とるなら~写真道楽道中記~

「ここだ!こうだ!これだ!」写真・機材道楽の備忘録

歪曲が極めて少ない超広角レンズ 12mm F2.8 Zero-D【評価・作例】

      2017/10/03

  • 2017.8.16:PhotoraphyBlogのレビューを参考サイトに追加しました。
  • 2017.8.8:PhotographyBlogを作例に追加しました。そのうち作例が公開されそうですね。
  • 2017.6.4:作例にKASYAPAを追加
  • 2017.5.20:「海外の評価」を新設しePHOTOzineのレビューを抄訳
  • 2017.5.20:ページを作成しました。

レビュー・作例・参考サイト

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レンズデータ

レンズ仕様

焦点距離:12mm

最大口径比:F2.8

絞り範囲:F2.8〜F22

画角:122.96度

レンズ構成:10群16枚(特殊低分散レンズ3枚、非球面レンズ2枚を含む)

絞り羽根枚数:7枚

最短合焦距離:18cm

最大撮影倍率:0.2倍

フォーカス:マニュアルフォーカス(MF)

サイズ:約74.8×約82.2mm(レンズマウントにより変動有り)

質量:約610〜650g(レンズマウントにより変動有り)

MTFチャート

レンズ構成図

海外の評価

Focus Numerique:光学品質は良好だが電子接点は欲しかった

  • このレンズは100%金属製で頑丈さと耐久性を持ち合わせている。見た目はかなり良好だ。
  • フードは取り外し可能だ。
  • 残念なことにフロントに円形フィルターを装着できない上、後部のゼラチンホルダーも設置されていない。ただし、専用の角形フィルターホルダーを提供している。
  • 本レンズはシフト機能を有するEマウント用アダプターやGFXフォーマットに拡大して使用できるアダプタが存在する。
  • フォーカスリングの滑らかさは完璧だ。
  • 絞りリングは残念なことに1段毎にのみクリックが設けられている。個人的には1/2段か1/3段ごとが良かった。
  • このレンズは全く電子制御されていない。完全なマニュアルレンズだ。絞ったまま使うとファインダーはかなり暗くなる。
  • 解像力はとても良好だ。比較的一貫しており、均質的な傾向がある。
  • フレーム中央のシャープネスは高く、F4~F22まで安定している。
  • 絞り開放付近では中央とフレーム周辺、隅の画質には差があるものの、F11まで絞ると画質がピークとなる。F16まで絞ればフレーム全体で最も均質なイメージを得ることができるだろう。
  • 周辺減光は非常に目立つ。F8までは目につくかもしれないため、時には露出補正の使用を検討するべきだ。
  • 歪曲収差の存在は忘れても良いだろう。
長所 短所
  • F2.8の絞り開放F値
  • 歪曲なし
  • マニュアルフォーカスリング
  • マニュアル絞りリング
  • 100%金属製
  • 防塵防滴仕様ではない
  • 電子接点なし
  • 周辺減光はF8まで発生
  • フィルターホルダー

このレンズはその名の通り歪曲が無い。超広角レンズとしてこの特徴を持っていることは建築写真家が魅力に感じるはずだ。

F2.8と明るいレンズであるため、暗所での手持ち撮影にも便利だ。しかし、広角12mmでフルマニュアルレンズはピント合わせで苦労するかもしれない。

レンズの造り自体はとても成功したものだ。100%金属製の鏡筒は比較的コンパクトで軽量、フォーカスリングはとても滑らかだ。

光学品質の観点からみても良好な画質で非常に均質なイメージだ。

しかし、電子接点全く無いと言う点で我々はこのレンズをオススメすることは出来ない。ここ最近のレンズならば電子接点は設けるべきだ。

PhotoraphyBlog:自信を持ってオススメすることができる画質

このレンズを語るには良好な画質から始めなければならないだろう。

ディテールはほぼフレーム全域でシャープなピント面だ。絞り開放のF2.8から見事なものだ。歪曲はとても良好に補正され、周辺減光は一般的なレベルを維持している。

色収差は大きいと予想していたが、問題を見つけるのに苦労するほど最小限に補正されている。歪曲収差の補正は見事だ。建築写真家でも使うことができるだろう。

天体撮影では絞り開放で周辺減光と非点収差が気になるかもしれない。その場合にはF4まで絞ると非常に良好となる。

マニュアルフォーカスでピントの山を見つけるのは非常に難しい。しかし、F8~22の絞り値で無限遠に設定するとパンフォーカス撮影が可能だ。

数値にやや誤りがあるものの、絞り値はカメラに表示される。(カメラによっては)

