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VILTROX AF 13mm F1.4 STM レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編

「VILTROX AF 13mm F1.4 STM」のレビュー第一弾 外観・操作・AF編を公開。良好な作りで操作性やAFも良好。AF/MFスイッチや絞りのクリック解除機能はありませんが、富士フイルムやニコンでは貴重な選択肢。

簡易的なまとめ

セール時に5万円程度と考えると、お手頃価格の大口径広角レンズ。競合製品不在で、16mmよりも広い画角のF1.4レンズを探している場合はこれ一択。金属製のしっかりとした作りで、フォーカスリングや絞りリングの操作性は良好。AFにこれと言った問題はなく、フォーカスブリージングは良く抑えられています。

ソニーEマウントには「E 11mm F1.8」「E 15mm F1.4 G」が存在するため厳しい戦いかもしれませんが、富士フイルムXマウントやニコンZマウントであればスペックの近い競合製品は無し。

Considering that it is around 50,000 yen during sales, this is a reasonably priced large-diameter wide-angle lens. With no competing products, this is the only choice if you are looking for a F1.4 lens with a wider angle of view than 16mm. It is solidly made of metal, and the focus and aperture rings are easy to operate. There are no particular problems with the AF, and focus breathing is well controlled.

It may be a tough battle against the Sony E-mount lenses “E 11mm F1.8” and “E 15mm F1.4 G”, but there are no competing products with similar specifications for the Fujifilm X-mount or Nikon Z-mount.

VILTROX AF 13mm F1.4 STMのレビュー一覧

まえがき

国内では2022年末から流通し始めたAPS-Cミラーレス用の大口径広角レンズ。APS-C用で13mm付近の焦点距離をF1.4でカバーしているレンズは非常に貴重で、直接競合する製品は存在しません。他社にF2 / F2.8 の単焦点レンズは存在するものの、F1.4のAFレンズは本製品のみ。F値を妥協すると「E 11mm F1.8」「YN11mm F1.8 DA DSM WL」などの選択肢が存在します。

レンズマウント E / X / Z
対応センサー APS-C
焦点距離 13mm
レンズ構成 11群14枚
開放絞り F1.4
最小絞り F16
絞り羽根 9枚
最短撮影距離 0.22m
最大撮影倍率 不明
フィルター径 67mm
手振れ補正 -
テレコン -
コーティング HDナノマルチコート
サイズ φ74×90mm
重量 420g
防塵防滴 対応
AF STM
絞りリング あり
その他のコントロール -
付属品 レンズフード

APS-C用レンズとしてはやや大きめですが、13mmの焦点距離でF1.4の大口径を実現。レンズ構成は11群14枚で、4枚のEDガラスや2枚の非球面レンズを採用した本格的な光学設計。MTFを見る限りでは隅に向かって顕著な落ち込みはなく、使いやすそうな光学性能。

AFは静かで滑らかな動作を期待できるステッピングモーター駆動を採用。可動部にはシーリングを備えている防塵防滴仕様となっています。

価格のチェック

売り出し価格は5万円前後で、開放F値と希少性を考慮すると非常にリーズナブル。しかし、ここ最近は通常価格が8~9万円まで少々。セール時に5万円付近まで値下げすることがあります。サードパーティ製のレンズとして安くはないものの、驚くほど高価でもありません。

外観・操作性

箱・付属品

最近のVILTROXレンズらしく、白を基調とした明るめのデザイン。かぶせ式の蓋に未開封を示す封印が施されています。しっかりとした作りですが、封印テープ跡の粘着性が強く、机などの塗装を剥がしてしまう可能性がある点に注意。

レンズ本体のほか、レンズフードとリアキャップ、ポーチ、説明書などが付属。

外観

レンズ本体は全体的に金属パーツを使用した頑丈な作り。質感が良く、富士フイルム純正XFレンズとよく似ています。レンズ取り付け位置の指標やバッヂのデザインなどは富士フイルムを強く意識している印象。

外装は全体的に光沢を少し残したマットブラックの塗装。傷がつきにくく、指紋も目立ちません。表面の絞り値やロゴなどはプリントされたもの。レンズのシリアルナンバーやCEマークなどの表示はマウント付近にシールで張り付けられています。

