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VILTROX AF 85mm F2.0 EVO レンズレビューVol.4 諸収差編

VILTROX AF 85mm F2.0 EVO」のレビュー第四弾 諸収差編を公開。

製品提供について

このレビューはPERGEARより無償提供された製品を使用しています。
金銭の授受やレビュー内容の指示は一切ないことを最初に明言しておきます。購入した製品ではないことに対する無意識のバイアスは否定できませんが、できるだけ客観的な評価を心がけています。

「この商品ページへのリンクを紹介してほしい」と言った話が無かったので、とりあえずAmazonでの検索ページとPERGEAR公式リンクを掲載しています。

簡易的なまとめ

手ごろな価格のレンズとしては収差の補正状態が良好。
弱点と指摘するほど目立つ残存収差が無く、どれも良好な状態。特に明るいレンズで目立ちやすい色収差も許容範囲内に抑えられています。ゼロではありませんが、色収差が目立つシーンや部位は限られています。

For an affordable lens, aberration correction is excellent.
There are no noticeable residual aberrations significant enough to be considered a weakness; all perform well. Chromatic aberration, which tends to be more noticeable in bright lenses, is also kept within acceptable limits. While not entirely absent, chromatic aberration is only noticeable in limited scenes or areas.

VILTROX AF 85mm F2.0 EVO
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VILTROX AF 85mm F2.0 EVOのレビュー一覧

像面湾曲

像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。

中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指しています。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の可能性あり。

最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合があります。と言っても、近距離でフラット平面の被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要はありません。

ただし、無限遠でも影響がある場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がありません。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

絞り開放から特に大きな問題はありません。

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

全域で極わずかに残存していますが、大きく拡大しても無視できる範囲内に抑えられています。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

軸上色収差がゼロではないものの、目立つ可能性のあるシーンは限られています。多くの状況で絞り開放を快適に利用可能。

軸上色収差ではありませんが、絞ることでピントの山が遠側へ移動するフォーカスシフトが発生しています。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうこと。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすく、魚眼効果のような「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれています。

参考:ニコン 収差とは

比較的補正が簡単な収差ですが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となります。

実写で確認

未補正の場合に糸巻き型の歪曲収差がごく僅かに発生しています。修正無しで無視できる程度の歪みですが、気になる場合は手動補正が必要となります。(現在ACRに補正用プロファイル無し)

参考画像は上が未補正で下が手動補正しています。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。

参考:ニコン 収差とは

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。

実写で確認

フレーム隅に点光源の変形があるものの、影響は僅かで軽微な問題。これはF4-5.6でほぼ収束します。

球面収差

前後のボケ質に極端な差はありませんが、軸上色収差のテストから分かるようにフォーカスシフトの影響があります。

まとめ

手ごろな価格のレンズとしては収差の補正状態が良好。
弱点と指摘するほど目立つ残存収差が無く、どれも良好な状態。特に明るいレンズで目立ちやすい色収差も許容範囲内に抑えられています。ゼロではありませんが、色収差が目立つシーンや部位は限られています。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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