サイズと重量はまずまずだが、フルサイズ一眼レフではバランスが取れている。専用のフィルターホルダーを販売しているのは素晴らしい。

競合レンズとの直接比較はしていないが、比較することなく自信を持って「Laowaの画質は劣っていない」と言う事が出来る。特に風景、建築、天体写真にはオススメだ。

Dustin Abbott:安くは無いがその価値はあるレンズ

これはとても興味深いレンズだ。素晴らしいレンズの造りとコンパクトなサイズはとても魅力的であり、このようなレンズにありがちな光学的欠点を最小限に抑えている。ZERO-Dの歪曲特性は必ずしも抜群の性能ではないが、悪いものでは無い。

加えてLaowaは専用のフィルターアダプターを用意して汎用性を高めている点には拍手を送りたい。これにより建築写真家以外に風景写真家にもより効果的にレンズを販売することができるだろう。マニュアルフォーカス限定と言うのは購入者を思いとどまらせる要素となるかもしれないが、それでも興味を引くレンズには違いない。

私はこのレンズに付けられた高価な値札を市場がどのように反応するのか疑問だったが、レンズの造りと光学性能のコンビネーションで999ドルという価格帯は合理的なものだ。純正という選択肢もある中でこの価格設定のレンズを世に送り出したのは賞賛すべきだろう。私は彼らが成功することを祈っている。

長所:ツアイスのようなとても素晴らしいレンズの造り、ZERO-Dと言うのは実写で正しい表現だ、コンパクトなサイズ、抵抗感のある美しいフォーカスリング、良好なフレア耐性・色収差補正、解像力、賢明な拡張オプションパーツ、多くのレンズマウントに対応

短所:マニュアルフォーカスのみ、絞り開放で周辺減光が大きい、僅かなコマ収差、絞り開放でソフトな四隅の描写

ePHOTOzine:優れた性能を持つ個性的なレンズ

  • これは金属鏡筒で質感の高いレンズだ。609gと適度な重量感でテストしたボディのNikon D810とのバランスは良好だ。
  • 出目金レンズであるためフィルター用のネジこみは備わっていない。
  • マニュアルフォーカスはこのような画角のレンズではとても難しい。被写界深度が深いため、最もシャープネスが高まるポイントにピントを合わせるのは至難の業だ。幸いにもこのレンズには被写界深度指標が備わっている。被写界深度指標はパノラマ撮影者にとって重宝するものだろう。
  • 絞り羽根は7枚と少ないが、広角レンズにおける性質を考えると十分な枚数だ。
  • シャープネスは印象的な結果を得ることができた。中央は絞り開放からF16まで素晴らしい結果だ。F22で僅かに低下するが依然として良好な基準値を示している。
  • 四隅はやや低下するがF2.8~F4.0で非常に良好でF5.6で素晴らしい結果となり、F11までその卓越した性能が続く。F16まで絞ってもまだ非常に良好だがF22はまあまあなシャープネスとなる。
  • この解像力チェックは近接するテストチャートを用いて行ったものだ。本来の使い方とは異なるこのチェックでこの結果はとても見事なものだ。
  • 色収差は驚くほど補正されており心配することはないだろう。中央はゼロに近く四隅でさえ1/3ピクセル程度に過ぎない。厳しシチュエーションでは僅かに色収差が見えるかもしれないが、ほとんど気が付かないものだろう。この結果は最高クラスのレンズと同じくらい良好だ。
  • フレア耐性は十分であり逆光における撮影でも目立つものは無かった。これは出目金レンズとしては非常に重要なポイントでコーティングの品質を賞賛できるものだ。
  • 歪曲はー0.99%と非常に低い。これはどのレンズよりも遥かに優れた性能であり、広角レンズとしては称賛に値するものだ。
  • ボケは滑らかで心地よいものだが、このレンズで優先すべき事項ではないだろう。
  • このレンズは現在949ドルだ。この画角をカバーするフルサイズ対応レンズは少なく、キヤノン「EF11-24mm F4L USM」はより広い画角だがF4と暗く価格が高い。14mm F2.8はいくつかあるが、12mmと画角は比べ物にならないだろう。我々の結論としてこのレンズは多かれ少なかれ個性的であり合理的な値付けとなってる。これは時間の経過と共に値下がりするかもしれない。

このレンズはユニークで優れた性能を発揮する。マニュアルフォーカスには苦労するだろうが、いろいろな方法で解決は可能だ。このバージョンのニコンマウントを使う限りでは正確に動作し、長期的に優れた性能を発揮する強く推奨できるレンズだ。

長所:優れたシャープネス、低色収差、低歪曲、接写性能、良好な造り、とても画角が広い、フレア耐性、被写界深度指標

短所:耐候性無、マニュアルフォーカスが難しい、絞り値のEXIFエラー

機能性
操作性
性能
コストパフォーマンス
総合評価

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