限定で無償提供していただいた製品を評価しています。レビューにあたり、金銭の受け取りやテスト結果・評価への指示は一切ありません。無意識のバイアスがかかっている可能性を否定できませんが、これまでに様々な製品をレビューしてきた経験をもとに、出来る限り客観的な評価を心がけています。

周辺減光

周辺減光とは?

周辺減光とは読んで字のごとく。フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ちを指す。中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となる傾向。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生する。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象だが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景で高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

最短撮影距離

絞り開放から目立つ光量落ちは見られないが、絞っても周辺部に大幅な改善は見られない。

無限遠

無限遠でもF2から良好だ。35mmの大口径単焦点レンズと言えば光量落ちが目立つモデルが多く、このように良好な状態のレンズは少ない。

逆光耐性・光条

中央

正直に言えば良くない。このレンズに限った話では無いが、TTArtisanを含めて中国レンズメーカーの課題となるポイントだ。強い光源を入れると全体的にフレアの影響を受けやすく、コントラスト低下の原因となる。光学性能が良いだけにフレアの影響は残念だ。

光源を隅や周辺部に移動するとフレアやゴーストの影響は抑え安くなる。この点で、従来のTTArtisanよりもかなり良好だ。絞ると徐々に隠れていたフレアがゴーストに変化するが、それでも実写で目立つことは少ないだろう。

光条

F11付近からシャープとなり、F16やF22で綺麗な光条を楽しむことが出来る。回折とのバランスを取るのであればF16あたりが最適値となる。

まとめ

このレンズの欠点を挙げるとしたら逆光耐性だ。TTArtisanのレンズとしては良好なほうだが、それでも国産レンズと比べるとフレアに悩まされる機会がしばしば発生する。幸いにも光源の位置をずらすと目立つフレアを回避可能である。

良好な光学性能だけにフレアによるコントラストは勿体ない。ポートレートなどでフレアがプラスに作用する場合もあると思うが、一般的な撮影ではただただ厄介な存在だ。

また、TTArtisan純正のミラーレス用アダプターは工作精度が悪いのかアダプター前後の隙間から光が差し込んでフレアが発生する場合がある(アダプタ付近にあたる光を遮ると回避可能)。ただし、これは焦点工房からお借りしたZマウント用アダプターのみで発生するので、個体差もしくは初期不良かもしれない。(Eマウント用では問題ない)

光条はまずまず綺麗だが、フォクトレンダーのNOKTONほどのパンチは無い。シャープな描写を得るにはかなり絞る必要があるので、光条目当てて購入するレンズとは言えない。

逆光耐性とは正反対に良好だったのは周辺減光だ。F2から影響はほとんど無く、快適に利用することが出来る。FE 35mm F1.8は補正無しだと非常に目立つ周辺減光が発生する。軸外収差の補正が良好であることも考慮すると、イメージサークルの広い光学系なのかもしれない。

購入早見表

TTArtisan APO-M 35mm F2 ASPH.
楽天市場 Amazon キタムラ Yahoo
ソフマップ icon e-BEST ノジマ PayPay
ビックカメラ icon キタムラで中古在庫を探す

作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

関連レンズ

関連記事

-TTArtisan, 機材レビュー, 管理人レビュー
-,