【評価･作例】小さいだけがウリじゃない『1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6 PD-ZOOM』

Nikon1 V3やJ5のキットレンズとして登場した、2014年4月発売と比較的新しCXフォーマットのレンズ。

従来のキットレンズと比べて、パワードライブによる電動ズーム機構を採用している。本体の電源を入れるだけで沈胴式レンズが展開するので楽ちんだ。収納時はレンズバリア-が前玉を覆うので保護キャップが必要無い点もグッド。

電動ズーム用のズームリングのトルクは軽く、メカ式のズームと比較してもクイックな操作が可能。AFはボディ性能に影響され易いが、現行の最新モデルであればフォーカシングも高速で快適。但し、フォーカシング時にややメカ音が発生するので、他社のステッピングモーターの様な静音性とは無縁。

本レンズは接写性能に優れており、最短撮影距離は0.2m・撮影倍率は0.2倍（換算0.55倍）と小さな被写体を大きく引き寄せる事が出来る。テレ端の描写もキットレンズにしては良好で、しっかりと解像する。1型センサーなので、被写界深度が深くマクロ的な撮影をしてもパンフォーカスが狙いやすい。

接写性能を活かせば、センサーサイズの小さいキットレンズながら大きなボケを演出する事も可能だ。

レンズはEDレンズを1枚と非球面レンズを4枚も使用し、効果的に諸収差を補正する事で小型化を実現している。光学性能とコンパクトを両立させた現代的な光学設計のレンズだ。

小さい沈胴式のレンズながら、VR（手ぶれ補正）を搭載しており補正効果は4段分に及ぶ。センサーサイズが小さいので、ISO感度をあまり高く出来ない分、スローシャッターで補う時に役に立つ。