Nikon Nikon Z カメラ 機材レビュー 管理人レビュー

ニコン Z f レビュー Vol.5 ISO感度編

ニコン「Z f」のレビュー第六弾を公開。今回はカメラのISO感度について操作性やシステムをチェック。さらに高感度におけるノイズをZ 7やZ 8と見比べています。

Z f のレビュー一覧

操作性・システム

ISOダイヤル

ISO100からISO64000まで設定できるISOダイヤルを搭載。
Z fcと異なり「C」ポジションに合わせることでダイヤル操作に対応。ただし、ダイヤル操作はカメラのいずれかのボタンに「ISO」機能を割り当てる必要があります。ISOダイヤル操作時は前ダイヤルでISO AUTOの切替もできるため、Z fcのようにメニュー画面に潜る必要はありません。しかし正直に言うと、「C」ポジションの横に「A」ポジションがあると良かったです。

ISO AUTO時は、ISOダイヤルの設定値はISO AUTOの下限設定値として機能します。シャッタースピードを落としたくないような場合に活用したいところですが、シャッタースピードダイヤル側を低速限界設定に使えると尚良かった。

オートISO

撮影メニューのISO感度設定には従来通り感度自動制御機能(ISO AUTO)を搭載。(前述したように)DXフォーマットの「Z fc」は、このメニュー画面からISO AUTOのオンオフを切り替える必要があり。しかし、Z fはボタンカスタマイズで任意のボタンに「ISO」を登録することで、ダイヤル操作によりISO AUTOの切替が可能となっています(ISOダイヤル「C」設定は必須)。上限設定は従来通り。ISO AUTO時の下限設定は「C」ポジション時にダイヤル操作(ISOボタン必須)で対応。「C」ポジション以外の場合はISOダイヤルの設定値が反映されます。

低速限界設定

低速限界設定も従来通り。ショートカット機能はないので、メニュー画面での操作が必須。個人的には多用する機能なので、いずれかのボタンに割り当てることが出来ると良かったかなと。Aモードなどではシャッタースピードダイヤルが機能していないので、低速限界設定に利用できると良かったです。

ISO感度ノイズ

RAW

お馴染みの2400万画素 裏面照射型CMOSセンサーを搭載。直接言及はされていないものの、古くはα7 III、そしてZ 6やZ 6IIでも使われているCMOSセンサーの系譜と思われます。定評のあるセンサーらしく、ISO 6400くらいまでは良好な画質を維持。ISO 12800でカラーノイズが増加するものの、暗部のコントラストは良好に見えます。ISO 25600まで感度を上げると、暗部のコントラストが徐々に低下。ISO 51200ではカラーノイズで諧調が潰れてしまっているように見えます。

Z 7・Z 8との比較

ISO 6400

同じ撮影距離から同じ部分をクロップして比較してみたところ、3種類のセンサーで顕著な違いはありません。

ISO 12800

明るい部分は同程度に見えるものの、暗部のノイズはZ7やZ 8よりも良く抑えられています。特に低照度でISO感度を使う場合には差が大きく見えるかもしれません。

ISO 25600

どのカメラも非常にノイジーですが、Z 7やZ 8と比べると、まだ良好な画質を維持しているように見えます。

まとめ

Z fcと比べると操作性に改善が見られるものの、劇的に良くなったかというと、そうでもありません。ISO物理ダイヤルに「A」ポジションがあれば、ボタンカスタマイズの枠を一つ節約できたはず。あとは低速限界設定へのアクセスが悪く、調整のためにはメニューを開く必要があります。肝心の高ISO感度性能は文句なし。ISO 12800くらいまでは安心して使うことができ、ISO 25600の使用もやぶさかではない。特に中間からシャドウの諧調は高解像モデルよりもコントラストがよく維持されているように見えます。Z 6やZ 6IIなど、他の裏面照射型 2400万画素センサーと比べて大きな違いはありませんが、定評のある光学性能を最新のカメラシステムで使えると思えば価値があるのかなと。

参考情報

購入早見表

作例

Flickrにてオリジナルデータを公開

関連記事

-Nikon, Nikon Z, カメラ, 機材レビュー, 管理人レビュー
-, ,