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VILTROX AF 20mm F2.8 レンズレビューVol.2 遠景解像編

「VILTROX AF 20mm F2.8」ニコンZマウントのレビュー第二弾を公開。像面湾曲の影響があるものの、しっかりと絞れば全体的に良好な遠景解像が得られる模様。

VILTROX AF 20mm F2.8のレビュー一覧

遠景解像力

テスト環境

  • 撮影日:2024年3月13日 くもり 微風
  • カメラ:Nikon Z 8
  • 三脚:Leofoto LS-365C
  • 雲台:SUNWAYFOTO GH-PRO II
  • 露出:絞り優先AE ISO 100
  • RAW:Adobe Lightroom Classic CC
    ・シャープネスオフ
    ・ノイズリダクションオフ
    ・レンズ補正オフ
    ・クロップ部を見やすいように若干(約1EV)の露出調整
  • ピント位置:中央

テスト結果

中央はF2.8から優れた解像性能を発揮していますが、像高5割から外側がややソフト。後述しますが、これは像面湾曲が影響しており、周辺部にピントを合わせると改善します(中央の性能が低下しますが)。像面湾曲の影響を回避するには大きく絞る必要あり。遠景ではF8~F11まで絞るとフレーム端までシャープな結果を得ることが可能。

中央(F5.6がミスショット気味)

F2.8から良好な性能ですが、軸上色収差の影響がごく僅かに残っています。全く気にならない程度ですが、絞るとコントラストが改善する可能性あり。

周辺

前述したように、中央にピントを合わせた状態だと、周辺部は少しピントが外れた状態となります。絞り開放からソフトな状態が続き、F8で良像と呼べる状態まで改善。ベストを尽くすのであれば、F11まで絞りたいところ。

四隅

基本的に周辺部と同じく像面湾曲の影響を受けます。周辺減光も強いため、風景シーンではF8やF11まで絞って使うのがおススメ。絞って使うぶんには悪くない結果が得られています。

像面湾曲

像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。

中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指しています。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の可能性あり。

最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合があります。と言っても、近距離でフラット平面の被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要はありません。

ただし、無限遠でも影響がある場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がありません。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

以下の作例はF2.8の絞り開放を使用し、中央にピントを合わせた場合と隅にピントを合わせた場合の差を見比べています。

ご覧のように、同じF2.8の絞り開放でもピントを合わせる領域によって結果に大きな違いが発生しています。像面湾曲の影響が残っていると言うことができ、フレーム全体でパンフォーカスを得るには強めに絞る必要があります。

まとめ

像面湾曲の影響があるので過度の期待は禁物ですが、絞った際(F8~F11)はしっかりとした結果を得ることができます。小型軽量で非常に安価な「20mm F2.8」としては十分な性能。F2.8でもピントを合わせた領域はシャープに写ります。ただし、ピント合わせ後にフレームを調整する(中央1点のAF後に向きを変えるなど)と意図せずにピントの山を外す場合があるので注意が必要です。絞れる環境であれば、F8~F11絞ったまま使うのがおススメ。

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作例

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