福井県にゆかりのある戦国武将に扮した有名人や一般参加者が福井城址(福井県庁)から足羽川までを練り歩く年に一回のイベント。特に柴田勝家とお市の方は著名な芸能人がキャスティングされている。
昨年、2015年はつるの剛士さんが「柴田勝家」を鹿沼憂妃さんが「お市の方」を演じた。今年はK-1世界王者にもなった元キックボクサーの魔娑斗さんが柴田勝家役を、元宝塚歌劇団の真琴つばささんがお市の方を演じている。
一眼レフカメラを買ったし、一度はパレードと言うものを撮ってみるかと重い腰を上げて福井城址に行ってみた。
場所の確保が最優先課題
当然と言えば当然のことだったのだが、正直舐めて掛かっていた。
人があまりいない閑静な風景写真ばかり撮っていた為、「取り敢えず被写体を眺めながらアングルを考えるか」と考えていた。しかし、いざパレードが始まると場所の移動が困難な上に被写体までの間に遮蔽物(観光客など)が多くフレームに入ってしまう。
移動に困窮して苦し紛れにTHETAで状況記録写真。まあこんな感じで移動は不可能。しかも、目の前に柱があって邪魔するという残念な位置取りになってしまった。
常連者の方は三脚と脚立によりハイレベルから撮影して障害物を回避する方法をとっていた。但し、この混雑している状況もあって、広い場所を占有してしまう三脚はちょっと痛い目線を浴びる。このパレードでは禁止されていないが、場所によっては既に禁止されている場合もあるので要確認。
他の方に邪魔にならないようにハイレベルで撮影するのならば、より高い脚立と長玉を用意して建物を背にして撮影する事になると思う。それならば心置きなく撮影に集中出来るだろう。通行の妨げにならないように設置する必要はあるが…。
もしくはパレードが始まる前から最前線を確保しておくのが最も有効。それなりに待ち時間はあるのでトイレや食事は済ましておく必要はある。
前座
まず初めに、梯子乗りの実演と韓国の友好都市による演舞。
梯子乗りは元々、鳶職人が準備運動の為に始めたのがキッカケとか。火消しの際に櫓の変わりに使ったという話もあるそうだ。現在よりも高い梯子で実演していたそうなのだが、関西の方で一度事故が起こってしまったらしく現在の長さにまで短くしたらしい。短くなっているとは言え、2階?3階程度の高さはあるので落ちたらタダでは済まないだろう。命綱も無しに手放しをしたり逆立ちしたりと、中々にスリリングな実演だった。
丁度、背景に福井県庁が建っており、梯子の大きさと位置が絶妙にマッチ。県庁を梯子で登っているようなトリックアート的な写真に。
韓国の姉妹都市の演舞では総勢30人程が青龍刀や剣を持って華麗に舞っていた。今回は場所も場所だったので、70-200F2.8オンリーで撮影している為に圧縮効果による切り取り系の写真しか撮ることが出来なかった。最前列であれば広角レンズや魚眼レンズでパースを活かした写真を撮ることも出来そうだった。
演舞の奥に座っている方が、福井県知事の西川一誠氏。2003年から現在に至るまで現職で頑張っているお方。実は「ふるさと納税」の発案者だって知ってましたか?
柴田勝家・お市の方登場
手前のツボは柴田勝家の「ツボわり柴田」の名の由来と成ったツボを割るシーンの再現。
『武家事紀』によると、元亀元年(1570年)6月に六角義賢父子は長光寺城を囲んだ。義賢は郷民から長光寺城内は水が出ず後ろの谷から掛け樋で引いてい ると聞き、平井甚助に水源を止めさせた。勝家は残った水を入れた瓶を三つ並べ、このままでは渇して死ぬのは疑いなく、力のあるうちに必死の戦いをしようと 言うと、皆が賛成した。そこで三つの瓶を打ち割り捨て、翌16日に城外へ打って出て六角の旗本を切り崩し、野洲河原で三雲・高野瀬・水原の六角勢を討ち 取ったという。ここでは、これより勝家を俗に「ツボワリ柴田」、「鬼柴田」と呼ぶようになったとする
Wikipediaより抜粋
魔娑斗スラッシュが炸裂する瞬間を捉えたものの、まさかのおじいちゃんの頭が写り込むという失態。これは悔しい。次回があるのであれば、最前列を取って撮影しようと心に決めた一枚となった。
いやぁ、本当に後悔しない為には場所取り必須。中途半端に撮れてしまうとかなり悶々とする。
時代行列開始
一般の参加者や関係者が武将や兵士の衣装を身にまとって足羽川まで練り歩き初めた。
様になている方もいれば、なんとまあ着せられた感のある方まで様々。見てて面白い。福井信用金庫や福井銀行が参加している部隊には女性も多く華やか。
朝倉氏の雰囲気はバッチリだが、手前の雑兵役の方の着せられた感が半端無かった。これはこれで雑兵らしさが出ているとも言えなくは無いが。
幕末・明治に活躍した由利公正の行列もあったので、この様にジェントルな衣装の行列もある。戦国・江戸・明治の衣装を楽しめる点も見ていて面白い。
幕末の福井藩主「松平春嶽」の行列。山車が大きく、見ようによっては柴田勝家よりも目立っている。お陰様で撮りやすかった。
但し、山車が前身するとあっという間に信号機やら標識やらがフレームに入る。撮るなら福井城址から出てすぐのところだ。
お市の方
さすがにお市の方の行列とあって華やか。女性を中心とした行列になっている。
宝塚ファンと思しき集団が一気に本気モードに入り、私が撮れたのはこのカットくらい。この行列が宝塚ファンを率いていってくれたので、その後の柴田勝家の際は大分撮りやすくなった。隣で三脚を立てて撮っていたおっちゃんは、宝塚ファンの波に押し流されて行くはめに(南無)
柴田勝家
言っちゃあなんだが、昨年のつるの剛士さんよりも様になっている、さすが元格闘家。
手前で手綱を取っているのは恐らく馬の調教師の方。羽織と陣笠を被っているものの、その下はとっても騎手っぽい風貌をしている。この様に時代行列といえどもフレームには少なからずそういう方が紛れ込む。出来るのならばF値を明るめにして被写体以外をボカしてしまうのがベターだと思う。
このフレームの背景にもイベントスタッフやスーツ姿が混じっている。
パレードを撮るには
冒頭の繰り返しになるけども、ポジションニング命。
後から移動が利かないので、特に使いたい画角のレンズを先に決めておこう。近すぎると望遠レンズが使えず、遠すぎると広角・標準レンズが使えない。広角レンズは背景が広く写り込んでしまう点、望遠レンズは出来るだけ正面から撮影出来るポジション(画角が狭いので横向きは撮影し難い)を考慮しておこう。
広角レンズならちょっと早めに場所確保を、望遠レンズならハイレベルを確保出来るポジションかツールを用意しよう。
レンズは使いたいものを装着して一本。予備に一本程度で良い。パレードがはじまったら付け替えている余裕もスペースも無い場合が多い。サブカメラとしてコンパクトデジタルカメラで補完するのもありだろう。あまり多く持って行っても荷物が嵩張るだけになる。
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