「VILTROX AF 16mm F1.8」のレビュー第三弾を公開。今回は恒例の解像力チャートを使い、α7R Vと組み合わせた際の近距離解像性能をチェックしています。
VILTROX AF 16mm F1.8のレビュー一覧
- VILTROX AF 16mm F1.8 レンズレビュー 完全版
- VILTROX AF 16mm F1.8 レンズレビューVol.6 周辺減光・逆光編
- VILTROX AF 16mm F1.8 レンズレビューVol.5 ボケ編
- VILTROX AF 16mm F1.8 レンズレビューVol.4 諸収差編
- VILTROX AF 16mm F1.8 レンズレビューVol.3 近距離解像チャート編
- VILTROX AF 16mm F1.8 レンズレビューVol.2 遠景解像 編
- VILTROX AF 16mm F1.8 レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
解像力チャート
撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:α7R V
- 交換レンズ:VILTROX AF 16mm F1.8 FE
- パール光学工業株式会社
「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」 - オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- RAW出力
- ISO 100 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
- 最短撮影距離が長いため、従来よりも撮影倍率が低くなっています。
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
テスト結果
遠景解像では良好なテスト結果でしたが、近距離の解像チャートテストでは周辺部や隅の性能が大きく低下するようです。定型チャートテストと広角レンズは相性が悪いので驚くべき結果ではありません。中央はF1.8から非常に良好で、周辺部や隅はF8のピークに向かって徐々に改善します。
中央
絞り開放で若干の色収差が見られるものの、細部の解像性能はとても良好。F2.8付近まで絞るとコントラストが上昇し、F4でピークの結果が得られます。
周辺
中央とは打って変わってソフトな画質。広角レンズは接写時に周辺部の画質が低下する傾向があり、このレンズも例外ではない模様。絞ると徐々に改善しますが、ピークに到達するのが遅い。もしも最短撮影距離付近でシャープな結果を期待するのであれば、F4くらいまで絞るのがおススメ。
四隅
周辺部と同じくソフトな画質ですが、隅でも劇的な画質低下が見られないのは評価すべきポイントと言えるかもしれません。傾向は周辺部とほぼ同じで、F4まで絞ると画質がかなり安定します。シャープな結果を期待するのであればF8までしっかりと絞ったほうが良いかもしれません。
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F1.8 | 4369 | 2227 | 1909 |
F2.0 | 4981 | 3006 | 2022 |
F2.8 | 5200 | 2459 | 2042 |
F4.0 | 5547 | 3239 | 2875 |
F5.6 | 5225 | 3487 | 3675 |
F8.0 | 4978 | 4051 | 4026 |
F11 | 4418 | 3845 | 3634 |
F16 | 3953 | 3045 | 3239 |
実写確認
まとめ
他の超広角レンズと同じく、接写時は周辺部や隅の性能が大きく低下するようです。と言っても顕著な像面湾曲や非点収差、倍率色収差などは見られず、少しソフトな画質に目を瞑れば妥協できる範囲内に収まっています。本当に接写時のシャープネスが必要であれば、最低でもF4まで絞るのがおススメ。広角レンズで接写時の解像性能を重視する機会はそう多く無いかもしれません。チャートテストの数値は低いものの、あまり心配する必要はないのかなと思います。