ハンズオン

金属鏡筒で11群14枚の複雑なレンズ構成と言うこともあり、適度に重量感のあるレンズです。と言っても手持ち撮影が困難なほど重いわけでもなく、長時間の手持ち撮影が苦になることはありませんん。

前玉・後玉

防汚コーティングが施されている前玉は撥水・撥油性が高く、メンテナンスが容易。とは言え、ダメージが予想できる環境ならばねじ込み式フィルターを装着して事前に保護することが出来ます。フィルター径は67mmに対応。

レンズ前面には白文字でレンズ名や最短撮影距離、フィルター径などをプリント。フィルター装着時は白色が写りこみやすいため、個人的にはマイナス要素。正直に言うと、前面の表示はなくても困りません。

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金属製レンズマウントは4本のビスで固定されています。防塵防滴に対応する耐候性シーリングは見当たりませんが、レンズ内部は密閉されています。マウント面にはファームウェア更新用のUSB-Cポートを搭載。レンズはカメラに問題なく装着でき、ガタツキなどはありません。

フォーカスリング

幅広の金属製フォーカスリングを搭載。ソニー純正よりは適度な抵抗で滑らかに操作可能。ストロークは回転量に依存していますが、ゆっくり回転してもストロークは180度未満と短め。素早く操作すると90度程度でピント全域を操作可能。

ズームリング

金属製の絞りリングを搭載。VILTROX初期のレンズは無段階の絞りリングでしたが、本レンズのリングは1/3段刻みでクリックのあるコントロール。操作はやや重めで、しっかりとクリックストップが発生します。絞りリングの操作が好きな人には心地よい操作性と感じるかもしれません。クリックを解除する機能はありません。

その他コントロール

残念ながらAF/MFスイッチやFnボタンなどはありません。

ケラレ耐性

薄いフィルターであれば2枚程度、厚い枠であれば1枚程度が限度。重ね付けは非推奨。

レンズフード

金属製の頑丈なフードが付属。レンズ本体の外装と質感や塗装がよく似ており、一体感のあるデザインが非常に良好。ロック機構はありませんが、バヨネットタイプでしっかりと固定することが出来ます。逆さ付けに対応。

装着例

X-T30に装着。
小型軽量なボディには少し大きめのレンズですが、不快なほどのサイズではありません。追加グリップをカメラに装着すれば、片手での保持も可能。

AF・MF

フォーカススピード

ステッピングモーター駆動で動作。近距離から無限遠まで快適な速度で合焦。C-AFはカメラ側の性能が足かせとなっており、X-M5装着でより快適に動作することを確認。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

スライドショーには JavaScript が必要です。

フォーカスブリージングは非常に小さく、素早いピント移動でも目立つことはありません。とても良好な状態です。

精度

前述のように、古いAFシステムのカメラではAF-C時に動体を掴み切れない可能性があります。しかし、それ以外で特に大きな問題には遭遇していません。風景や静止した被写体であれば問題なし。第五世代のXシリーズであれば、近距離の動体でも良好。

MF

ストロークは短いものの、「13mm F1.4」であれば特に大きな問題はありません。フォーカスリング操作時の応答性は良く、微調整でも滑らかに動作します。

まとめ

セール時に5万円程度と考えると、お手頃価格の大口径広角レンズ。競合製品不在で、16mmよりも広い画角のF1.4レンズを探している場合はこれ一択。金属製のしっかりとした作りで、フォーカスリングや絞りリングの操作性は良好。AFにこれと言った問題はなく、フォーカスブリージングは良く抑えられています。

ソニーEマウントには「E 11mm F1.8」「E 15mm F1.4 G」が存在するため厳しい戦いかもしれませんが、富士フイルムXマウントやニコンZマウントであればスペックの近い競合製品は無し。

肝心の光学性能はと言うと「VILTROX AF 16mm F1.8」のように良好な光学性能を発揮。点光源が多い場合に玉ねぎボケが目立つものの、指摘する欠点と言えばそれくらい。敢えて言えばコマ収差がF1.4で少し目に付くくらいでしょうか。

XマウントやZマウントにおいて、広い画角で大きなボケを得たい場合に貴重な選択肢。玉ボケ以外の質感は悪くなく、個人的には気に入っています。接写時も画質の大幅な低下は見られず、少なくとも中央や中央付近はシャープな結果を得ることができます。細かいレビューは今後の追加記事をこうご期待。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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