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VILTROX AF 20mm F2.8 レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編

「VILTROX AF 20mm F2.8」ニコンZマウントのレビュー第一弾を公開。手ごろな価格ながら、しっかりとした作りで小型軽量。AFやMFの使い勝手もよく、全体的によくまとまったレンズと感じました。

VILTROX AF 20mm F2.8のレビュー一覧

まえがき

2023年に発売したフルサイズミラーレス用の超広角レンズ。ソニーEマウント・ニコンZマウントに対応しています。「20mm」の超広角をカバーしつつも全長60mm未満・重量152gと小型軽量なレンズサイズを実現しています。

  • 正式発表:2023年10月30日
  • 国内販売開始:2023年11月3日
  • 初値:158ドル
  • フォーマット:フルサイズ
  • マウント:E / Z / X
  • 焦点距離:20mm
  • 絞り値:F2.8-F16
  • 絞り羽根:7枚
  • レンズ構成:8群10枚
  • 最短撮影距離:0.19m
  • 最大撮影倍率:0.17倍
  • フィルター径:52mm
  • サイズ:64.9×59.6mm
  • 重量:152g
  • 防塵防滴:
  • AF:STM
  • 手ぶれ補正:-
  • その他機能:
    ・USBポート

他のVILTROXと同じく、AFを始めとした電子接点による通信機能はリバースエンジニアリングと思われます。互換性は完璧と言えないかもしれませんが、USB-Cポートでファームウェアアップデートに対応しています。

価格のチェック

国内でも代理店のPERGEARなどで取り扱いが始まっています。販売価格は2万円前半と非常に手ごろ。ニコンZマウントには高価な「Z 20mm F1.8」しかなく、ソニーEマウントではサムヤンやタムロンなどの競合製品が存在するものの、VILTROXほど安くはありません。手ごろな価格で20mmの超広角を体験してみたい人にとっては面白い選択肢と言えるでしょう。

外観・操作性

箱・付属品

ここ最近のVILTROXらしく、白を基調としたモダンなデザインの箱。VILTROX初期ごろのデザインと比べるとずいぶんと洗練されたように見えます。箱のカバーを外すと、被せ蓋に封印が施されています。
このシールをはがしても粘着力が残るため、ふたたび箱のカバーを取り付けると外せなくなるので注意。付属品はレンズキャップとフード、レンズポーチのみ。

外観

VILTROXとしては珍しく、外装にプラスチックパーツを使用しています。安っぽいかというとそうでもなく、初期のサムヤンレンズやYONGNUOレンズと比べると良好な質感。どちらかと言えば、国内メーカーのプラスチック外装と似ています。

意匠はシンプルで、過度な意匠は施されていません。シリアルナンバーなどは外装にシールで張り付けられています。

前玉・後玉

フルサイズに対応する20mmの超広角レンズながら、前玉が小さく、フィルター径も52mmとコンパクト。フィルターワークのためにNDやC-PLを揃える際に経済的と言えるかもしれません。注意点として、前面に白文字でレンズ名などがプリントされているため、強い光を反射してフィルター面に写りこむ可能性があります。

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金属製と思われるレンズマウントは4本のビスで本体に固定されています。防塵防滴用のシーリングは見当たりません。マウント部にはファームウェアアップデート用のUSB-Cポートがあります。

フォーカスリング

プラスチック製の幅広いフォーカスリングを搭載。手ごろな価格のレンズですが、フォーカスリングは適度なトルクで滑らかに回転します。応答性も良好で、微調整でもピント位置がジャンプするような兆候は無く、滑らかなピント移動となっています。ストロークが非常に長いため、素早いフォーカス操作には不向き。

レンズフード

プラスチック製の花形レンズフードが付属。サムヤン(旧世代)やYONGNUOほど安っぽくは見えません。内面に反射防止用の植毛などはありませんが、マットブラックの塗装が施されています。逆さ付けに対応していますが、コンパクトなフードなので、そのままでも邪魔にはなりません。

ケラレ耐性

フィルター一枚なら問題ありませんが、2枚重ね付けすると僅かにケラレます。

装着例

Z 8に装着。Z 28mm F2.8やZ 40mm F2よりも少し大きめですが、驚くほどの差はありません。20mmの超広角レンズとしては小型軽量。20mmのお散歩レンズとして常用できそうです。

AF・MF

フォーカススピード

AFにはステッピングモーターを使用。Z 8との組み合わせで近距離から無限遠まで快適なAF速度で利用できます。電光石火のAFとまでは言えませんが、大部分の被写体で問題なく追従することができるはず。実写では、比較的近距離の動物でも快適に利用することができました。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

スライドショーには JavaScript が必要です。

極端ではありませんが、少し目に付く画角変化があります。操作速度にもよりますが、ゆっくりとピントを移動させる場合は問題ないように見えます。

精度

Z 8との組み合わせで良好な精度・追従性能。AF-Sの再現性も良く、精度の高い動作となっています。

MF

前述したように、長いストロークで滑らかな操作が可能。無限遠や接写時の微調整に適しています。

まとめ

2万円前半の20mm F2.8としては良くまとまっています。小型軽量ながらしっかりとしたプラスチック外装で、フォーカスリングの操作性も良好。AFの動作も快適で、これと言って不満が無く、安っぽさは皆無。敢えて言えば、前面にプリントされた白文字のレンズ名などが蛇足だったかなと感じるくらい。リバースエンジニアリングのため、互換性が気になるところですが、幸いにもファームウェアアップデートに対応しています。今のところ動作に問題はありませんが、カメラのバージョンアップで動作不良が発生した時はVILTROXのファームウェアアップデートページを確認してみることをおススメします。光学性能のチェックはこれからですが、小型軽量な20mm F2.8に過度の期待をしなければ十分なパフォーマンスを発揮している模様。大部分の撮影で問題ないと思いますが、低照度の夜景や天体などで使う場合は像面湾曲が問題と感じるかもしれません。風景などパンフォーカスを狙う場合は中途半端に絞らず、F8やF11までしっかりと絞ったほうが良さそう。中国レンズメーカーで課題と感じている逆光耐性は今のところ問題なし。周辺減光は開放で目立ちますが、カメラ側のヴィネッティング補正を使えるほか、Adobe Camera RAWには対応のレンズプロファイルが用意されています。歪曲も含めて修正は簡単。開放付近を使うとAWBがマゼンダに傾く印象もありますが、そのあたりはもう少し使い込んで確認したいと思います。

購入早見表

作例

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